個別サポート加算をわかりやすく解説

個別サポート加算は、児童発達支援と放課後等デイサービスで算定できる加算です。

サービスごとに分類すると以下のようになります。

児童発達支援
  • 個別サポート加算(Ⅰ)
  • 個別サポート加算(Ⅱ)
放課後等デイサービス
  • 個別サポート加算(Ⅰ)
  • 個別サポート加算(Ⅱ)
  • 個別サポート加算(Ⅲ)

児童発達支援

重症心身障害児等、著しい重度の障害児や虐待等の要保護・要支援児に対して支援を行った場合に算定できます。

個別サポート加算(Ⅰ) 120単位/日

個別サポート加算(Ⅰ)は、著しく重度の障がい児への支援を充実させる観点から、以下の児童に対して支援を行った場合に算定できます。

  • 重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している障がい児(重症心身障がい児)
  • 身体に重度の障がいがある児童(1級or2級の身体障害者手帳の交付を受けている障がい児)
  • 重度の知的障害がある児童(療育手帳を交付されており、最重度or重度であると判定をされている障がい児)
  • 精神に重度の障がいがある児童(1級の精神障害者保健福祉手帳を交付されている障がい児)

重心型児童発達支援事業所で重症心身障がい児に対して支援を行う場合には、個別サポート加算(Ⅰ)は算定できません。

個別サポート加算(Ⅱ) 150単位/日

個別サポート加算(Ⅱ)は、「要保護児童or要支援児童」を受け入れた場合において、連携先機関などと連携して児童発達支援を行う場合に算定できます。

ただし、要保護児童や要支援児童への支援が必要な場合、その保護者に説明することが適当でない場合もありますので、個別サポート加算(Ⅱ)の算定は慎重に検討することが必要です。

<個別サポート加算(Ⅱ)の留意事項>

  • 公的機関(児童相談所・こども家庭センター等)、要保護児童対策地域協議会、医師(「連携先機関等」)と、当該障がい児が対象児童でることの認識や支援の状況等を共有しつつ支援すること
  • 上記の共有は、6ヶ月に1回以上行うこと。その記録を「文書」で保管すること。
    ※ここでいう「文書」は、連携先機関等が作成した文書or児童発達支援事業所が作成した文書であって、連携先機関等と共有するなど、児童発達支援事業所と連携先機関等の双方で共有しているものをいいます。たんに児童発達支援事業所において口頭でのやりとりをメモして保管しているだけの文書は対象となりません。
  • 連携先機関等と共有しながら支援していくことについて、個別支援計画(児童発達支援計画)に位置づけ、保護者の同意を得ること。
  • 市町村から、支援状況等について確認があった場合には、回答すること。
  •  個別サポート加算(Ⅱ)を算定している場合、連携先機関等との連携については個別サポート加算(Ⅱ)で評価されているため、関係機関連携加算(Ⅲ)は算定できません。
    ただし、個別サポート加算(Ⅱ)とは別の観点から医療機関との連携を行った場合には、個別サポート加算(Ⅱ)で評価されているとは言えないため、関係機関連携加算(Ⅲ)を算定することはできます。

放課後等デイサービス

著しく重度or行動上の課題があるケアニーズの高い就学児や虐待等の要保護・要支援児、不登校の就学児に対して支援を行った場合に算定できます。

加算区分 加算単位数 備考
個別サポート加算
(Ⅰ)
① 90単位/日 ケアニーズの高い就学児」に対して支援を
行った場合
※強度行動障害児支援加算と併せて算定可能。
② 120単位/日
(①+30単位)
ケアニーズの高い就学児」に対して「強度
行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者」
を配置し支援を行った場合
※強度行動障害児支援加算と併せて算定不可。
③ 120単位/日 著しく重度の就学児」に対して支援を行っ
た場合
※強度行動障害児支援加算と併せて算定可能。
個別サポート加算
(Ⅱ)
150単位/日 要保護児童・要支援児童」に対して児童相
談所やこども家庭センター等と連携して
支援を
行った場合
個別サポート加算
(Ⅲ)
70単位/日 不登校の状態にある就学児」に対して学校と
連携して
支援を行った場合

個別サポート加算(Ⅰ) ① 90単位/日、② 120単位(①+30単位)/日、③ 120単位/日

個別サポート加算(Ⅰ)は、著しく重度および行動上の課題のあるケアニーズの高い就学児への支援を充実させる観点から、「就学児サポート調査票」のうち、①から③ のいずれかに該当すると市町村が認めた障がい児について評価される加算です。

①  就学児サポート調査票の合計点が13点以上・・・90単位/日

  • 強度行動障害児支援加算と併せて算定可能。

②  ①の場合(13点以上の場合)に、「強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者」を配置(常勤換算に限らない単なる配置で可)し、当該研修修了者が本加算の対象児に支援を行った場合・・・120単位(90単位+30単位)/日

  • 強度行動障害児支援加算と併せて算定不可。

③  就学児サポート調査票の食事・排せつ・入浴・移動のうち3つ以上の日常生活動作について「全介助」を必要とする場合・・・120単位/日

  • 強度行動障害児支援加算と併せて算定可能。

※②を算定する場合は事前の届出が必要です。

※個別サポート加算(Ⅰ)は重心型事業所で支援を受ける重症心身障害児については算定できません。

個別サポート加算(Ⅱ) 150単位/日

個別サポート加算(Ⅱ)は、「要保護児童or要支援児童」を受け入れた場合において、連携先機関などと連携して児童発達支援を行う場合に算定できます。

ただし、要保護児童や要支援児童への支援が必要な場合、その保護者に説明することが適当でない場合もありますので、個別サポート加算(Ⅱ)の算定は慎重に検討することが必要です。

<個別サポート加算(Ⅱ)の留意事項>

  • 公的機関(児童相談所・こども家庭センター等)、要保護児童対策地域協議会、医師(「連携先機関等」)と、当該障がい児が対象児童でることの認識や支援の状況等を共有しつつ支援すること
  • 上記の共有は、6ヶ月に1回以上行うこと。その記録を「文書」で保管すること。
    ※ここでいう「文書」は、連携先機関等が作成した文書or児童発達支援事業所が作成した文書であって、連携先機関等と共有するなど、児童発達支援事業所と連携先機関等の双方で共有しているものをいいます。たんに児童発達支援事業所において口頭でのやりとりをメモして保管しているだけの文書は対象となりません。
  • 連携先機関等と共有しながら支援していくことについて、個別支援計画(放課後等デイサービス計画)に位置づけ、保護者の同意を得ること。
  • 市町村から、支援状況等について確認があった場合には、回答すること。
  • 個別サポート加算(Ⅱ)を算定している場合、連携先機関等との連携については個別サポート加算(Ⅱ)で評価されているため、関係機関連携加算(Ⅲ)は算定できません。
    ただし、個別サポート加算(Ⅱ)とは別の観点から医療機関との連携を行った場合には、個別サポート加算(Ⅱ)で評価されているとは言えないため、関係機関連携加算(Ⅲ)を算定することはできます。

個別サポート加算(Ⅲ) 70単位/日

個別サポート(Ⅲ)は、「不登校の状態にある障がい児」に対して、学校及び家族等と緊密に連携を図りながら支援を行う場合に評価される加算です。

個別サポート(Ⅲ)の対象となる「不登校の状態になる障がい児」とは、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、投稿しないあるいはしたくともできない状況にあるため、長期間継続的もしくは断続的に欠席している児童(病気や経済的な理由による者は除く)であって、学校と情報共有を行い、事業所と学校の間で、緊密な連携を図りながら支援を行うことが必要であると判断された児童をいいます。

<個別サポート加算(Ⅲ)の留意事項>

  • あらかじめ保護者の同意を得たうえで、個別支援計画に位置付けて支援を行うこと。
  • 個別支援計画の作成にあたっては、学校と連携して作成を行うこと。
  • 学校との情報共有」を、月に1回以上行うこと。情報共有は対面orオンラインにより行うこと。要点をまとめた記録を作成し、学校と共有すること。
  • 情報共有においては、不登校の状態について確認を行い、障がい児や家族などの状態や登校状況などを考慮したうえで、学校と事業所との間で本加算による支援継続の要否を検討すること。本加算の算定を終結する場合も、その後の支援について学校との連携に努めること。
  • 家族への相談援助」を、月に1回以上行うこと。相談援助は、訪問・対面・オンラインいずれの方法でも問わないが、個別の相談援助を行うこと。要点をまとめた記録を作成すること。
  • 市町村から、学校や家族との連携状況や障がい児への支援状況について確認があったときは、回答すること。
  • 「学校との連携」、「家族への相談援助」については、関係機関連携加算(Ⅰ)(Ⅱ)、家族支援加算(Ⅰ)は算定できない。

<個別サポート加算(Ⅲ)についてのQ&A>

Q.個別サポート加算(Ⅲ)の対象となる「不登校の状態にある障害児」は、事業所が判断すれば足りるのか?

A.  個別サポート加算(Ⅲ)は、不登校の状態にある障害児に対して発達支援を行うことに加え、学校及び家庭との連携を緊密に図りながら支援を進めることを要件としており、

  • 事業所が、不登校の状態にあると考えた障害児について
  • 保護者の同意を得たうえで、
  • 学校との情報共有を行い、事業所と学校の間で緊密な連携を図りながら支援を行うことが必要であると判断した場合に、

支援の取組みを進めていくことを想定している。

なお、取組みの中では、月1回以上、学校との情報共有等を行うことを求めており、その際、障害児の不登校について確認を行い、事業所と学校との間で、個別サポート(Ⅲ)による支援の継続の要否について検討を行うこととしている。

<令和6年4月22日こども家庭庁支援局障害児支援課事務連絡抜粋>

  • 個別サポート加算(Ⅲ)は、不登校の状態にある障がい児に対して、学校及び家庭と緊密な連携の下で支援を行う事業所が、保護者の同意を得て算定するもの。あらかじめ市町村において通所給付決定時に対象か否かを決定し、受給者証に印字することは不要である。
  • 個別支援計画の作成においては、授業時間帯である時間においても、計画時間(発達支援を提供する時間)or 延長時間を個別支援計画に位置付けることができます。
  • 個別サポート加算(Ⅲ)は、不登校の状態になったが、放課後に利用していた放課後等デイサービスには、信頼関係の下で通うことができる障害児に対し、当該放課後等デイサービスが学校・家庭等と連携して支援を行う場合に算定することを想定しており、これまで当該放課後等デイサービスの利用をしていなかった不登校の状態にある障がい児を集めて一方的に支援を行うことは想定していない。
  • 個別サポート加算(Ⅲ)は、放課後等デイサービスを利用している障がい児が、不登校の状態となっている場合における支援を対象としているものであり、不登校の状態のみをもって障害児通所給付費の対象とする趣旨のものではない。

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