放課後等デイサービスでの看護職員の配置(重心型事業所)

令和3年度の障がい福祉サービス事業報酬改定で、放課後等デイサービスにおいても、医療的ケア児に医療的ケアを行う場合には看護職員の配置が求められるなどの制度改正がありました。

重心型の放課後等デイサービス(主として重症心身障害児を受け入れる場合)では、基本的には重症心身障がい児に支援を行いますので、看護職員の配置はもともと人員基準として必要でしたが、医療的スコアの新判定スコアにより、看護職員の配置によって報酬単価にも違いが出てくることになりました。ここでは重心型の放課後等デイサービス(主として重症心身障害児を受け入れる場合)における看護職員の配置について解説します。

放課後等デイサービス(重心型事業所)の指定基準

放課後等デイサービスの重心型事業所は、医療的ケア児の利用の有無に関わらず、看護職員を配置することとしており、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定後においても、この点は同様の取扱いとなります。

重心型の放課後等デイサービスにおける「看護職員加配加算」

  • 看護職員加配加算(Ⅰ)

利用する重心医ケア児の医療的ケアスコアが合計40点以上で、2人目以降の看護職員を常勤換算で1以上を配置したとき。

  • 看護職員加配加算(Ⅱ)

利用する重心医ケア児の医療的ケアスコアが合計72点以上で、2人目以降の看護職員を常勤換算で2以上を配置したとき。

※放課後等デイサービスの一般型事業所(主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の事業所)においては、令和3年度の報酬改定時に看護職員加配加算は廃止されました。

放課後等デイサービス(重心型事業所)における医療的ケアスコアの計算方法

重心型の放課後等デイサービスにおける医療的ケアスコアは、「前年度の利用実績」を用いて以下のように計算します。

  • 営業日 200日
  • 医療的ケアスコアが16点の重心医ケア児が180日利用
  • 医療的ケアスコアが20点の重心医ケア児が150日利用
  • 医療的ケアスコアが32点の重心医ケア児が100日利用

⇒(16点×180日+20点×150日+32点×100日)÷200日=45.4点

⇒合計40点以上なので、看護職員加配加算(Ⅰ)を算定可。

新設又は増改築等を行った場合に関して、前年度において1年未満の実績しかない場合(前

年度の実績が全くない場合を含む)の重心医ケア児の数は、以下のように考えます。

新設又は増改築等の時点から3月未満の間

在籍者数(契約者数)のうち、重心医ケア児のそれぞれの「医療的ケアスコアを合計した数」により判断します。

⇒上記の例でいえば、16点+20点+32点=68点 

⇒合計が40点以上になるので看護職員加配加算(Ⅰ)を算定可。

新設又は増改築の時点から3月以上1年未満の間

「過去3月間の利用実績」を用いて以下のとおり計算します。

  • 営業日 60日
  • 医療的ケアスコアが16点の重心医ケア児が50日利用
  • 医療的ケアスコアが20点の重心医ケア児が45日利用
  • 医療的ケアスコアが32点の重心医ケア児が30日利用

⇒(16点×50日+20点×45日+32点×30日)÷60日=44.3点

⇒合計40点以上なので看護職員加配加算(Ⅰ)を算定可。

重心型の放課後等デイサービスで算定できる報酬の考え方

医療的ケア児が重心型の放課後等デイサービスを利用する場合、算定する報酬は以下の①か②のいずれかのパターンとなります。

①医療的ケア区分に応じた基本報酬

②医療的ケア児以外の基本報酬+医療連携体制加算

①「医療的ケア区分に応じた基本報酬」と②「医療的ケア児以外の基本報酬+医療連携体制加算」のいずれを算定するかについては、一般型の放課後等デイサービスの場合と同じように考えます。つまり、医療的ケア児については、本来、一定数の看護職員の配置のもとで安全に医療的ケアを提供する必要があることから、医療的ケア児について、3人以上の利用が見込まれる場合は、①「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定するものとします(医療連携体制加算は算定できません)

放課後等デイサービスの一般型事業所でも、医療的ケア児が3人以上利用する場合は①「医療的ケア区分に応じた基本報酬」の算定をすることになりますが、放課後等デイサービスの重心型事業所において、この「3人以上」となる場合は、「医療的ケア児(医療的ケアを必要とする障害児。重症心身障害児を除く)」のみで数えることとし、「重心医ケア児(重症心身障害かつ医療的ケアを必要とする障害児)」は計算から除きます(そのため、もともと定員が一般型の放課後等デイサービスに比べて少ない重心型の放課後等デイサービスでは、このような場合は基本的には想定されていません)。

放課後等デイサービスにおける用語の整理

(引用:厚生労働省資料)

重心型の放課後等デイサービスを利用する医療的ケア児の人数が3人未満になるときは、

①「医療的ケア区分に応じた基本報酬」or ②「医療的ケア児以外の基本報酬+医療連携体制加算」を算定できるものとし、どちらを算定するかは事業所において決めることができます。

重心型の放課後等デイサービスで「医療的ケア児」を受け入れるときの看護職員の人数の考え方

重心型の放課後等デイサービスでは、基準人員として看護職員が1人以上(ここでは1人とする)配置され、看護職員加配加算(Ⅰ)を算定する場合は、基本人員とは別に常勤換算で1人以上配置する必要があります(看護職員加配加算(Ⅱ)の場合は2人)。

ア.看護職員加配加算を算定しない場合(イメージ)

イ.看護職員加配加算(Ⅰ)を算定する場合(イメージ)

ウ.看護職員加配加算(Ⅱ)を算定する場合(イメージ)

(引用:厚生労働省資料)

重心型の放課後等デイサービスで「医療的ケア児」を受け入れたときの報酬の取扱いは、一般型の放課後等デイサービスと同じく

  • 医療的ケア児の利用が3人以上の場合は、「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定し
  • 医療的ケア児の利用が3人未満の場合は、「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定するか、「医療連携体制加算(+医ケア以外の障がい児に係る基本報酬)」を算定するかは事業所の選択によります。

ただし、重心型の放課後等デイサービスの場合、基準人員としての看護職員や、看護職員加配加算により配置する看護職員がいるので、「看護職員の配置の考え方」については、一般型の放課後等デイサービスと異なる点があります。

重心型の放課後等デイサービスで「医療的ケア児」を受け入れたときは、基準人員である看護職員(基準看護職員)が、「医療的ケア児」に医療的ケアを提供することをもって、「医療連携体制加算」の算定が可能です。

(引用:厚生労働省資料)

この場合、「重症心身障害児」「重心医ケア児」については、「重症心身障害児の基本報酬」を算定し、「医療的ケア児」については、「医ケア児以外の基本報酬+医療連携体制加算」を算定します。

重症心身障害児の基本報酬

重症心身障害児 授業終了後 学校休業日
利用定員5人 1,756単位 2,038単位
利用定員6人 1,467単位 1,706単位
利用定員7人 1,263単位 1,466単位
利用定員8人 1,108単位 1,288単位
利用定員9人 989単位 1,150単位
利用定員10人 893単位 1,039単位
利用定員11人以上 686単位 810単位

ただし、その際に算定する「医療連携体制加算」の単位は、重心医ケア児も含めた人数・時間に基づき算定することになります。

上記の表の例だと、

  • 重心医ケア児・医療的ケア児の利用時間は10時~15時の6時間
  • 重心医ケア児・医療的ケア児の人数は4人

となるので、医療的ケア児2名について、医療連携体制加算(Ⅴ)の「3人~8人」で800単位/人を算定します。

放課後等デイサービスにおける医療連携体制加算の算定要件

  算定要件(対象者数)
医ケア
以外
医ケア 時間 1名 2名 3~8名
  1時間未満 32単位
  1時間以上2時間未満 63単位
  2時間以上 125単位
  4時間未満 800単位 500単位 400単位
  4時間以上 1,600単位 960単位 800単位

重心型の放課後等デイサービスにおける「看護職員加配加算」の医療的ケアスコアの数え方

重心型の放課後等デイサービスで「看護職員加配加算」を算定する場合、医療的ケア児の医療的ケアスコアも合算して上で、40点以上・72点以上を満たしているかを計算します。

(引用:厚生労働省資料)

この場合、「重症心身障害児」「重心医ケア児」については、「重症心身障害児の基本報酬+看護職員加配加算(Ⅱ)」を算定し、「医療的ケア児」については、「医ケア児以外の基本報酬+医療連携体制加算」と算定します。

重心型の放課後等デイサービスで医療的ケア児を受け入れ、「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定するときは、基準人員である看護職員(基準看護職員)とは別に看護職員を配置する必要があります。

(引用:厚生労働省資料)

この場合、「重症心身障害児」「重心医ケア児」については、「重症心身障害の基本報酬」を算定し、「医療的ケア児」については、「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定します。

このように重心型の放課後等デイサービスで、配置される看護職員については、最大で、

①「基準人員」として配置される看護職員(基準看護職員)

②「看護職員加配加算」の対象として配置される看護職員

③「医療的ケア区分に応じた基本報酬」の算定にあたって配置される看護職員

の3種類の看護職員が混在することになります。

①~③の看護職員について、常に同一の看護職員と紐付いて計算する必要はありません(例えば、看護職員Aが、ある日は基準人員としての看護職員(①)、ある日は看護職員加配加算の対象として配置している看護職員(②)になる、といった整理も可能です)。

ただし、例えば、「医療的ケア区分に応じた基本報酬」の算定にあたって配置した看護職員(③)が、医療的ケア児へのサービス提供時間帯以外の時間も勤務し、当該時間帯は「看護職員加配加算」の対象として配置される看護職員(②)の常勤換算に参入するといった、同一日に、同一の看護職員が①~③で重複して配置するといった取扱いは認められません。

(引用:厚生労働省資料)

この場合、「医療的ケア区分に応じた基本報酬」を算定する上で「1」として数えた看護職員が、医療的ケア児が不在の時間にも配置していたからとって、「看護職員加配加算」の常勤換算の要件として算入することはできません。


上記の放課後等デイサービスにおける看護職員の配置(重心型事業所)は、厚生労働省の「医療的ケアを必要とする障害児への支援に係る報酬の取扱いについて」(児童発達支援・放課後等デイサービス)をもとに作成しております。

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