放課後等デイサービスの開業の手引き【大阪・京都・奈良 編】

放課後等デイサービスとは

放課後等デイサービスとは、障がいをもつ6歳から18歳までの就学年齢の子供が、生活能力の向上のための支援を行う事業です。

放課後等デイサービスは、地方自治体から指定を受けてサービス提供を行います。少し古いデータになりますが、全国には約13,800ヶ所の放課後等デイサービスがあります(令和元年度:厚労省データ)。放課後等デイサービスを利用している児童の数は約227,000人(平成29年度9月:厚労省データ)となっています。

大阪府、京都府、奈良県でも放課後等デイサービスは増加しています。自治体によっては新規の指定を出さない総量規制がかけられているところもあります(例、京都市)。また、総量規制がかかっている自治体であっても自治体内の一定の区域内では公募制がとられている場合もありますので、放課後等デイサービスの開業を考えている方は必ず開業予定地の自治体で事前に調査をするようにしましょう。

放課後等デイサービスを利用できる児童

放課後等デイサービスを利用できる児童は、身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障害などを抱える子供達になります。主に6歳から18歳までの就学している子供が対象となります。

放課後等デイサービスは、障がいを抱えた児童が利用できるサービスですが、障害者手帳を持っていなくても放課後等デイサービス利用の支給決定を受けることができて受給者証をお持ちであるなら利用することができます。支給決定の基準や受給者証の発行については各自治体に確認するようにしましょう。

放課後等デイサービスの開業のメリットとデメリット

放課後等デイサービスを開業する際に知っておきたい点として、放課後等デイサービスを開業した際の良い点や悪い点はどのようなものがあるのでしょうか?放課後等デイサービスを開業する事業所からみたメリットやデメリットを考える前に、放課後等デイサービスを利用する児童や親御さんからみたメリットやデメリットを考えてみましょう。

放課後等デイサービスを利用する児童や親御さん側のメリット

①仕事を持つご両親にとっては、学校が終わった放課後や学校休校日に子供さんを預かってくれる事業所は心強い存在といえるでしょう。

放課後等デイサービスは、学校の放課後にあたる時間や学校が休みの日に子供さんを預かってもらえるので、仕事を持つお父さんお母さんからすれば非常に心強い存在といえるのではないでしょうか?

②児童発達支援管理責任者を中心とした療育の専門家が、子供の特性に合わせた療育をしてくれる。

放課後等デイサービスでは、子供と親御さんを交えた面談(アセスメント)を行い、そのアセスメントをもとに、その子供に合わせた個別支援計画(支援プログラム)をたて、そのプログラムに沿って支援を行っていきます。支援プログラムは6ヶ月ごとにモニタリングを行いますので子供の成長に合わせた療育を行ってくれるのです。

放課後等デイサービスを利用する児童や親御さん側のデメリット

①自治体から受給者証を発行してもらう必要があり、利用料がかかる場合がある。

放課後等デイサービスを利用するには自治体から受給者証を発行してもらう必要がありますが、自治体によっては1ヶ月くらいかかる場合もあります。また、親御さんに収入によって一定の利用料がかかる場合があります。

②事業所には利用日数や定員が決められているので、希望する事業所に通えないことがある。

これは放課後等デイサービスに限ったことではありませんが、放課後等デイサービスのような障がい福祉サービスは定員が定められたビジネスですので、事業所としては定員を超える利用者を基本的には受け入れることはできません。放課後等デイサービスは報酬単価との関係から定員10人としている事業所が多いため、定員を超えてしまうと事業所は受け入れてもらえない場合があります。

放課後等デイサービスの事業所としてのメリット

比較的小規模の事業所から始められる。

放課後等デイサービスでは、基本的に最小定員が10人からになりますが、人員配置などを考慮しても大人へのサービスである生活介護や就労継続支援と比較すると小規模で事業ははじめられます。

また、放課後等デイサービス事業所からの当事務所へのご相談で多いのが、放課後等デイサービスを卒業した児童のために生活介護や就労継続支援といった大人向けの障がい福祉サービス事業の展開と考えているというご相談です。児童の成長に合わせてサービスの展開を考えている事業所も多く、そういう意味では「小さくはじめて大きく事業展開をしていく」という経営戦略が取りやすいサービスと言えそうです。

放課後等デイサービスの事業所としてのデメリット

従業者(スタッフ)の確保が難しい

放課後等デイサービスでは、児童指導員や保育士の配置が必要になりますが、それらのスタッフも働くお母さんである場合が多く、常勤でフル出勤とはなかなかいかない場合が多いです。福祉・介護職員処遇改善加算なども上手に利用して給料面でもできるだけ働きやすい環境を作るように事業所側の努力も必要でしょう。

放課後等デイサービスを開業した際の営業先は?

放課後等デイサービスの営業先はどこになるでしょうか?放課後等デイサービスも事業として経営している以上、売上をあげなければ継続していけません。そのためには、児童達に通所してもらわないと売上はあがりません。放課後等デイサービスの場合、通所契約の当事者は児童そのものではなく児童の親御さんが基本になりますので、その親御さん達が集まる場所が営業先となると考えるのが合理的でしょう。

①自治体の指定放課後等デイサービス一覧

自治体にもよりますが、管轄内の指定放課後等デイサービスの一覧表を作成している場合があります。その一覧を見て事業所へ問い合わせてくる親御さんもいるでしょう。

②障害児相談支援事業所などの専門機関

障害児相談支援事業所には放課後等デイサービス事業所や障がい児達への制度の情報が集まります。障害児相談支援事業所の相談支援員に覚えてもらっていれば相談があった場合に、通所事業所として思い出してくれる場合もあります。普段から障害児相談支援事業所などの児童向けの専門機関とは良い関係を築いておきましょう。

③放課後等デイサービスの事業所WEBサイト

放課後等デイサービスは地域密着のビジネスですので、WEBサイトは不要と考える方もいらっしゃると思いますが、やはり親御さんからすれば利用する前にどのような事業所か気になるもの。豪華なホームページを作る必要はないと思いますが、事業所の普段の活動や雰囲気がわかるようなホームページがあれば事業所のアピールになるでしょう。

放課後等デイサービスの開業資金

放課後等デイサービスの開設には多額の開業資金がかかると言われていますが、具体的にどれくらいの開業資金がかかるのでしょうか?開業する際の条件によって異なりますが、放課後等デイサービスの開業資金としてどれくらい必要なのかを考えてみましょう。

項目 見積額(円) 備考
法人設立費用 300,000 株式会社設立
物件費用(賃貸家賃) 300,000 家賃2ヶ月分
物件費用(保証金・礼金) 450,000 家賃3ヶ月分
物件費用(不動産仲介手数料) 150,000 家賃1ヶ月分
人件費 300,000 児童発達支援管理責任者1名1ヶ月分
内装工事費用 300,000  
消防設備工事費用 200,000 誘導灯・感知器
車両費用 500,000  
事務所備品など 100,000 机・イス・鍵付き書庫
その他 100,000  
合計 2,700,000  

①放課後等デイサービスのための法人設立の費用

放課後等デイサービスを開業するためには、放課後等デイサービスを運営するための法人を設立しなければなりません。ただ、法人といっても種類がいくつかあります。株式会社、合同会社、特定非営利活動法人(NPO法人)などです。最近は、合同会社や一般社団法人が増えてきていますが、ここの放課後等デイサービスの開業資金を検討する場面では、オーソドックスともいえる「株式会社」を設立したと仮定します。株式会社の設立であれば、定款認証代、登録免許税、司法書士さんへの設立登記の報酬などを含めて約30万円位かかると見積もります。

また、放課後等デイサービスの開業時の相談で、NPO法人(特定非営利活動法人)を設立して開業を希望される方もいらっしゃいますが、NPO法人の場合、税制上の優遇措置もあるようですが設立手続きに比較的時間がかかりますし、民間金融機関からの融資が受けにくい場合もありますので、その点も考慮に入れながら法人形態を決定するようにしましょう。

②放課後等デイサービスで使用する物件の費用(家賃2ヶ月分)

新しく放課後等デイサービスをはじめる場合、新築で建物を建ててそこの1フロアを放課後等デイサービスの事業所として使用している法人様もあるかと思いますが、ここでは賃貸物件を借りて放課後等デイサービスをはじめる場合に限定して考えてみます。

放課後等デイサービスの場合は、児童が通所するのに便利な場所を選ぶのが一般的でしょうから、駅周辺のテナント物件というよりも街中の住宅街で小中高学校や特別支援学校に近い場所で探す方が賃料という観点からすれば適切な物件が見つかるのではないでしょうか?もちろん駅近くの利便性の高いテナント物件を借りている事業所様もありますので、物件の立地からの宣伝効果や家賃などと総合的に判断して決めるようにしましょう。

物件の広さは、放課後等デイサービス事業所の定員が10人とした場合、指導訓練室で24.7㎡の広さが必要になります。自治体によっては児童1人あたり3.0㎡と考えて、指導訓練室で30㎡の必要であるとする自治体もありますので、物件を探す際には、指導訓練室を最低でも30㎡が必要と考えて探した方が良いでしょう。

指導訓練室が30㎡とした場合、ここに相談室や事務室が必要になりますから、使用部分全体で最低でも60㎡~80㎡位の大きさを目安に物件探しをする必要があります。

放課後等デイサービスの物件家賃については、大阪、京都、奈良の間でも賃料相場に違いがあると思いますが、駅近くの物件を借りるのか、民家を改装して借りるのか、などによっても違ってくるでしょう。賃料は毎月一定額がかかり固定費になりますので、指定後の運営面を考えればできるだけ抑えておきたい経費になります。ここでは、賃料1ヶ月15万円と仮定して検討していきます。

そして、物件の家賃については、指定日当日を賃貸借契約の開始日としたいですが、指定日よりも前から借りておかなければ内装工事や消防設備工事などができませんので、最低でも指定日までの家賃が2ヶ月分位はかかります。ここでも開業資金としての物件費用(賃貸家賃)については家賃2ヶ月分の30万円を見積もっておくこととします。

放課後等デイサービスとして使用する物件を借りる場合に注意しなければいけないのは、放課後等デイサービスの指定が取れるかどうか調査もしていないのに、賃貸借契約を締結してしまわないことです。放課後等デイサービスの物件として気に入った物件が見つかったら、まずは、消防法や建築基準法関係の調査を行い、これらの法令に適合しているかどうかを確認します。適合していないのであれば適合させるために工事や手続きが必要なのかを確認します。そして、正式に賃貸借契約を締結するのは、行政の担当部署と事前協議を行い、その物件で指定が取れることの確認をしてからになります。

③放課後等デイサービスで使用する物件の費用(敷金・礼金)

放課後等デイサービスの賃貸物件を借りる際に負担になるのが敷金や礼金です。敷金(保証金という地域もあります)は物件にもよりますが、大阪、京都、奈良あたりでは賃料の3ヶ月~4ヶ月分位が相場ではないでしょうか?ここでの開業資金のシミュレーションでは家賃3ヶ月分45万円を見積もっておくことにします。

礼金については、放課後等デイサービスの事業所を移転したり閉鎖したりして、借りていた物件から退去する場合でも、基本的には大家さんから返還されないお金になります。礼金については大家さん側も高い金額を設定していては物件入居者がいつまでも決まりませんので、交渉の余地のある部分ではないでしょうか?

④放課後等デイサービスとして使用する物件の仲介をした不動産業者への仲介手数料

放課後等デイサービスの物件を仲介してくれた不動産屋さんへ仲介手数料として家賃1ヶ月分の報酬を支払います。不動産業者によっては、賃貸借契約の締結を急かせる業者もいてますが、指定がとれるかどうかの調査をし、行政の担当部署との事前の協議を経てからでなければ、賃貸借契約の締結はできないとしっかりと伝えるようにしましょう。

この放課後等デイサービスの開業資金のシミュレーションでは、賃料1ヶ月分を15万円と考えていますので、不動産業屋さんへの仲介手数料も15万円と考えます。

⑤放課後等デイサービスの人件費(児童発達支援管理責任者1名、1ヶ月分)

放課後等デイサービスでは、児童発達支援管理責任者の配置が必要になります。児童発達支援管理責任者を中心とした人員配置については、理屈の上では指定日から雇用関係にはいれば人員基準を満たしていることになりますが、開業前の準備などもありますから指定日の1ヶ月位前から雇用しておくのが一般的です。児童発達支援管理責任者の給料として労働保険料や社会保険料、交通費なども含めて30万円として開業資金を検討します。

⑥放課後等デイサービスとして使用する物件の内装費用

放課後等デイサービスとして使用する物件の内装については、物件によってまちまちです。重飲食ほどの造作を作る場合はまれだと思いますが、それでもまったくのスケルトンで借りた場合には壁や天井なども作らなければなりませんので内装費用も高くなるでしょうし、上手に居抜き物件を見つけることができれば内容費用もそれほどかからないでしょう。放課後等デイサービスの内装は、最近では運動用にボルタリング施設を設けたり、訓練用のキッチンを作ったりしている事業所様もありますが、ここの放課後等デイサービスの開業費用のシミュレーションでは、概算額として30万円を見積もっておくことにします。

⑦放課後等デイサービスとして使用する物件の消防設備工事にかかる費用

放課後等デイサービスの開業資金でよく忘れがちになるのが、消防設備の設置にかかる費用です。放課後等デイサービスで使用する物件にどのような消防設備を設置しなければならないかは、物件を借りる前の消防署での事前相談で確認します。この事前の相談で誘導灯や警報装置の感知器などの必要な設備を確認することで、消防設備業者さんが消防設備工事にかかる費用の見積もりを出せることになります。

この消防設備工事にかかり工事費用も物件によって様々になりますが、誘導灯や警報装置の感知器1~2ヶ所だけの設置工事であれば20万円位になるでしょう。自動火災報知器もつけなければならなないとなると建物全体の工事になりますので、物件にもよりますが工事費用も100万円を超えてしまうこともあります。

そのため放課後等デイサービスの物件を選ぶ際には、新たに自動火災報知器の設置工事が必要な物件は工事費用が高額になってしまうため避けるようにしましょう。ここでの開業資金のシミュレーションでは誘導灯と感知器の工事だけが必要になったとして消防設備工事費用に20万円を見積もっておくことにします。

⑧放課後等デイサービスで使用する車両にかかる費用

放課後等デイサービスでは、子供達を送迎するために自動車が必要になります。必ず送迎しなければならないということはないのですが、サービスの一環として送迎がないと集客の面できびしいように思います。また、イベント時にも使えますので、何台かの車両は必要でしょう。

自動車も新車であれば100万円以上かかってしまうかと思いますが、開業資金はできるだけ抑えたいので中古車を購入するとして諸手続きや車両の保険を含めて50万円として考えておきます。

⑨放課後等デイサービスでの事務所備品など

放課後等サービスでは、事務室に事務机やパソコンなどの備品類はもちろん、鍵付き書庫や相談室に設置する机やイスが必要になります。事務所備品については細々としたものもあるでしょうから、概算額として10万円を見積もっておきます。

ちなみに、当事務所の顧問先様には、必要な帳票類は原則として紙ベースで保存していただいていますので、それらの帳票類を綴じるファイルの多さにびっくりされる事業所様もあります。PC内にデータとして保存しておくと、いつの間にか書き換えてしまっていたり、保存場所がわからなくなってしまったりしてしまうからです。

⑩その他

放課後等デイサービスを開設する際にかかる開業資金を検討しましたが、上記以外にもパソコンのプロバイザー契約や事業所の損害賠償責任保険などの細々とした費用がかかってしまいます。このような細々とした費用をまとめて10万円をその他費用として見積もっておきます。


上記のように放課後等デイサービスの開業資金を検討してきましたが、上記の試算では開業資金だけでも約270万円がかかることになります。放課後等デイサービスを開業する際の指定申請を依頼する行政書士報酬を上記のシミュレーションには加えていません。

放課後等デイサービスの開業資金を考える際のポイントとしては、開業資金は高めに見積もっておくことです。開業時には上記の試算以外にも細々とした費用がかかるのが一般的ですし、内装工事や消防設備工事に思いのほかお金がかかってしまうこともよくあることです。放課後等デイサービスの開業を目指して指定申請手続きに着手したので、指定が取れる前に資金ショートを起こしてしまっては意味がありません。

また、放課後等デイサービスの開業資金の上記のシミュレーションでもわかると思いますが、物件にかかる費用の割合が非常に高いのです。そのため物件探しについては、放課後等デイサービスの開業を思い立ったら早め早めにはじめることをお勧めいたします。

放課後等デイサービスの収支シミュレーション

上記で放課後等デイサービスにかかる開業資金を検討してみましたが、開業資金だけでも約270万円、余裕をみて約300万円位が必要になります。

この放課後等デイサービスの開業資金を自己資金だけで準備できるならあまり問題になりませんが、一般的には金融機関から融資を受けて放課後等デイサービスを開業することになると思います。また、上記で検討した開業資金は、あくまで事業開始時までにかかる費用を検討したものであって、事業開始時点からの運転資金も考えておかなければなりません。

ここでの収支シミュレーションは、京都市で放課後等デイサービスを開設した場合をモデルケースとして収支計画を考えてみましょう。

放課後等デイサービスの「売上」はどれくらい見込めるのでしょうか?

放課後等デイサービスの報酬体系は、①「授業の終了後」に放課後等デイサービスを行う場合と、②「学校休業日」に放課後等デイサービスを行う場合の2パターンがあり、それぞれ単価が異なります。

モデルケース

□京都市(5級地)での開業【1単位=10.60円】

※奈良市(6級地)の場合、1単位=10.36円

※大阪市(2級地)の場合、1単位=10.96円

□定員10人

□重症心身障がい児以外

□区分1(サービス提供時間3時間以上)

□「授業終了後」を月20日

□「学校休業日」を月4日(土曜日営業)

□8月のみ月24日営業で「学校休業日」扱い

□加算減算は考慮しない

□4月1日指定

□月間24日稼働、利用者全員が月24日通所

上記のモデルケースでは、できるだけ複雑にせず単純化して考えられるように、学校の長期休暇を8月のみと設定し、月間24日稼働で利用者全員が全営業日24日通所していると設定しています。

定員10人 4月 5月 6月 7月 8月(夏休み) 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
利用人数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 10 10
放課後 単位/日 604 604 604 604 604 604 604 604 604 604 604 604
売上/日 6,402 12,805 19,207 25,610 32,012 38,414 44,817 51,219 57,622 64,024 64,024 64,024
通所日数20日
(8月のみ0日)
128,048 256,096 384,144 512,192 0 768,288 896,336 1,024,384 1,152,432 1,280,480 1,280,480 1,280,480
学校休業日 単位/日 721 721 721 721 721 721 721 721 721 721 721 721
売上/日 7,643 15,285 22,928 30,570 38,213 45,856 53,498 61,141 68,783 76,426 76,426 76,426
通所日数4日
(8月のみ24日)
30,570 61,141 91,711 122,282 917,112 183,422 213,993 244,563 275,134 305,704 305,704 305,704
月次売上(円) 158,618 317,237 475,855 634,474 917,112 951,710 1,110,329 1,268,947 1,427,566 1,586,184 1,586,184 1,586,184

上記のシミュレーションでは、放課後等デイサービスの指定日の4日1日から毎月1人ずつの児童と契約して(契約当事者は児童の保護者)毎月24日営業で、毎日通所してくれたと仮定してシミュレーションしています。放課後等デイサービスに毎日通所してくれるというのは現実的ではありませんが、収支を考えるうえではマックスで幾らの売上が見込めるかを知っておくことも重要です。

また、定員10人の放課後等デイサービスの事業所に対して、1月からは利用者10人が全営業日に通所してくれると仮定しています。これも現実的は数字ではありませんが、売上としては、最高で月額約160万円というラインが理解できるようになります。ここから幾つかの加算を積み上げることで売上を増やしていくことになります。

上記の放課後等デイサービスのシミュレーションでは京都市を例にシミュレーションしてみましたが、大阪市や奈良市においても地域区分によって1単位の単価が異なりますが、数字が大きくかわることはありません。上記のシミュレーションを参考にして放課後等デイサービスの売上予測を考えてみましょう。

放課後等デイサービスの売上予測を検討する際に気をつけるべきことは、少し厳しく(低めに)考えることです。放課後等デイサービスは、基本的には最低定員10人からとなるため、大人を対象とした障がい福祉サービス(例えば、就労継続支援B型:最低定員20人)と比べると売上ボリュームは小さくなってしまいます。また、定員を11人以上としてしまうと単位数も大きく下がってしまいますし、人員配置も厳しくなってしまいます。

そのため、定員については、物件の大きさや、人員配置の可否などにもよりますので、放課後等デイサービスの収支シミュレーションを検討する際には定員10人を基本として考えるとわかりやすいと思います。

放課後等デイサービスにかかる「経費」はどれくらいかかるのでしょうか?

放課後等デイサービスの経費を考える際に注意したいのは、放課後等デイサービスでは人件費割合が高いという点です。放課後等デイサービスのような障がい児通所支援事業では人員基準を守りながら運営していかなければなりません。そのためどうしても一定数以上の人員を配置しなければならないためです。

放課後等デイサービスの人員配置では、サービス提供時間内に(自治体によっては営業時間内に)、管理者や児童発達支援管理責任者とは別に、児童指導員や保育士などを2人以上配置しなければなりません。そのため人件費もそれだけ必要ということになります。

放課後等デイサービス(一般型)の人員配置基準

職種 必要員数 配置要件
管理者 1人以上 専ら当該事業所の管理業務に従事
(業務に支障がなければ児発管と兼務可)
児童発達支援
管理責任者
1人以上 1人以上は専任かつ常勤
児童指導員
保育士
あわせて
2人以上
・1人以上は常勤
・半数以上は児童指導員or保育士
※機能訓練担当職員、看護職員を配置している場合、
人員基準(必要員数)に含めることが可能
機能訓練
担当職員
機能訓練を行う場合は、その時間のみ配置
看護職員 医療的ケア児が通所する場合に配置

放課後等デイサービスの人員配置基準では、管理者、児童発達支援管理責任者、児童指導員もしくは保育士の配置が必須になります。管理者と児童発達支援管理責任者は兼務可能です。

放課後等デイサービス(一般型)の経費シミュレーション

定員10人 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
人件費 管理者児発管1人 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000 300,000
児童指導員1人 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000
保育士1人 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000
家賃 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000 150,000
水道光熱費 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000
通信費 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000
事務費 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000
その他 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000 100,000
合計 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000

上記のように放課後等デイサービスの1事業所にかかる経費としては1ヶ月に約100万円位であることがわかります。もちろん物件家賃や諸条件によっては数字がかわってくることになりますが、概算額として1ヶ月にかかる経費を把握しておくべきです。

また、放課後等デイサービスの経費を検討する際に注意しておきたいのは、経費の予測を考える際には高めに(多めに)経費がかかるという予測で考えるということです。高めに経費を考えておけば、実際には低い経費で足りるようにすることができればその差額分だけ運営がしやすくなるということになります。逆に、低めに(少なく)見積もっていて予測以上に経費がかかったというのでは運営がはじまってから資金ショートの危険性も高くなってしまいます。

放課後等デイサービスの「利益」がどれくらいを見込めるのでしょうか?

上記で検討した「売上」の予測と「経費」の予測とを合わせてみると、京都市で放課後等デイサービスを開業・運営した場合にどれくらいの「利益」が見込めるのかがわかります。

  4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
売上 158,618 317,237 475,855 634,474 917,112 951,710 1,110,329 1,268,947 1,427,566 1,586,184 1,586,184 1,586,184
経費 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000 1,000,000
利益 -841,382 -682,763 -524,145 -365,526 -82,888 -48,290 110,329 268,947 427,566 586,184 586,184 586,184

利益シミュレーションは単純に放課後等デイサービスの売上予測から経費予測を差し引いたものですが、放課後等デイサービス開業7ヶ月目の10月から黒字化する予測となっています。比較的早い段階で黒字化させることも不可能ではありませんが、そもそもここでの売上シミュレーションでは毎月順調に1人ずつの児童が営業日にフル通所した場合を想定したものとなっています。

放課後等デイサービスの収支の計算が複雑になるため単純化して考えることができるように全営業日にフル通所しているという仮定で考えましたが、現実的にはもっと厳しい数字になると考えるべきです。利用児童も開業後10ヶ月目の1月からは定員10人マックスが毎日通所していると仮定しているため現実的ではありません。現実的にはうまくいっても上記の放課後等デイサービスの収益シミュレーションの70%位で考えておくべきでしょう。

放課後等デイサービスを成功させるためには?

上記では、京都市で放課後等デイサービスを開業した場合の収支シミュレーションを検討してきましたが、大阪、京都、奈良で放課後等デイサービスを成功させるためにはどうすればよいのでしょうか?

当事務所でも、大阪、京都、奈良での放課後等デイサービスの開業支援、運営支援をとおして感じたものではありますが、いくつかのポイントがあるのではないかと考えています。

児童への「療育」にしっかりとした考えをもっている

大阪、京都、奈良でも放課後等デイサービスの数は激増しています。なかには総量規制がかかったり公募制になってりしている自治体も出てきています。つまり、放課後等デイサービスの事業所数が増えすぎたため、行政側が新規での開業に規制を設けている状況となっています。

今までは、放課後等デイサービスは学校の放課後に単に「児童を預かる場所」のような事業所であれば何とか運営ができていた側面もあるようですが、それだけではなく、子供達の自立を促すプログラムを積極的に取り入れた事業所も増えてきています。例えば、将来、子供達が放課後等デイサービスを卒業した時のために、働けるように訓練をとおして自立を目指す「就労準備型」のような放課後等デイサービスも増えてきましたし、勉強や運動のプログラムを多くとりいれた「学習型」のような事業所もあります。

これらの事業所というのは、運営者に「療育」というものはどういうものであるか?という考えをしっかりとお持ちの方であるように思います。自分達のサービスを通じて子供達の自立を促すという考えをしっかりと持たれているのです。

それは事業所としての特徴でもあるでしょうし、アピールできるポイントといえるのではないでしょうか?

放課後等デイサービスを「事業」として捉えられている

放課後等デイサービスは、ともするとボランティア的な考え方が重視されやすい分野だといえるかもしれませんが、放課後等デイサービスも「事業」ですから売上をあげて経費を支払っていかなくてはなりません。また、放課後等デイサービスで働くスタッフ達の仕事場でありますし、報酬が発生するからこと重い責任も課せられることになるのです。

当事務所が大阪、京都、奈良での放課後等デイサービス事業所の運営支援として携わらせていただいている事業所様を見ていても、うまくいっている事業所様では子供達の療育が中心にあることはもちろんなのですが、売上や経費といった経営上の数字にも厳しい姿勢で運営されています。それは、放課後等デイサービスをボランティアではなく「事業」として捉えており、責任の重さを理解されているからこその姿勢ではないでしょうか?

外部の専門家を上手に使う

放課後等デイサービスの運営では、毎日の支援記録などの書類作成や事務処理が非常に多く、その業務は多岐にわたります。子供達への支援を行いながらこれらの書類作成や事務処理もしなければならないわけですから、余程、事務処理が得意でなければ追いつかなくなってくるのが普通でしょう。だからといって記録を作成しなくてもいいというわけにはいきません。放課後等デイサービス事業所へ毎月支払われる国保連からのお金は税金が投入されているのですから、いいかげんなことをしていると実地指導で報酬返還となってしまいます。

そのためうまくいっている事業所では、事務職専属のスタッフを雇用したり、行政書士や社会保険労務士といった外部の専門家を上手に利用しています。日々の支援記録や個別支援計画などは療育を行っているスタッフにしか作成できないものですので、自分達にしかできない業務と外部の専門家に依頼できる業務とを分類して、上手に外部の専門家を利用することで自分達の負担を減らし、必要な帳票類はきちんと整備しておくようにしましょう。


放課後等デイサービスの制度は急激に複雑化しています。放課後等デイサービスのような制度ビジネスでは、コンプライアンス(法令遵守)を意識しながら他方では事業所としての売上をあげていかなければ事業所の存続は難しいのです。そのため、「経営」面から見れば、コンプライアンスと経営上の数字の両輪をうまく廻さなければならず、非常に舵取りの難しいビジネスといえるのではないでしょうか?

当事務所では、大阪、奈良、京都での放課後等デイサービスの開業支援や運営支援を行っています。放課後等デイサービスの開業支援や運営支援ができる福祉専門の行政書士はまだまだ少ないのが現状です。放課後等デイサービスの開業・運営の経営パートナーとして当事務所をご利用ください。

放課後等デイサービスの開業支援のご依頼の流れ

①放課後等デイサービスの事業所として使用する物件を探しましょう。

放課後等デイサービスの開業は、まずは物件探しからはじまります。そして、「物件の賃貸借契約のタイミングはいつにしたらいいのか?」というご相談が多いのですが、正式な賃貸借契約は自治体担当部署との事前協議(事前相談)を経た後に締結することになります。事前協議や事前相談の過程で、間取りの変更や設備工事などの変更などもよくありますので、契約前にそれらの話を詰めてしまうのです。

②放課後等デイサービスのスタッフとなる人材を集めましょう。

放課後等デイサービスでは、管理者や児童発達支援管理責任者を中心とした人員の配置が基準を満たしていなければ指定をとることはできません。放課後等デイサービスの人員基準は複雑ですが、運営がはじまってから人員が欠ける状況になってしまうと報酬の減算となってしまいますので、人員基準の考え方は事業所としてもしっかり持っておくようにしましょう。

③当事務所へ放課後等デイサービスの開業支援を依頼しましょう。

上記①②の目途がついた段階でご依頼いただくのが一番スムーズであります。しかし、上記①②の段階に至ってなくてもはあい段階でご相談くだされば物件探しのポイントや人員基準の考え方なども当事務所と共有しながらすすめることができますので、はやい段階での相談をお勧めいたします。

放課後等デイサービスの開業支援の料金(行政書士の報酬)

料金 380,000円(税別)

上記金額は大阪・京都・奈良で開業される方の開業支援の料金となります。

大阪・京都・奈良以外での開業をご検討の方は別途お見積りとさせていただきます。

※法人設立業務は提携司法書士が行います。提携司法書士との別途契約となります。

※建築士の用途変更や消防設備業者の工事などの費用は担当業者との別途契約となります。

※福祉・介護職員処遇改善加算の同時申請は別途料金となります。

放課後等デイサービスの開業支援をご依頼いただく際にご準備いただくとスムーズな資料

 放課後等デイサービスで使用しようとしている物件の図面(情報)

  • 物件の所在(住所地)
  • 間取り(窓の位置・大きさがわかれば尚良)
  • 各部屋の面積がわかるもの

放課後等デイサービスで勤務予定の児童発達支援管理責任者の情報

  • 履歴書
  • 資格証
  • 実務経験証明書
  • 研修修了証

上記書類などの各コピー

放課後等デイサービスを運営する法人の定款・登記簿

事業の「目的欄」が適切に記載されているかどうかを確認します。

適切でなければ変更手続きをする必要があります。

業務に関するお問い合わせはお電話またはメールにて承っております。(事業開業に関する具体的なご相談は面談で行っておりますが、まずはお電話・メールにて状況をお伝えください)

  • メールは24時間承っておりますが、返信に2営業日ほど頂く場合がございます。

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