児童指導員等加配加算は、常時見守りが必要な障がい児・就学児への支援や障がい児・就学児の保護者に対する支援方法の指導を行うなど、支援の強化を図るために、通常求められる従業者の員数に加え、「理学療法士等」「児童指導員等」「その他の従業者」を配置している場合に、資格などの種類・事業所の態様などに応じて算定されます。
目次
児童指導員等加配加算が算定される対象サービス
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
児童発達支援における「児童指導員等加配加算」
児童発達支援事業所において、常時見守りが必要な障がい児への支援や障がい児の保護者に対する支援方法の指導を行うなど支援の強化を図るために、児童発達支援給付費の算定に必要とする員数に加え、「理学療法士等」「児童指導員等」「その他の従業者」を配置しているものとして、指定権者に届け出た事業所について加算するものです。
ここで、「理学療法士等」「児童指導員等」「その他の従業者」には、具体的には以下のような資格や職種が含まれます。
理学療法士等(専門職員)
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 保育士(保育士or国家戦略特別区域限定保育士)
- 厚生労働大臣が定める基準に適合する専門職員
☛公認心理士or臨床心理士(大学で心理学を専修し卒業した者で、個人及び集団心理療法の技術を有する者)
☛国立障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害学科を履修した者orこれに準ずる視覚障がい者の生活訓練を専門とする技術者養成研修修了者
児童指導員等
- 児童指導員
- 手話通訳士
- 手話通訳者
- 厚生労働大臣が定める基準に適合する者
☛強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者
その他の従業者
- その他の従業者(障がい福祉サービス経験者、看護職員など)
児童発達支援における「児童指導員等加配加算」の報酬単価
児童指導員等加配加算の報酬単価は、「理学療法士等>児童指導員等>その他の従業者」という関係になり、「理学療法士等」で児童指導員等加配加算を算定すれば高い単価で加算を算定することができます。
以下は、一般型(重症心身障がい児以外が通所する)児童発達支援事業所と重心型(主として重症心身障がい児が通所する)児童発達支援事業所で「児童指導員加配加算」を算定する場合の報酬単価を一覧にしたものです。
※報酬単価の一覧表には、簡略化するために児童発達支援センターでの児童指導員加配加算は含めていません。
一般型の児童発達支援事業所の「児童指導員加配加算」の報酬単価
利用定員 | 理学療法士等 | 児童指導員等 | その他の従業者 |
10人以下 | 187単位 | 123単位 | 90単位 |
11人以上 20人以下 |
125単位 | 82単位 | 60単位 |
21人以上 | 75単位 | 49単位 | 36単位 |
重心型の児童発達支援事業所の「児童指導員加配加算」の報酬単価
利用定員 | 理学療法士等 | 児童指導員等 | その他の従業者 |
5人 | 374単位 | 247単位 | 180単位 |
6人 | 312単位 | 206単位 | 150単位 |
7人 | 267単位 | 176単位 | 129単位 |
8人 | 234単位 | 154単位 | 113単位 |
9人 | 208単位 | 137単位 | 100単位 |
10人 | 187単位 | 123単位 | 90単位 |
11人以上 | 125単位 | 82単位 | 60単位 |
異なる職種で常勤換算を満たす場合
【理学療法士等】の加算を算定する場合は、「理学療法士等(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保育士・適合専門職員)」を常勤換算で1名以上配置する必要があります。
このとき、【理学療法士等】と【児童指導員等】のように異なる職種の配置により常勤換算で1名以上とすることも可能です。【理学療法士等】と【児童指導員等】のように算定する報酬区分が異なる場合は、以下のような取扱いとなります。
- 【理学療法士等】と【児童指導員等】により常勤換算で1名以上とする場合、【児童指導員等】の報酬を算定
- 【理学療法士等】と【その他の従業者】により常勤換算で1名以上とする場合、【その他の従業者】の報酬を算定
- 【児童指導員等】と【その他の従業者】により常勤換算で1名以上とする場合、【その他の従業者】の報酬を算定
つまり、算定する報酬区分が異なる職種で常勤換算を1名以上とする場合には、報酬単価が低い側の職種で「児童指導員加配加算」を算定することになります。
放課後等デイサービスにおける児童指導員等加配加算
常時見守りが必要な就学児への支援や就学児の保護者に対する支援方法の指導を行うなど支援の強化を図るために、放課後等デイサービス給付費の算定に必要となる従業者の員数に加え、「理学療法士等」「児童指導員等」「その他の従業者」を配置しているものとして、指定権者に届出た事業所について算定されます。
ここで、「理学療法士等」「児童指導員等」「その他の従業者」には、具体的には以下のような資格や職種が含まれます。
理学療法士等(専門職員)
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 保育士(保育士or国家戦略区域限定保育士)
- 厚生労働大臣が定める基準に適合する専門職員
☛公認心理士or臨床心理士(大学で心理学を専修し卒業した者で、個人及び集団心理療法の技術を有する者)
☛国立障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害学科を履修した者orこれに準ずる視覚障がい者の生活訓練を専門とする技術者養成研修修了者
児童指導員等
- 児童指導員
- 手話通訳士
- 手話通訳者
- 厚生労働大臣が定める基準に適合する者
☛強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者
その他の従業者
- その他の従業者(障がい福祉サービス経験者、看護職員など)
放課後等デイサービスにおける「児童指導員等加配加算」の報酬単価
児童指導員等加配加算の報酬単価は、「理学療法士等>児童指導員等>その他の従業者」という関係になり、「理学療法士等」で児童指導員等加配加算を算定すれば高い単価で加算を算定することができます。
以下は、一般型(重症心身障がい児以外が通所する)放課後等デイサービス事業所と重心型(主として重症心身障がい児が通所する)放課後等デイサービス事業所で「児童指導員加配加算」を算定する場合の報酬単価を一覧にしたものです。
一般型の放課後等デイサービスの「児童指導員加配加算」の報酬単価
利用定員 | 理学療法士等 | 児童指導員等 | その他の従業者 |
10人以下 | 187単位 | 123単位 | 90単位 |
11人以上 20人以下 |
125単位 | 82単位 | 60単位 |
21人以上 | 75単位 | 49単位 | 36単位 |
重心型の放課後等デイサービスの「児童指導員加配加算」の報酬単価
利用定員 | 理学療法士等 | 児童指導員等 | その他の従業者 |
5人 | 374単位 | 247単位 | 180単位 |
6人 | 312単位 | 206単位 | 150単位 |
7人 | 267単位 | 176単位 | 129単位 |
8人 | 234単位 | 154単位 | 113単位 |
9人 | 208単位 | 137単位 | 100単位 |
10人 | 187単位 | 123単位 | 90単位 |
11人以上 | 125単位 | 82単位 | 60単位 |
異なる職種で常勤換算を満たす場合
【理学療法士等】の加算を算定する場合は、「理学療法士等(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・保育士・適合専門職員)」を常勤換算で1名以上配置する必要があります。
このとき、【理学療法士等】と【児童指導員等】のように異なる職種の配置により常勤換算で1名以上とすることも可能です。【理学療法士等】と【児童指導員等】のように算定する報酬区分が異なる場合は、以下のような取扱いとなります。
- 【理学療法士等】と【児童指導員等】により常勤換算で1名以上とする場合、【児童指導員等】の報酬を算定
- 【理学療法士等】と【その他の従業者】により常勤換算で1名以上とする場合、【その他の従業者】の報酬を算定
- 【児童指導員等】と【その他の従業者】により常勤換算で1名以上とする場合、【その他の従業者】の報酬を算定
つまり、算定する報酬区分が異なる職種で常勤換算を1名以上とする場合には、報酬単価が低い側の職種で「児童指導員等加配加算」を算定することになります。
児童指導員等加配加算の対象となる加配職員(理学療法士・児童指導員等)を常勤で雇用したとき、当該常勤職員が休暇を取得する場合、休暇を取得した日は加配職員が不在のため、児童指導員等加配加算を算定できないと解するのか?
児童指導員等加配加算は児童指導員等を常勤換算で1人以上配置したときに算定できる。常勤職員の場合、有給休暇等を取得するときは欠如としては扱わない(常勤換算として計上できる)ので、1週間を通じて常勤換算で1人以上の配置がされているなら、1週間の各日の請求において児童指導員等加配加算を算定することは可能である。なお、暦月で一ヶ月を超えるような休暇となる場合はこの取扱いは認められない点に留意すること。
(厚生労働省 事務連絡 令和5年3月30日)
大阪府の取扱い
児童指導員等加配加算の算定に係る対象職員のうち、常勤職員が有給休暇等(※)を取得するときは、当該有給休暇日を不在として扱いません(1週間を通じて常勤換算で1人以上の配置がされている場合は、児童指導員等加配加算を各日の請求において算定可能とします。)。
ただし、非常勤職員が有給休暇等を取得するときは従来通り、不在と扱いますので、ご注意ください。(常勤換算として計上不可)
(※)有給休暇等には、法令に定める週休日も含めます。
具体的な事例
営業時間8時間×週5日の営業日で、週40時間が常勤換算1.0の事業所であって、加算対象の常勤(週40時間)の保育士が、ある週の勤務予定日の1日分(8時間)を有給休暇日とした。この場合、当該週だけみると32時間勤務となるが、有給休暇日を不在と扱わないため、1週間を通して加算の算定が可能です。
児童発達支援管理責任者に欠如が生じている場合、児童指導員等加配加算を算定できるか?
児童発達支援管理責任者に欠如が生じている場合は、児童指導員等加配加算を算定することはできない。
(厚生労働省 事務連絡 令和5年3月30日)
児童発達支援や放課後等デイサービスで算定できる児童指導員等加配加算は、基本報酬を算定する際の人員配置では「常勤換算」という考えを使わないのに、児童指導員等加配加算を算定する際の人員配置では「常勤換算」という考えを使います。
また、児童指導員等加配加算の算定要件とされている資格では、基本報酬を算定する際に求められる人員配置(基本となる人員配置)にはカウントできない資格もあります。
具体的には、「保育士」と「児童指導員」は基本報酬を算定する際に求められる人員配置(基本となる人員配置)にカウントすることができますが、それら以外の「理学療法士」や「手話通訳士」などは基本となる人員配置ではカウントすることができません。
※「障がい福祉サービス経験者」については、令和3年3月31日時点で障がい福祉旧基準に基づく指定を受けている事業所については2年間の経過措置があります。
児童指導員等加配加算を算定する場合には、まずは基本報酬(児童発達支援給付費や放課後等デイサービス給付費)を算定するのに求められている人員配置基準(基本となる人員配置基準)をクリアしたうえで、さらにプラスアルファとして理学療法士や児童指導員などを「常勤換算で1名以上」を配置できるかどうかを検討するようにしましょう。