令和3年度(令和3年4月~)から障がい福祉サービス等の報酬改定が行われます。主な改定内容の概要は以下のようになります。
1.障がい者の重度化・高齢化を踏まえた地域移行・地域生活の支援、質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し等
共同生活援助(グループホーム)における重度化・高齢化に対応するための報酬の見直し
- 強度行動障害を有する者や医療的ケアが必要な者に対する支援の評価
自立生活援助の整備を促進するための報酬・人員基準等の見直し
- 自立生活援助の整備を促進するための報酬・人員基準等の見直し
地域生活支援拠点等の整備の促進・機能の充実を図るための加算の創設
- 地域生活支援拠点等の整備の促進・機能の充実を図るための加算の創設
生活介護等における重度障害者への支援の評価の見直し
- 重度障害者支援加算の算定期間の延長及び単位数の見直し
質の高い相談支援を提供するための報酬体系の見直し
- 基本報酬の充実
- 従来評価されていなかった相談支援業務の評価
2.効果的な就労支援や障がい児・障がい者のニーズを踏まえたきめ細かな対応
就労移行支援・就労定着支援の質の向上に資する報酬等の見直し
- 一般就労への移行の更なる評価
- 定着実績を踏まえたきめ細かな評価
就労継続支援A型の基本報酬等の見直し
就労継続支援A型においては、以下の5つの観点からの総合評価(スコア方式)に基づく報酬体系とされました。
- 1日の平均労働時間
- 生産活動
- 多様な働き方
- 支援力向上
- 地域連携活動
就労継続支援B型の基本報酬等の見直し
就労継続支援B型においては、以下の2パターンの報酬体系とされ、事業所ごとに選択することとされました。
- 「平均工賃月額」に応じて評価する報酬体系
- 「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系
医療型短期入所における受入体制の強化
- 基本報酬の充実
- 医療的ケアを必要とする障がい児を利用対象者に位置付け
3.医療的ケア児への支援などの障がい児支援の推進
医療的ケアが必要な障がい児に対する支援の充実
- 新判定スコアを用いた基本報酬の創設
- 看護職員加配加算の算定要件の見直し
放課後等デイサービスの報酬体系等の見直し
- 基本報酬区分の見直し
- より手厚い支援を評価する加算の創設
児童発達支援の報酬等の見直し
- より手厚い支援を評価する加算の創設
障害児入所施設における報酬・人員基準等の見直し
- 人員配置基準の見直し
- ソーシャルワーカーの配置に対する評価
4.精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進
- 自立生活援助における夜間の緊急対応・電話相談の評価
- 地域移行支援における地域移行実績の更なる評価
- 精神障害者の可能な限り早期の地域移行支援の評価
- 精神保健医療と福祉の連携の促進
- 居住支援法人・居住支援協議会と福祉の連携の促進
- ピアサポートの専門性の評価
5.感染症や災害への対応力の強化
日頃から感染症対策の強化や業務継続に向けた取組みの推進
- 感染症の発生及び蔓延の防止等に関する取組みの徹底(委員会開催、指針の整備、訓練の実施)
- 業務継続に向けた取組みの強化(業務継続計画BCPの策定・研修及び訓練の実施)
- 地域と連携した災害対応の強化(訓練にあたっての地域住民との連携)
支援の継続を見据えた障がい福祉現場におけるICTの活用
- 運営基準や報酬算定上必要となる会議等について、テレビ電話等を用いた対応を可能とする。
6.障がい福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し
医療連携体制加算の見直し
- 医療的ケア等の看護の濃度を考慮した加算額の設定
障害者虐待防止の更なる推進、身体拘束等の適性化の推進
- 虐待防止委員会の設置
- 身体拘束等の適性化の推進
福祉・介護職員等特定処遇改善加算等の見直し
- より柔軟な配分ルールへの見直しによる加算の取得促進
- 処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)等の廃止・加算率の見直し
業務効率化のためのICTの活用
- 運営基準や報酬算定上必要となる委員会等や身体的接触を伴わない又は必ずしも対面で提供する必要のない支援についてテレビ電話装置等を用いた対応を可能とする
その他経過措置の取扱い等
- 食事提供体制加算の経過措置の延長
- 送迎加算の継続(就労継続支援A型、放課後等デイサービス)