放課後等デイサービスにおける医療的ケアスコアの確認

放課後等デイサービス及び児童発達支援における「医療的ケア」とは、医療的ケアスコア表に規定する14類型の医療行為を指します。

そして、放課後等デイサービスにおける「医療的ケアスコア」とは、医療的ケア児の医療濃度を計るためのスコアをいいます。医療的ケアの各項目ごとに、「基本スコア」と「見守りスコア」の2つの構成となっており、これらの点数を合算したスコアを指します。つまり、医療的ケアスコアは、基本スコアと見守りスコアの合計点ということになります。

  医療的ケア(診療の補助行為) 基本
スコア
見守りスコア
1 人工呼吸器の管理
(鼻マスク式補助換気法、ハイフローセラピー、
パーカッションベンチレーター、排痰補助装置、
高頻度胸壁振動装置を含む)
※人工呼吸器及び括弧内の装置等のうち、いずれか一つに
該当する場合にカウントする。
10 2 1 0
2 気管切開
※人工呼吸器と気管切開の両方を持つ場合は、気管切開の
見守りスコアを加点しない(人工呼吸器10点+人工呼吸器
見守り〇点+気管切開8点)
8 2 0
3 鼻咽頭エアウェイ 5 1 0
4 酸素療法 8 1 0
5 吸引(口鼻腔・気管内吸引) 8 1 0
6 利用時間中のネブライザー使用・薬液吸入 3 0
7 経管栄養 経鼻胃管、胃瘻 8 2 0
経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻、食堂瘻 8 2 0
持続経管注入ポンプ使用 3 1 0
8 中心静脈カテーテル
(中心静脈栄養、肺高血圧症治療薬、麻薬など)
8 2 0
9 その他の注射管理 皮下注射(インスリン、麻薬など) 5 1 0
持続皮下注射ポンプ使用 3 1 0
10 血糖測定 利用時間中の観血的血糖測定器 3 0
埋め込み式血糖測定器による血糖測定 3 1 0
11 継続する透析(血液透析、腹膜透析を含む) 8 2 0
12 排尿管理
※いずれか一つを選択
利用期間中の間欠的導尿 5 0
持続的導尿
(尿道留置カテーテル、膀胱瘻、腎瘻、
尿道ストーマ)
3 1 0
13 排便管理
※いずれか一つを選択
消化管ストーマ 5 1 0
利用時間中の摘便、浣腸 5 0
利用時間中の浣腸 3 0
14 痙攣時の管理
※医師から発作時の対応として上記処置の指示があり、
過去概ね1年以内に発作の既往がある場合
3 2 0

※医療的ケアスコア簡易版

「基本スコア」は医療行為の該当の有無についての評価であり、保護者や医師、看護職員等への聞き取り等により事業所で判定することが可能です。

一方、「見守りスコア」は、医療的ケアを実施する上でのリスクについて、医療的ケアに係るトラブルが命にかかわるか、主介護者による回復が容易かどうかの評価であり、医師による判定が必要です。

  • 基本スコア・・・「事業所」で判定することが可能
  • 見守りスコア・・・「医師」による判定が必要

※「見守りスコア」を判定する医師は、当該児童が日頃から診察を受けている医師(いわゆる主治医)とする。医療的ケア児には、大学病院等と地域の診療所の両方を受診している場合もありますが、そのような場合はどちらの医師が判定をしても良いとされています。

主治医による「判定スコアの要否」のチェックリスト(厚生労働省資料)

https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000034/34061/20210323013.pdf

(枚方市ホームページより)

「医療的ケア児に係る基本報酬」「看護職員加配加算」「医療連携体制加算」のいずれも医療的ケア児を対象とした報酬ですが、上記のとおりスコアの取扱いに違いがあるため、各報酬の算定における判定プロセスに差が生じます。

つまり、医療的ケアスコアは「見守りスコア」の判定を伴う場合は、主治医により判定する必要になりますが、「見守りスコア」まで判定する必要がない場合は、放課後等デイサービスの事業所に配置された看護職員等が判定することができるため、各種報酬の算定にあたり、算定要件や判定資料の提出先が異なります。

報酬 要件 判定する者 提出先
医療的ケア区分に
応じた基本報酬
医療的ケア区分1~3の
判定が必要 等
主治医
(見守りスコアが必要)
市町村
看護職員加配加算 利用する重心医ケア児の
医療的ケアスコアの合計
が40点以上 等
主治医
(見守りスコアが必要)
事業所
医療連携体制加算 医療的ケア児であること
主治医以外でも可
(事業所に配置された看護職員 等)
事業所

「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定する場合は、受給者証にその旨を記載するため、保護者は市町村に新判定スコアを提出する必要がありますが、「看護職員加配加算」や「医療連携体制加算」は放課後等デイサービス事業所において確認し、その根拠となる書類を保管すれば足りるため、新判定スコアを事業所に提出することになります。

放課後等デイサービスを利用する場合の医療的ケアスコアの確認フロー

放課後等デイサービスを利用する場合の基本的な医療的ケアスコアの判定プロセスは以下のとおりとなります。

(引用:厚生労働省資料)

「医療的ケア児」の場合、市町村で判定を行い、受給者証に医療的ケア区分が印字されます。また、新判定スコアの写しを保護者に渡し当該写しを放課後等デイサービス事業所にも提出します。

「重心医ケア児」の場合、新判定スコアを放課後等デイサービス事業所に提出すれば足ります(例外として、重心医ケア児が一般型の放課後等デイサービス事業所を利用し、医療的ケア児として報酬請求をする場合は、医療的ケア区分の判定を行うため、市町村に新判定スコアを提出します)。

放課後等デイサービスにおける新判定スコア

放課後等デイサービスを利用する際に新判定スコアの作成を主治医に求める必要がある場合は、医療的ケア児又は重心医ケア児の「保護者」が、主治医に作成を求めるものとします。このとき、医療機関から文書料を求められた場合、当該保護者の負担となります。

ただ、上記の「医療的ケアスコアの確認フロー」のとおり、算定する報酬が「医ケア以外の障がい児の基本報酬+医療連携体制加算」だけの場合は、必ずしも主治医に新判定スコアを求める必要はなくなります(確認フローの左下部分)。

新判定スコアは、医療的ケア児又は重心医ケア児の保護者が必要な医療的ケアを受けるうえで、当該医療的ケア児又は重心医ケア児の医療濃度を証明するために必要なものです。

ただし、医療的ケア児の家庭の負担を鑑み、

  • 医療的ケア児の人数が限定的で、あらかじめ利用しようとする事業所において医療的ケア児の報酬の算定内容を把握できるような地域の市町村では、一律に保護者に新判定スコアの取得を求めることなく、給付決定申請前に個別に必要性を判断するなどの手続きとする。
  • 医療的ケア児の人数が一定程度見込まれる地域の市町村では、市町村民にとって分かりやすい資料を給付申請に係るホームページに掲載するなどして、申請者が、新判定スコアの取得の必要性を判定できるようにする。

といった配慮を設けている市町村もありますので、放課後等デイサービスを利用しようとしている保護者の方は市町村の担当部署に確認をするようにしましょう。

また、算定する報酬の内容を最も把握しているのは放課後等デイサービス事業所ですので、事業所においても、利用する医療的ケア児又は重心医ケア児の給付決定の更新等の際には、新判定スコアの取得が必要かどうかについて、保護者に助言するなどの配慮が必要でしょう。

放課後等デイサービスにおける「医療的ケアスコア」に関してのQ&A(厚生労働省資料から抜粋)

Q.医療的ケアスコアは何ヶ月に1度の確認が必要か。

A.12ヶ月に一度の確認を求めるものとする。

Q.「更新判定(2回目記入欄)」及び「再更新判定(3回目記入欄)」とは、何のための欄なのか?

A.医師の文書作成の負担軽減のため、初回判定時と判定結果が変わらない場合に、改めて各項目の判定を行うのではなく、「更新判定(2回目記入欄)」に日時や氏名等を記入することで、再確認を行ったものとするために設けている。このため、市町村又は事業所においては、保護者から新判定スコアの提出を受けたとき、写しを本人に提出し、更新のときには、その書類を医師に渡して更新してもらうように案内されたい。

新判定スコア様式(厚生労働省資料)

https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000034/34061/20210323011.pdf

(枚方市ホームページより)

Q.「医療機関名」は、更新判定時に改めて記載することになっていないが、医療機関を変える場合、「更新判定(2回目記入欄)」及び「再更新判定(3回目記入欄)」には、どのように記載するのか?

A.「更新判定(2回目記入欄)」及び「再更新判定(3回目記入欄)」は、同一の医療機関において判定を求めるときに使用することを想定している。医療機関が変わる場合は、新しい用紙で新判定スコアを用意するものとする。なお、医療機関が変わらず、主治医が変更した場合は、「更新判定(2回目記入欄)」及び「再更新判定(3回目記入欄)」を使用することが想定される。

Q.新判定スコアの作成に係る費用は、医療機関が定めるのか。また、「更新判定(
2回目記入欄)」及び「再更新判定(3回目記入欄)」を記入するときも、文書科は生じるのか?

A.新判定スコアの作成に係る費用の有無やその額については医療機関ごとに定めることになる。また、「更新判定(2回目記入欄)」及び「再更新判定(3回目記入欄)」を記入するときについても同様である。

Q.新判定スコアは押印箇所がないが、主治医や医療機関の印は不要か?

A.不要である。


令和3年度の障がい福祉サービスの報酬改定によって、事業所側だけでなく、放課後等デイサービスを利用しようとする保護者側の手続きも複雑化しました。とくに「医療的ケア児」や「重心医ケア児」の場合は、医師による「見守りスコア」の判定が必要になりますので、個別具体的な利用手続きは必ず市町村が担当部署に確認をするようにしましょう。

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