福祉専門職員配置等加算とは、良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、専門性を有する福祉専門職員や常勤職員の一定割合の配置を条件に評価される加算です。
福祉専門職員配置等加算は比較的算定している事業所も多いメジャーな加算ですが、福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件が有資格者の「割合」ですので毎月の管理が重要になります。つまり、常勤職員を新たに雇用すると有資格者の「割合」が低くなりますので、算定要件を満たさなくなってしまう可能性があります。そのため毎月管理する必要があるのです。
また、福祉専門職員配置等加算を算定しているということは福祉・介護職員等「特定」処遇改善加算(Ⅰ)の算定要件でもありますので、福祉専門職員配置等加算を算定していない状態から福祉専門職員配置等加算を算定するに至った場合には、福祉・介護職員等「特定」処遇改善加算(Ⅱ)から(Ⅰ)への変更届を提出するのが一般的ですし、福祉専門職員配置等加算を算定している状態から福祉専門職員配置等加算の算定要件を満たさなくなってしまった場合には、福祉・介護職員等「特定」処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅱ)への変更届を提出しなければなりません。
福祉専門職員配置等加算はメジャーな加算でありながら、その管理が煩雑な加算ですので、算定要件をしっかりと理解したうえで算定するようにしましょう。
福祉専門職員配置等加算の該当サービス
- 療養介護
- 生活介護
- 自立訓練(機能訓練)
- 自立訓練(生活訓練)
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
- 自立生活援助
- 共同生活援助
- 児童発達支援
- 医療型児童発達支援
- 放課後等デイサービス
福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)の算定要件
指定基準の規定により配置することとされている直接処遇職員として常勤で配置されている従業者の総数のうち、有資格者(社会福祉士など)である従業者の割合が100分の35以上であること。
<算定要件>
- 常勤の直接処遇職員(生活支援員など)のうち
- 有資格者(社会福祉士など)の割合が35%以上であること。
上記の「生活支援員など」は、サービス種別によって該当する職種が異なります。
サービス種別 | 該当する職種 | |
---|---|---|
療養介護 | 生活支援員 | |
生活介護 | 生活支援員 共生型生活介護従業者 |
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自立訓練 (機能訓練) |
生活支援員 共生型自立訓練(機能訓練)従業者 |
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自立訓練 (生活訓練) |
生活支援員、地域移行支援員 共生型自立訓練(生活訓練)従業者 |
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就労移行支援 | 職業指導員、生活支援員、就労支援員 | |
就労継続支援A型 | 職業指導員、生活支援員 (賃金向上達成指導員は対象外) |
|
就労継続支援B型 | 職業指導員、生活支援員 (目標工賃達成指導員は対象外) |
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自立生活援助 | 地域生活支援員 | |
共同生活援助 | 世話人、生活支援員 (外部サービス利用型にあっては、世話人) |
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児童発達支援 | 加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 共生型児童発達支援従業者 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 共生型児童発達支援従業者 |
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医療型 児童発達支援 |
加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 指定発達支援医療機関の職員 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 指定発達支援医療機関の職員 |
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放課後等 デイサービス |
加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 共生型放課後等デイサービス従業者 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 共生型放課後等デイサービス従業者 |
福祉専門職配置等加算(Ⅰ)は、有資格者の割合によって算定されますが、認められる資格は以下のとおりです。
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 公認心理師
- 作業療法士(就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型のみ)
<単位数>
- 15単位/日
ただし、療養介護、共同生活援助については、10単位/日
福祉専門職員配置等加算(Ⅱ)の算定要件
指定基準の規定により配置することとされている直接処遇職員として常勤で配置されている従業者の総数のうち、有資格者(社会福祉士など)である従業者の割合が100分の25以上であること。
<算定要件>
- 常勤の直接処遇職員(生活支援員など)のうち
- 有資格者(社会福祉士など)の割合が25%以上であること。
上記の「生活支援員など」は、サービス種別によって該当する職種が異なります。
サービス種別 | 該当する職種 | |
---|---|---|
療養介護 | 生活支援員 | |
生活介護 | 生活支援員 共生型生活介護従業者 |
|
自立訓練 (機能訓練) |
生活支援員 共生型自立訓練(機能訓練)従業者 |
|
自立訓練 (生活訓練) |
生活支援員、地域移行支援員 共生型自立訓練(生活訓練)従業者 |
|
就労移行支援 | 職業指導員、生活支援員、就労支援員 | |
就労継続支援A型 | 職業指導員、生活支援員 (賃金向上達成指導員は対象外) |
|
就労継続支援B型 | 職業指導員、生活支援員 (目標工賃達成指導員は対象外) |
|
自立生活援助 | 地域生活支援員 | |
共同生活援助 | 世話人、生活支援員 (外部サービス利用型にあっては、世話人) |
|
児童発達支援 | 加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 共生型児童発達支援従業者 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 共生型児童発達支援従業者 |
|
医療型 児童発達支援 |
加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 指定発達支援医療機関の職員 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 指定発達支援医療機関の職員 |
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放課後等 デイサービス |
加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 共生型放課後等デイサービス従業者 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 共生型放課後等デイサービス従業者 |
福祉専門職配置等加算(Ⅱ)は、有資格者の割合によって算定されますが、認められる資格は以下のとおりです。
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 公認心理師
- 作業療法士(就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型のみ)
<単位数>
- 10単位/日
ただし、療養介護、共同生活援助については、7単位/日
福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)の算定要件
直接処遇職員である従業者総数(常勤換算)のうち常勤の従業者が100分の75以上であること、または、常勤職員のうち3年以上従事している従業者の割合が100分の30以上であること。
<算定要件>
次のいずれかに該当する場合であること
- 直接処遇職員として配置されている従業者の総数(常勤換算方法により算出された従業者数)のうち、常勤で配置されている従業者の割合が75%以上であること。or
- 直接処遇職員として常勤で配置されている従業者のうち、3年以上従事している従業者の割合が30%以上であること。
上記の「従業者」は、サービス種別によって該当する職種が異なります。
サービス種別 | 該当する職種 | |
---|---|---|
療養介護 | 生活支援員 | |
生活介護 | 生活支援員 共生型生活介護従業者 |
|
自立訓練 (機能訓練) |
生活支援員 共生型自立訓練(機能訓練)従業者 |
|
自立訓練 (生活訓練) |
生活支援員、地域移行支援員 共生型自立訓練(生活訓練)従業者 |
|
就労移行支援 | 職業指導員、生活支援員、就労支援員 | |
就労継続支援A型 | 職業指導員、生活支援員 (賃金向上達成指導員は対象外) |
|
就労継続支援B型 | 職業指導員、生活支援員 (目標工賃達成指導員は対象外) |
|
自立生活援助 | 地域生活支援員 | |
共同生活援助 | 世話人、生活支援員 (外部サービス利用型にあっては、世話人) |
|
児童発達支援 | 加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 共生型児童発達支援従業者 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 共生型児童発達支援従業者 |
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医療型 児童発達支援 |
加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 指定発達支援医療機関の職員 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 指定発達支援医療機関の職員 |
|
放課後等 デイサービス |
加算(Ⅰ)(Ⅱ) | 児童指導員 共生型放課後等デイサービス従業者 |
加算(Ⅲ) | 児童指導員、保育士 共生型放課後等デイサービス従業者 |
また、「3年以上従事」とは、加算の申請を行う前月の末日時点における勤続年数です。勤続年数の算定にあたっては、当該事業所における勤続年数に加え同一法人の経営する他の障害福祉サービス事業所、障害児通所支援事業所などにおいてサービスを利用者に直接提供する職員として勤務した年数を含めることができます。
<単位数>
- 6単位/日
ただし、療養介護、共同生活援助については、4単位/日
福祉専門職員配置等加算を算定する際の注意点
- 多機能型事業所については、当該事業所におけるすべてのサービス種別(児童福祉法に基づくサービスを含む)の直接処遇職員を合わせて要件を計算し、当該要件を満たす場合にはすべての利用者に対して加算を算定します。
この場合、当該多機能型事業所などの中で複数の直接処遇職員として、常勤の時間を勤務している者(例えば、生活介護の生活支援員を0.5人分、就労移行支援の職業指導員を0.5人分勤務している者)については、「常勤で配置されている従業者」に含めます。 - 「常勤」職員に該当するか否かは自治体によって若干の違いがあるようです。例えば、就労継続支援B型の「生活支援員」が「調理員」を兼務する場合、所定労働時間の勤務であっても生活支援員として所定労働時間を勤務していなければ、福祉専門職員配置等加算を算定する際の「常勤」とは言えない、とする自治体もあります。そのため、福祉専門職員配置等加算を算定する場合には「常勤」の捉え方について自治体に確認するようにしましょう。
- 福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件は常勤職員に対する有資格者の「割合」であるため、新規で常勤の職員を雇用するような場合は「割合」が下がってしまう可能性があります。そのため算定要件を満たしているか否かの毎月の確認がとくに必要です。
- 福祉専門職員配置等加算を算定していることが福祉・介護職員「特定」処遇改善加算(Ⅰ)の算定要件ですので、福祉専門職員配置等加算を算定していたが新たな職員の雇用などによって算定要件を満たさなくなってしまった場合には、福祉専門職員配置等加算の取下げと同時に福祉・介護職員特定処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅱ)への変更届も必要になります。
福祉専門職員配置等加算は、多くの事業所で算定している加算でありますが、その算定要件が割合ですので、毎月の管理がとくに大切な加算になります。知らないうちに算定要件を満たさなくなっていた・・・なんてこともよくあります。そのため福祉専門職員配置等加算の算定要件をしっかりと理解したうえで算定するようにしましょう。
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