就労移行支援の基本報酬をわかりやすく解説

就労移行支援事業は、就労を希望する65歳未満の障害者に対して、就労に必要なサービスを最長2年間を標準として提供する「一般型」と、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の学校又は養成施設において、それぞれの免許を取得するための支援を3年又は5年間行う「養成施設型」があります。一般型か養成施設型かで報酬体系が異なります。

また、就労移行支援の報酬は、利用者が就労移行支援事業所を卒業して一般就労した場合に、就職後6ヶ月以上定着した者の割合(就労定着率)に応じた報酬体系とされています。

就労移行支援の報酬単位

就労移行支援の報酬単位は、利用定員ごとに就労定着率(就労後6ヶ月以上定着率)に応じた設定となっています。

・新規指定の就労移行支援事業所等において、2年度間は、就労定着者の割合が「100分の30以上100分の40未満」の場合であるとみなして、基本報酬が算定されます。

ただし、2年度目において、初年度の就労定着者の割合(初年度において、就労移行支援を受けた後就労し、就労を継続している期間が6月に達した者の数を当該前年度の利用定員の数で除して得た割合)が「100分の40以上」となる場合は、初年度の実績に応じて基本報酬を算定することができます。

また、3年度目における就労定着者の割合については、「初年度の利用定員に100分の30を乗じた数」と「2年度目において、就労移行支援を受けた後就労し、就労を継続している期間が6月に達した者」の合計数を初年度及び2年度目の利用定員の合計数で除して得た割合とすることができます。

・年度途中に指定された事業所については、支援の提供を開始してから2年間(24月)は、就労定着者の割合が「100分の30以上100分の40未満」の場合であるとみなして、基本報酬が算定されます。

ただし、支援の提供開始から2年目における就労定着者の割合については、「支援の提供を開始した日から1年間において、就労移行支援を受けた後就労し、就労継続している期間が6月に達した者」の数を当該1年間の利用定員で除して得た割合に応じて、基本報酬を算定することができます。

また、支援の提供を開始してから2年(24月)経過した日の属する月から当該年度の3月までの就労定着者の割合については、「1年目(1月から12月)の利用定員に100分の30を乗じた数」と「支援の提供開始から2年目(13月から24月)において、就労移行支援を受けた後就労し、就労を継続した期間が6月に達した者」の合計数を1年目の利用定員及び2年目の利用定員の合計数で除して得た割合とすることができます。

・令和3年の報酬改定において、就労移行支援においては、就労定着率が高い事業所では良い評価がなされ改正前よりも単位が高くなりましたが、就労定着率が低い事業所では改正前よりも悪い評価となってしまいました。

一般型:就労移行支援サービス費(Ⅰ)

一般型
(1日あたり)
就職後6ヶ月以上定着率
5割以上 4割以上
5割未満
3割以上
4割未満
2割以上
3割未満
1割以上
2割未満
0割超
1割未満
0割



20人以下 1,128単位 959単位 820単位 690単位 557単位 507単位 468単位
21人以上
40人以下
1,035単位 863単位 725単位 631単位 506単位 448単位 414単位
41人以上
60人以下
1,003単位 838単位 693単位 596単位 497単位 428単位 395単位
61人以上
80人以下
948単位 797単位 646単位 544単位 476単位 400単位 369単位
80人以上 915単位 760単位 607単位 498単位 460単位 374単位 346単位

就労移行支援サービス費(Ⅰ)については、利用者を通所させて就労移行支援を提供した場合又は施設入所支援を併せて利用する者に対し、就労移行支援を提供した場合に算定し、利用者が就職した日の前日まで算定が可能です。

ただし、通常の事業所に雇用されている障がい者が休職した場合には、以下の(ア)から(ウ)をいずれも満たす場合に限り算定することが可能であり、復職した場合には一般就労への移行者として差し支えありません。

(ア)当該休職者を雇用する企業、地域における就労支援機関や医療機関等による復職支援の字実施が見込めない場合又は困難である場合

(イ)休職中の障がい者本人が復職を希望し、企業及び主治医が復職に関する支援を受けることにより復職することが適当と判断している場合

(ウ)休職中の障がい者にとって、就労移行支援を実施することにより、より効果的かつ確実に復職につなげることが可能であると市区町村が判断した場合

就労移行支援サービス費(Ⅰ)は、当該年度の利用定員及び前年度の就労定着者の割合(当該年度の前年度及び前々年度において、就労移行支援を受けた後就労し就労を継続している期間が6月に達した者の数を当該前年度及び前々年度の利用定員の合計数で除して得た割合をいう。)に応じ、基本報酬を算定します。(令和3年改正部分)

就労定着率
就労定着率 = 前年度及び前々年度において就職後6ヶ月以上定着した者 / (前年度の利用定員数+前々年度の利用定員数)

※就労移行支援サービス費(Ⅰ)一般型の場合

就労移行支援を経て企業等に雇用された後、就労移行支援の職場定着支援の義務期間中において労働条件改善のための転職支援等を実施した結果、離職後1ヶ月以内に再就職し、最初の企業等の就職から起算して雇用を継続している期間が6ヶ月に達した者は就労定着者として取り扱われます。

養成施設型:就労移行支援サービス費(Ⅱ)

養成施設型
(1日あたり)
就職後6ヶ月以上定着率
5割以上 4割以上
5割未満
3割以上
4割未満
2割以上
3割未満
1割以上
2割未満
0割超
1割未満
0割



20人以下 736単位 625単位 535単位 450単位 363単位 330単位 305単位
21人以上
40人以下
679単位 568単位 477単位 415単位 333単位 295単位 273単位
41人以上
60人以下
645単位 541単位 446単位 384単位 320単位 277単位 254単位
61人以上
80人以下
638単位 535単位 435単位 366単位 320単位 268単位 248単位
80人以上 633単位 526単位 421単位 345単位 319単位 259単位 240単位

就労移行支援サービス費(Ⅱ)については、あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師の学校又は養成施設として認定されている指定就労移行支援事業所が、利用者を通所させて就労移行支援を提供した場合又は施設入所支援を併せて利用する者に対し、就労移行支援を提供した場合に算定します。

就労移行支援サービス費(Ⅱ)は、当該年度の利用定員及び前年度の就労定着者の割合(当該年度の前年度において、就労移行支援を受けた後就労し、就労を継続している期間が6ヶ月に達した者の数を当該前年度の最終学年の利用定員で除した得た割合をいう。)に応じ、基本報酬を算定します。

就労定着率
就労定着率 = 前年度において就職後6ヶ月以上定着した者 / 前年度の利用定員数

※就労移行支援サービス費(Ⅱ)養成施設型の場合

就労移行支援の地域区分

地域区分というのは、地域間における人件費の差を考慮して、地域間の支援費の配分方法を調整するために設けられた区分のことをいいます。障がい福祉の分野においても、類似制度である介護報酬のおける地域区分との均衡を考慮して、公務員の地域手当の設定に準拠している介護報酬の地域区分の考え方に原則として合わせるものとされています。

奈良県の就労移行支援の地域区分

奈良県の就労移行支援の地域区分

地域区分 就労移行 奈良県
1単位
6級地 10.35円 奈良市、大和高田市、大和郡山市、生駒市
7級地 10.18円 天理市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、葛城市、宇陀市、
山添村、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、
田原本町、曽爾村、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町
その他 10円 五條市、吉野町、その他

例えば、奈良市(6級地)で就労移行支援事業(一般型・定員20人)を運営する場合

  • 3割以上4割未満   820単位/日 × 10.35 = 8,487円/日

となり、奈良市の就労移行支援(一般型・定員20人)では、新規指定の際は1人あたり8,487円/日の報酬が算定されることになります。

京都府の就労移行支援の地域区分

京都府の就労移行支援の地域区分

地域区分 就労移行 京都府
1単位
5級地 10.59円 京都市
6級地 10.35円 宇治市、亀岡市、向日市、長岡京市、八幡市、
京田辺市、南丹市、木津川市、精華町
7級地 10.18円 城陽市、大山崎町、久御山町、井手町
その他 10円 その他の市町村

例えば、京都市(5級地)で就労移行支援事業(一般型・定員20人)を運営する場合

  • 3割以上4割未満   820単位 × 10.59 = 8,684円/日

となり、京都市の就労移行支援(一般型・定員20人)では、新規指定の際は1人あたり8,684円/日の報酬が算定されることになります。

大阪府の就労移行支援の地域区分

大阪府の就労移行支援の地域区分

地域区分 就労移行 大阪府
1単位
2級地 10.94円 大阪市
3級地 10.89円 守口市、大東市、門真市
4級地 10.71円 豊中市、池田市、吹田市、高槻市、寝屋川市、箕面市
5級地 10.59円 堺市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、摂津市、
高石市、東大阪市、交野市
6級地 10.35円 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、
河内長野市、和泉市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市、
泉南市、四條畷市、大阪狭山市、阪南市、島本町、
豊能町、能勢町、忠岡町、熊取町、田尻町、岬町、
太子町、河南町、千早赤坂村
その他 10円 その他の地域

例えば、大阪市(2級地)で就労移行支援事業(一般型・定員20人)を運営する場合

  • 3割以上4割未満   820単位 × 10.94 = 8,971円/日

となり、大阪市の就労移行支援事業(一般型・定員20人)では、1人あたり8,971円/日の報酬が算定されることになります。


当事業所では、開業支援や運営支援においても就労移行支援の事業所としての収支を意識しながら、他方で人員基準や運営基準を順守して事業所運営をしていただけるように開業支援や運営支援を行っております。就労移行支援の開業や運営でお困りの事業所様は、お電話またはメールにてまずはご相談ください。

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