夜間支援等体制加算(グループホーム)をわかりやすく解説

夜間支援等体制加算とは、グループホーム(共同生活援助)での夜間の連絡・支援体制が確保されている場合に算定できる加算です。

<対象事業>

  • 介護サービス包括型共同生活援助
  • 外部サービス利用型共同生活援助

□夜間支援等体制加算の算定区分

夜間支援体制加算には(Ⅰ)から(Ⅵ)までの区分がありますが、夜勤スタッフを「夜勤」で配置するか「宿直」で配置するかで加算単位数に違いがあります。

区分 加算単位数 要件
夜間支援等
体制加算
(Ⅰ)
・夜間支援対象利用者の数
・障害支援区分
に応じ、1日につき所定単位数を加算
・「夜勤」を行う夜間支援従事者を配置
・夜間および深夜の時間帯を通じて必要な支援を
提供できる体制を確保
夜間支援等
体制加算
(Ⅱ)
・夜間支援対象利用者の数
に応じ、1日につき所定単位数を加算
・「宿直」を行う夜間支援従事者を配置
・夜間および深夜の時間帯を通じて必要な支援を
提供できる体制を確保
夜間支援等
体制加算
(Ⅲ)
10単位/日 ・夜間および深夜の時間帯を通じて、
常時の連絡体制 or 防災体制を確保
夜間支援等
体制加算
(Ⅳ)
・夜間支援対象利用者の数
に応じ、1日につき所定単位数を加算
・夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している
・「夜勤」を行う夜間支援従事者を加配し、
住居を巡回させる
・夜間および深夜の時間帯を通じて必要な介護等の提供が
できる体制を確保
夜間支援等
体制加算
(Ⅴ)
・夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している
・「夜勤」を行う夜間支援従事者を加配し、住居を巡回させる
・夜間および深夜の一部の時間帯において必要な介護等の
提供ができる体制を確保
夜間支援等
体制加算
(Ⅵ)
・夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している
・「宿直」を行う夜間支援従事者を加配し、住居を巡回させる
・夜間および深夜の時間帯を通じての定期的な巡回や
緊急時の支援の提供が行える体制を確保

夜間支援等体制加算(Ⅰ)

「夜勤」を行う夜間支援従事者を配置し、利用者に対して夜間および深夜の時間帯を通じて必要な支援を提供できる体制を確保している場合に算定できます。

<算定要件>

  • 「夜勤」を行う夜間支援従事者を配置していること
  • 夜間および深夜の時間帯を通じて必要な介護等の支援を提供できる体制を確保していること
  • 以下の①から③の要件を満たしていること

①夜間支援従事者の配置

  • 夜間支援従事者は、夜間支援を行う利用者が居住する共同生活住居(サテライト型住居を除く)配置されること。
  • 夜間支援従事者が、複数の共同生活住居の利用者に対して夜間支援を行う場合、概ね10分以内で、携帯電話等の連絡体制が確保されていること。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行うことができる利用者数の上限は、複数共同生活住居では20人、1か所の共同生活住居では30人。

②夜間支援従事者の勤務内容・勤務形態

  • 夜間支援従事者は、常勤、非常勤を問わない。
  • 夜間支援従事者は、従業者以外の夜間支援を委託されたものでもよい。
  • 利用者の就寝前から起床後まで、夜勤専従の夜間支援従事者を配置すること。
  • 夜間支援従事者は、就寝準備の確認、寝返りや排せつの支援などのほか、緊急時の対応等を行う。
  • 夜間支援の内容については、個々の利用者ごとに個別支援計画に位置付けること
  • 1人の夜間支援従事者が複数の共同生活住居の夜間支援を行う場合にあっては、少なくとも一晩につき1回以上は共同生活住居を巡回すること。サテライト型住居については、住居の形態や利用者の意向などを勘案して、サテライト型住居ごとに巡回の必要性を判断してもよい。

③加算の算定方法

1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」に応じて加算額を算定します。

例えば、

<1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が2人以下の場合>

夜間支援対象利用者が2人以下の場合 単位
区分4以上 672
区分3 560
区分2以下 448
 

<1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が3人の場合>

夜間支援対象利用者が3人の場合 単位
区分4以上 448
区分3 373
区分2以下 229
 

※単位などの詳細は「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」や「事業者ハンドブック」を参照してください。

この場合の「夜間支援対象利用者の数」は、当該夜間支援従事者が夜間支援を行う共同生活住居に入居している「利用者数の総数」をいいます。

そして、「利用者数の総数」は、現に入居している利用者の数ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します。(前年度の平均利用者数の算定にあたって小数点以下の端数が生じる場合は、小数点第1位を四捨五入します)

例えば、夜勤を行う夜間支援従事者が支援を行う5人定員の共同生活住居において、前年度の全利用者数の延べ数が1,570人、前年度の開所日数が365日の場合

  • 1,570人÷365日=4.4人
  • 小数点以下を四捨五入
  • 夜間支援対象利用者が4人の加算額を算定
  • 夜間支援対象利用者が4人であるので、利用者それぞれの障害支援区分に応じ1日につき224単位~336単位を算定することができます。
夜間支援対象利用者が4人の場合 単位
区分4以上 336
区分3 280
区分2以下 224

夜間支援等体制加算(Ⅱ)

「宿直」を行う夜間支援従事者を配置し、利用者に対して夜間および深夜の時間帯を通じて必要な支援を提供できる体制を確保している場合に算定できます。

<算定要件>

  • 「宿直」を行う夜間支援従事者を配置していること
  • 夜間および深夜の時間帯を通じて定時的な居室の巡回や緊急時の支援等を提供できる体制を確保していること
  • 以下の①から③の要件を満たしていること

①夜間支援従事者の配置

  • 夜間支援従事者は、夜間支援を行う利用者が居住する共同生活住居(サテライト型住居を除く)配置されること。
  • 夜間支援従事者が、複数の共同生活住居の利用者に対して夜間支援を行う場合、概ね10分以内で、携帯電話等の連絡体制が確保されていること。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行うことができる利用者数の上限は、複数共同生活住居では20人、1か所の共同生活住居では30人。

②夜間支援従事者の勤務内容・勤務形態

  • 夜間支援従事者は、常勤、非常勤を問わない。
  • 夜間支援従事者は、従業者以外の夜間支援を委託されたものでもよい。
  • 利用者の就寝前から起床後まで、宿直専従の夜間支援従事者を配置すること。
  • 夜間支援従事者は、定時的な居室の巡回や電話の収受のほか、緊急時の対応等を行う。
  • 夜間支援の内容については、個々の利用者ごとに個別支援計画に位置付けること
  • 1人の夜間支援従事者が複数の共同生活住居の夜間支援を行う場合にあっては、少なくとも一晩につき1回以上は共同生活住居を巡回すること。サテライト型住居については、住居の形態や利用者の意向などを勘案して、サテライト型住居ごとに巡回の必要性を判断してもよい。

③加算の算定方法

1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」に応じて加算額を算定します。

例えば、

夜間支援対象利用者が4人以下 112単位
夜間支援対象利用者が5人 90単位
夜間支援対象利用者が6人 75単位
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が4人以下の場合、112単位を算定できます。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が5人の場合、90単位を算定できます。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が6人の場合、75単位を算定できます。

※単位などの詳細は「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」や「事業者ハンドブック」を参照してください。

この場合の「夜間支援対象利用者の数」は、当該夜間支援従事者が夜間支援を行う共同生活住居に入居している「利用者数の総数」をいいます。

そして、「利用者数の総数」は、現に入居している利用者の数ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します。(前年度の平均利用者数の算定にあたって小数点以下の端数が生じる場合は、小数点第1位を四捨五入します)

例えば、宿直を行う夜間支援従事者が支援を行う5人定員の共同生活住居において、前年度の全利用者数の延べ数が1,570人、前年度の開所日数が365日の場合

  • 1,570人÷365日=4.4人
  • 小数点以下を四捨五入
  • 夜間支援対象利用者が4人の加算額を算定
  • 夜間支援対象利用者が4人であるので、利用者それぞれに1日につき112単位を算定することができます。
夜間支援対象利用者が4人以下 112単位
夜間支援対象利用者が5人 90単位
夜間支援対象利用者が6人 75単位

夜間支援等体制加算(Ⅲ)

夜間および深夜の時間帯を通じて、「必要な防災体制or常時の連絡体制」を確保している場合に算定されます。

<算定要件>

  • 夜間および深夜の時間帯を通じて、常時の連絡体制 or 防災体制を確保していること。
  • 以下の①から③の要件を満たしていること

①夜間防災体制の内容

警備会社と共同生活住居に係る警備業務の委託契約を締結していること。

②常時の連絡体制の内容

事業所の従業者が常駐する場合のほか、次の場合でも算定できる。

  • 携帯電話などにより、夜間および深夜の時間帯の連絡体制が確保されている場合
  • 事業所に従事する世話人または生活支援員以外の者であって、夜間における支援を委託されたものにより連絡体制を確保している場合

なお、緊急時の連絡先や連絡方法については、運営規程に定めるとともに共同生活住居内の見やすい場所に掲示すること。

③加算の算定方法

常時の連絡体制または防災体制を確保している共同生活住居に入居している利用者について、加算額を算定します。

例えば、警備会社と警備業務の委託契約を締結しており、夜間支援従事者が支援を行う5人定員の共同生活住居において、4人の利用者が入居している場合、4人それぞれに1日に10単位を算定することができます。

夜間支援等体制加算(Ⅲ) 10単位

夜間支援等体制加算(Ⅳ)

夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者に対して、更に事業所単位で「夜勤」を行う夜間支援従事者を加配し、夜間および深夜の時間帯を通じて必要な介護等の支援を提供できる体制を確保している場合に、算定されます。

<算定要件>

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者であること
  • 「夜勤」を行う夜間支援従事者を追加で配置(加配)していること
  • 以下の①から③の要件を満たしていること

①夜間支援従事者の配置

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)による夜間支援従事者が1人のみ常駐する事業所に夜間および深夜の時間帯を通じて夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者が配置されていること。
    ※夜間支援等体制加算(Ⅰ)により配置されている夜間支援従事者が2人以上常駐する共同生活住居の利用者は当該加算の対象とはなりません。
  • 夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者は、共同生活住居に常駐する別の夜間支援従事者と緊密な連絡体制が確保されていること。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行うことができる利用者の数の上限は30人です。

②夜間支援従事者の勤務内容・勤務形態

  • 夜間支援従事者は、常勤、非常勤を問わない。
  • 夜間支援従事者は、従業者以外の夜間支援を委託されたものでもよい。
  • 利用者の就寝前から起床後まで、夜勤専従の夜間支援従事者を配置すること。
  • 夜間支援従事者は、就寝準備の確認、寝返りや排せつの支援などのほか、緊急時の対応等を行う。
  • 夜間支援の内容については、個々の利用者ごとに個別支援計画に位置付けること
  • 夜間支援従事者は、少なくとも一晩につき1回以上は当該加算の対象とする夜間支援対象利用者が居住する共同生活住居を巡回し、必要な介護等の支援を行うこと。サテライト型住居については、住居の形態や利用者の意向などを勘案して、サテライト型住居ごとに巡回の必要性を判断してもよい。

③加算の算定方法

1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」に応じて加算額を算定します。

例えば、

夜間支援対象利用者が15人以下 60単位
夜間支援対象利用者が16人 56単位
夜間支援対象利用者が17人 53単位
  • 夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者として加配されている1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が15人以下の場合、60単位を算定できます。
  • 夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者として加配されている1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が16人の場合、56単位を算定できます。
  • 夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者として加配されている1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が17人の場合、53単位を算定できます。

※単位などの詳細は「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」や「事業者ハンドブック」を参照してください。

この場合の「夜間支援対象利用者の数」は、当該夜間支援従事者が夜間支援を行う共同生活住居に入居している「利用者数の総数」をいいます。

そして、「利用者数の総数」は、現に入居している利用者の数ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します(前年度の平均利用者数の算定にあたって小数点以下の端数が生じる場合は、小数点第1位を四捨五入します)。

例えば、夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者として加配されている10人定員の共同生活住居において、前年度の全利用者数の延べ数が3,000人、前年度の開所日数が365日の場合

  • 3,000人÷365日=8.2人
  • 小数点以下を四捨五入
  • 夜間支援対象利用者が8人の加算額を算定
  • 夜間支援対象利用者が8人であるので、利用者それぞれに1日につき60単位を算定することができます。
夜間支援対象利用者が15人以下 60単位
夜間支援対象利用者が16人 56単位
夜間支援対象利用者が17人 53単位

夜間支援等体制加算(Ⅴ)

夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者に対して、更に事業所単位で「夜勤」を行う夜間支援従事者を加配し、夜間および深夜の一部の時間帯において、必要な介護等の支援を提供できる体制を確保している場合に、算定されます。

<算定要件>

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者であること
  • 「夜勤」を行う夜間支援従事者を追加で配置(加配)していること
  • 以下の①から③の要件を満たしていること

①夜間支援従事者の配置

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)による夜間支援従事者が1人のみ常駐する事業所に夜間および深夜の一部の時間帯に夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者が配置されていること。
    ※夜間および深夜の一部の時間帯については、夜間支援従事者が午後10時から翌日午後5時までの間において、少なくとも2時間以上の勤務時間があること。
    ※夜間支援等体制加算(Ⅰ)により配置されている夜間支援従事者が2人以上常駐する共同生活住居の利用者は当該加算の対象とはなりません。
  • 夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者は、共同生活住居に常駐する別の夜間支援従事者と緊密な連絡体制が確保されていること。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行うことができる利用者の数の上限は30人です。

②夜間支援従事者の勤務内容・勤務形態

  • 夜間支援従事者は、常勤、非常勤を問わない。
  • 夜間支援従事者は、従業者以外の夜間支援を委託されたものでもよい。
  • 利用者の就寝前から起床後まで、夜勤専従の夜間支援従事者を配置すること。
  • 夜間支援従事者は、就寝準備の確認、寝返りや排せつの支援などのほか、緊急時の対応等を行う。
  • 夜間支援の内容については、個々の利用者ごとに個別支援計画に位置付けること
  • 夜間支援従事者は、少なくとも一晩につき1回以上は当該加算の対象とする夜間支援対象利用者が居住する共同生活住居を巡回し、必要な介護等の支援を行うこと。サテライト型住居については、住居の形態や利用者の意向などを勘案して、サテライト型住居ごとに巡回の必要性を判断してもよい。

③加算の算定方法

1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」に応じて加算額を算定します。

例えば、

夜間支援対象利用者が15人以下 30単位
夜間支援対象利用者が16人 28単位
夜間支援対象利用者が17人 26単位
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が15人以下の場合、30単位を算定できます。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が16人の場合、28単位を算定できます。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が17人の場合、26単位を算定できます。

※単位などの詳細は「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」や「事業者ハンドブック」を参照してください。

この場合の「夜間支援対象利用者の数」は、当該夜間支援従事者が夜間支援を行う共同生活住居に入居している「利用者数の総数」をいいます。

そして、「利用者数の総数」は、現に入居している利用者の数ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します(前年度の平均利用者数の算定にあたって小数点以下の端数が生じる場合は、小数点第1位を四捨五入します)。

夜間支援等体制加算(Ⅵ)

夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者に対して、更に事業所単位で「宿直」を行う夜間支援従事者を加配し、夜間および深夜の時間帯を通じて、定時的な居室の巡回や緊急時の支援等を提供できる体制を確保している場合に、算定されます。

<算定要件>

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定している利用者であること
  • 「宿直」を行う夜間支援従事者を追加で配置(加配)していること
  • 以下の①から③の要件を満たしていること

①夜間支援従事者の配置

  • 夜間支援等体制加算(Ⅰ)による夜間支援従事者が1人のみ常駐する事業所に夜間および深夜の一部の時間帯に夜間支援等体制加算(Ⅵ)による夜間支援従事者が配置されていること。
    ※夜間および深夜の一部の時間帯については、夜間支援従事者が午後10時から翌日午後5時までの間において、少なくとも2時間以上の勤務時間があること。
    ※夜間支援等体制加算(Ⅰ)により配置されている夜間支援従事者が2人以上常駐する共同生活住居の利用者は当該加算の対象とはなりません。
  • 夜間支援等体制加算(Ⅳ)による夜間支援従事者は、共同生活住居に常駐する別の夜間支援従事者と緊密な連絡体制が確保されていること。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行うことができる利用者の数の上限は30人です。

②夜間支援従事者の勤務内容・勤務形態

  • 夜間支援従事者は、常勤、非常勤を問わない。
  • 夜間支援従事者は、従業者以外の夜間支援を委託されたものでもよい。
  • 利用者の就寝前から起床後まで、夜勤専従の夜間支援従事者を配置すること。
  • 夜間支援の内容については、個々の利用者ごとに個別支援計画に位置付けること
  • 夜間支援従事者は、少なくとも一晩につき1回以上は当該加算の対象とする夜間支援対象利用者が居住する共同生活住居を巡回すること。また、利用者の状況に応じ、定時的な居室の巡回や電話の収受のほか、必要に応じて緊急時の対応等を行うこと。
  • サテライト型住居については、住居の形態や利用者の意向などを勘案して、サテライト型住居ごとに巡回の必要性を判断してもよい。

③加算の算定方法

1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」に応じて加算額を算定します。

例えば、

夜間支援対象利用者が15人以下 30単位
夜間支援対象利用者が16人 28単位
夜間支援対象利用者が17人 26単位
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が15人以下の場合、30単位を算定できます。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が16人の場合、28単位を算定できます。
  • 1人の夜間支援従事者が支援を行う「夜間支援対象利用者の数」が17人の場合、26単位を算定できます。

※単位などの詳細は「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」や「事業者ハンドブック」を参照してください。

この場合の「夜間支援対象利用者の数」は、当該夜間支援従事者が夜間支援を行う共同生活住居に入居している「利用者数の総数」をいいます。

そして、「利用者数の総数」は、現に入居している利用者の数ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定します(前年度の平均利用者数の算定にあたって小数点以下の端数が生じる場合は、小数点第1位を四捨五入します)。

□夜間支援対象利用者数の計算方法

上記のように、グループホーム(共同生活援助)では、夜間の連絡・支援体制の確保を評価する「夜間支援体制加算」が設けられています。夜間及び深夜の時間帯を通じて、夜勤(加算Ⅰ)または宿直(加算Ⅱ)を行う夜間支援従事者を配置している場合に、夜間支援対象利用者の人数に応じて、所定の単位数を算定することができます。

この「夜間支援対象利用者数」について、計算方法を間違っているケースが多く、実地指導でもよく指摘されている事項です。夜間支援等体制加算は、(Ⅰ)~(Ⅵ)までありますが、ここでは、夜間支援等体制加算(Ⅰ)と夜間支援等体制加算(Ⅱ)について、「夜間支援等対象利用者数の計算方法」について解説します。

夜間支援等体制加算の算定方法

1人の夜間支援従事者が支援を行う夜間支援対象利用者の数に応じ加算額を算定します。

1カ所の共同生活住居において2人以上の夜間支援従事者が夜間支援を行う場合は、それぞれの夜間支援従事者が実際に夜間支援を行う利用者数に応じて、夜間支援対象利用者の数を按分して算定するものとします。

また、「夜勤」の場合は、夜間支援等体制加算(Ⅰ)を算定し、「宿直」の場合は、夜間支援等体制加算(Ⅱ)を算定します。

夜間支援対象利用者の数

夜間支援対象利用者の数は、共同生活住居に入居している利用者の総数とし、当該利用者の総数は、現に入居している利用者の数ではなく、「前年度の平均利用者数」の計算方法に準じて算定するものとします。

※夜間支援等体制加算での「前年度の平均利用者数」の算定にあたって小数点以下の端数が生じる場合は、小数点第1位を四捨五入します。通常、「前年度の平均利用者数」を計算する場合には、小数点第2位以下を切上げしますが、夜間支援等体制加算の場面では報酬算定区分が整数値ですので少数点第1位を四捨五入します。

<通常の利用者数の算定方法>

新設・増床・定員増の時点から6ヶ月未満までの間

利用定員の90%で算出

新設・増床・定員増の時点より7ヶ月目から1年未満の間

直近の6ヶ月間の実績により算出
(直近6ヶ月における全利用者延べ数÷直近6ヶ月間の開所日数)

新設・増床・定員増の時点より1年経過後から年度末までの間

直近の1年間(12ヶ月)の実績により算出
(直近12ヶ月における全利用者延べ数÷直近12ヶ月間の開所日数)

新設・増床・定員増の時点より1年度(4月~翌3月)の実績ができた

前年度の実績により算出
(前年度(前年4月~今年3月)における全入居者延べ数÷前年度(前年4月~今年3月)の開所日数)

<年度途中で定員を増加した場合>

定員増から6ヶ月未満の間は、「定員増以前の実績+定員増分の90%」

<年度途中で定員を減少した場合>

定員減をしてから3ヶ月間は、利用者数は従前のまま。

定員減から3月以上6月未満の場合は、直近3ヶ月間の実績により算出。
(減少後3ヶ月間の全入居者延べ数÷減少後3ヶ月間の開所日数)

※平均利用者数の算定にあたっては、入居した日を含み、退去した日は含みません。

1人の夜間支援従事者が支援を行う夜間支援対象利用者の数

各住居についての「前年度の平均利用者数」を計算したら、次に1人の夜間支援従事者が支援を行う利用者の数を確定させます。

1つの住居に1人ずつ夜間支援従事者を配置する例

共同生活
住居名
夜間支援の対象者数
(前年度の平均利用者数)
1人の夜間支援従事者が支援を行う利用者の数(人)
夜間支援従事者
夜間支援従事者
夜間支援従事者
Aホーム 4 4    
Bホーム 2   2  
Cホーム 6     6
合計 12 4 2 6
  • 上記の表でいう「夜間支援従事者」は特定の個人を指すのではなく、別々の日に異なる者が支援を行うといったように、従事者①が複数の個人である場合もあります。
  • 1人の夜間支援従事者が1カ所の住居内で夜間支援を行う場合は30人が上限です。

上記の例で、加算Ⅰ(夜勤)を算定する場合

  • Aホーム利用者・・・夜間支援対象利用者が4人の算定区分
  • Bホーム利用者・・・夜間支援対象利用者が2人以下の算定区分
  • Cホーム利用者・・・夜間支援対象利用者が6人の算定区分

となります。

夜間支援等体制加算(Ⅰ)
夜間支援対象利用者が2人以下 単位
区分4以上 672
区分3 560
区分2以下 448
夜間支援対象利用者が4人 単位
区分4以上 336
区分3 280
区分2以下 224
夜間支援対象利用者が6人 単位
区分4以上 224
区分3 187
区分2以下 149

上記の例で、加算Ⅱ(宿直)を算定する場合

  • Aホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人以下の算定区分
  • Bホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人以下の算定区分
  • Cホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が6人の算定区分

となります。

夜間支援等体制加算(Ⅱ)
夜間支援対象利用者数 単位
夜間支援対象利用者が4人以下 112
夜間支援対象利用者が5人 90
夜間支援対象利用者が6人 75
夜間支援対象利用者が7人 64
夜間支援対象利用者が8人 56

※加算Ⅱ(宿直)の場合、夜間支援対象利用者は「4人以下」の算定区分が最小になります。

複数の住居利用者を1人の夜間支援従事者が支援する例

共同生活
住居名
夜間支援の対象者数
(前年度の平均利用者数)
1人の夜間支援従事者が支援を行う利用者の数(人)
夜間支援従事者
夜間支援従事者
夜間支援従事者
Aホーム 4 4    
Bホーム 2   2  
Cホーム 6   6  
合計 12 4 8  

夜間支援従事者②がBホームとCホームの利用者を支援するケース

  • 上記の表でいう「夜間支援従事者」は特定の個人を指すのではなく、別々の日に異なる者が支援を行うといったように、従事者①が複数の個人である場合もあります。
  • 1人の夜間支援従事者が1カ所の住居内で夜間支援を行う場合は30人が上限です。

上記の例で、加算Ⅰ(夜勤)を算定する場合

  • Aホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人の算定区分
  • Bホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が8人の算定区分
  • Cホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が8人の算定区分
夜間支援等体制加算(Ⅰ)
夜間支援対象利用者が4人 単位
区分4以上 336
区分3 280
区分2以下 224
夜間支援対象利用者が8人 単位
区分4以上 168
区分3 140
区分2以下 112

上記の例で、加算Ⅱ(宿直)を算定する場合

  • Aホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人以下の算定区分
  • Bホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が8人の算定区分
  • Cホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が8人の算定区分
夜間支援等体制加算(Ⅱ)
夜間支援対象利用者数 単位
夜間支援対象利用者が4人以下 112
夜間支援対象利用者が5人 90
夜間支援対象利用者が6人 75
夜間支援対象利用者が7人 64
夜間支援対象利用者が8人 56

1つの住居に複数人の夜間支援従事者を配置する例

1カ所の共同生活住居において2人以上の夜間支援従事者が夜間支援を行う場合は、それぞれの夜間支援従事者が実際に夜間支援を行う利用者数に応じて、当該共同生活住居(当該ホーム)の利用者数(前年度の平均利用者数)を按分して算定します。

※これらの計算の過程において、小数点以下の端数が生じる場合については小数点第一位を四捨五入します。

共同生活
住居名
夜間支援の対象者数
(前年度の平均利用者数)
1人の夜間支援従事者が支援を行う利用者の数(人)
夜間支援従事者
夜間支援従事者
夜間支援従事者
Aホーム 4 2 2  
Bホーム 2   2  
Cホーム 6     6
合計 12 2 4 6

Aホームにおいて、実際に支援をうける利用者数(実際の入居者数)が5人のケース

  • 上記の表でいう「夜間支援従事者」は特定の個人を指すのではなく、別々の日に異なる者が支援を行うといったように、従事者①が複数の個人である場合もあります。
  • 1人の夜間支援従事者が1カ所の住居内で夜間支援を行う場合は30人が上限です。

Aホームについて従事者①と従事者②の2人で夜間支援を行う場合は、それぞれの従事者が実際に支援を行う利用者数に応じて、利用者数を按分して算定します。

上記のように、Aホームにおいて実際に支援をうける利用者数が5人で、従業者①は3人、従業者②は2人を支援するとした場合

従業者①

3人/5人(実際に支援をうける利用者数)×4人(対象者数:前年度平均利用者数)=2.4≒2人(四捨五入)

従業者②

2人/5人(実際に支援をうける利用者数)×4人(対象者数:前年度平均利用者数)=1.6≒2人(四捨五入)

この場合、Aホームは2人の夜間支援従事者(従事者①と従事者②)が支援を行うので、従事者①が実際に支援する3人の利用者について算定する単位数は「2人以下」の算定区分を、従事者②が実際に支援する2人の利用者について算定する単位数はAホームの利用者2人とBホームの利用者2人を合計するため「4人」の算定区分を適用します。

同様に、Bホームについては、従事者②がAホームの2人と併せて支援を行うため、Bホームに入居する利用者について算定する単位数は「4人」の算定区分を適用します。

とすると、上記の例で、

加算Ⅰ(夜勤)を算定する場合

  • Aホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が2人以下の算定区分(従業者①3人分)+4人の算定区分(従業者②2人分)
  • Bホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人の算定区分
  • Cホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が6人の算定区分
夜間支援等体制加算(Ⅰ)
夜間支援対象利用者が2人以下 単位
区分4以上 672
区分3 560
区分2以下 448
夜間支援対象利用者が4人 単位
区分4以上 336
区分3 280
区分2以下 224
夜間支援対象利用者が6人 単位
区分4以上 224
区分3 187
区分2以下 149

加算Ⅱ(宿直)を算定する場合

  • Aホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人以下の算定区分(従業者①3人分)+4人以下の算定区分(従業者②2人分)
  • Bホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が4人以下の算定区分
  • Cホーム利用者・・・夜間支援対象利用者数が6人の算定区分

となります。

夜間支援等体制加算(Ⅱ)
夜間支援対象利用者数 単位
夜間支援対象利用者が4人以下 112
夜間支援対象利用者が5人 90
夜間支援対象利用者が6人 75
夜間支援対象利用者が7人 64
夜間支援対象利用者が8人 56

<夜間支援等体制加算の平均利用人数の計算方法から報酬請求するまでのポイント>

①共同生活住居(ホーム)ごとに「前年度の平均利用者数」(夜間支援の対象者数)を計算する。

②共同生活住居(ホーム)の利用者ごとに「実際に支援をうける利用者」に対してどの「夜間支援従事者」が支援しているかを確認する。

③複数の「夜間支援従事者」が1つの「共同生活住居(ホーム)」の利用者を支援した場合は、「夜間支援対象者数(前年度平均利用者数)」を「実際に支援をうける利用者数の割合」で按分する。

④「夜間支援従事者」ごとの報酬算定区分を確認する。

⑤「利用者(実際に支援をうける利用者)」ごとに④の報酬算定区分で請求する(加算Ⅰについては利用者ごとに障害支援区分が分かれる)

また、夜間支援等体制加算の算定は、日ごとに異なる加算類型で算定します。

例えば、

  • 1日目 夜勤…夜間支援等体制加算(Ⅰ)
  • 2日目 宿直…夜間支援等体制加算(Ⅱ)
  • 3日目 夜勤…夜間支援等体制加算(Ⅰ)

という具合に、日ごとに「夜勤」と「宿直」を替えることによって加算類型も変わることになります。

ただし、「宿直」で夜間支援等体制加算(Ⅱ)を算定するには、労働基準監督署で「宿直」の許可を得ていることが必要です。


グループホーム(共同生活援助)では、人員配置基準や夜間支援等体制加算の計算方法などが複雑で、計算を間違って報酬請求してしまっているケースも多いようです。

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