就労定着支援の基本報酬をわかりやすく解説

就労定着支援とは、就労移行支援などの結果、一般企業などに就職することになった障がい者に対して、就労にともなって生じるさまざまな問題に対する支援を行う障がい福祉サービスです。

障がい者は、就職の前後で環境に大きな変化が生じるため、日常生活などにおいて問題を抱えるケースも少なくありません。そこで、障がい者からの相談に応じて、生活上の問題点を把握して、課題を克服するうえで必要な事業者等との連絡調整などを行います。

障がい者に就労定着支援事業所に来所してもらう場合もあれば、障がい者の自宅や職場に就労定着支援事業所の就労定着支援員が訪問することで、生活費の管理や体調の管理に必要なアドバイスや支援を行います。

就労定着支援の対象者は、就労移行支援、就労継続支援(A型、B型)、生活介護、自立訓練の利用を経て一般就労へ移行した障がい者で、就労に伴う環境変化により生活面・就業面の課題が生じている者であって、一般就労後6ヶ月を経過した者になります。

例えば、利用者さんが就労移行支援を利用した後に一般就労へ移行された場合、就労後6ヶ月を経過するまでの間のサポートは就労移行支援のサービスに含まれますので、就労定着支援は就労後6ヶ月経過した後の就労支援を行うサービスとなります。就労定着支援のサービス利用期間は3年間とされています。

就労定着支援の報酬単位

就労定着支援サービス費については、就労移行支援等を受けて通常の事業所に新たに雇用され、就労を継続している期間が6ヶ月に達した障がい者について、どのような支援を実施したか等をまとめた「支援レポート」を利用者及び当該利用者が雇用されている一般の事業所の事業主等に対し、月1回以上提供した場合に、利用者数及び就労定着率に応じて算定されます。

つまり、就労定着支援サービスの報酬単位は、

  • 利用者数
  • 就労定着率  

に応じて算定します。

就労定着支援の利用者数

就労定着支援の利用者数を考える場合、原則としては「前年度(毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる年度)の平均利用者」(前年度の全利用者延数÷前年度の開所月数)を用いますが、前年度の実績がまだない場合には便宜上、以下のような取扱いがなされます。

新規指定~6月未満

一体的に運営する就労移行支援等を受けた後に一般就労(就労継続支援A型の事業所は除く)し、就労継続期間が6月に達した者の数の過去3年間の総数の70%

新規指定6月以上1年未満

直近の6月における定着支援全利用者の延べ数を6で除して得た数

新規指定1年以上

直近1年間における定着支援全利用者の延べ数を12で除して得た数

新規指定1年以上経過し、「前年度」の実績ができた場合

前年度(毎年4月1日に始まり翌年3月31日をもって終わる年度)の平均を用いる。

就労定着支援における利用者数平均は、前年度の全利用者の延べ数当該前年度の開所月数で除して得た数(※小数点第2位以下は切上げ)

就労定着支援における利用者数平均
就労定着率 = 前年度の定着支援全利用者の延べ数 / 当該前年度の開所「月」数

就労定着支援の就労定着率

就労定着率を考える場合、就労定着支援の実績がまだない新規指定の場合実績ができた段階とでは考え方が若干異なります。告示上は就労定着支援の就労定着率は、新規に指定を受けた日から1年間は推定値によることとされていますが、具体的には以下のように考えます。

就労定着支援の新規指定の場合

ア)指定月の前月末日から起算して過去3年間に一般就労した者の総数(分母)

イ)アのうち、指定月の前月末日時点で就労継続している者の総数(分子)

  以下の者は、「就労が継続している者」に含める

  • 定着支援の利用が終了しているが、就労継続している者
  • 定着支援利用中に離職したが、1月以内に再就職した者
    (定着支援利用中1回限り転職OK)

ウ)イ÷ア(イ/ア)で就労定着率を算出

  以下の者は、ア、イの対象から除外する

  • 障害者を雇用する事業所で障害者に対する虐待があり、本人が離職を希望する場合
  • 雇用された事業所が倒産した場合
  • 利用者が死亡した場合

就労定着支援の実績ができた場合

ア)前年度末日から起算して過去3年間に就労定着支援を利用した総数(分母)

イ)アのうち、当該前年度末日において就労が継続している者の総数(分子)

  以下の者は、「就労が継続している者」に含める

  • 定着支援の利用が終了しているが、就労継続している者
  • 定着支援利用中に離職したが、1月以内に再就職した者
    (定着支援利用中1回限り転職OK)

ウ)イ÷ア(イ/ア)で就労定着率を算出

  以下の者は、ア、イの対象から除外する

  • 障害者を雇用する事業所で障害者に対する虐待があり、本人が離職を希望する場合
  • 雇用された事業所が倒産した場合
  • 利用者が死亡した場合

※1 次の者については、就労継続中の者として取り扱います。

  • 就労定着支援の利用が終了しているが、就労継続している者
  • 利用中に離職した後、1月以内に再就職した者(1回限り転職OK)

※2 次の場合は、計算式(分母分子)から除外します。

  • 雇用先の事業所が障害者虐待防止法第26条に基づく措置を講じられている場合で、本人が離職を希望している場合
  • 雇用先の事業所が倒産した場合
  • 利用者が死亡した場合

就労定着支援の基本報酬における就労定着率は、新規に指定を受けた日から1年間は推定値によることとされていますが、指定を受けた日から1年間が経過した場合は、1年間が経過した翌月からは、当該年度が終了するまで、新たに就労定着率を算出して報酬を算定します。

例えば、2020年10月1日から新たに就労定着支援を始めた場合には、2021年10月1日から新たに算出した就労定着率で報酬を算定することになります。

その際の就労定着率の算定方法は以下のようになります。

① 2021年9月末から起算して就労定着支援を利用した総数を算出します。

② ①の就労定着支援を利用した総数のうち、2021年9月末日において就労が継続している者の総数を算出します。

③ ②÷①により就労定着率を算出します。

就労定着支援の単位表

利用者数と就労定着率が確定したらようやく就労定着支援の1月あたりの単価が決まります。

  就労定着率
9割5分
以上
9割以上
9割5分未満
8割以上
9割未満
7割以上
8割未満
5割以上
7割未満
3割以上
5割未満
3割
未満



20人
以下
3,449単位 3,285単位 2,710単位 2,176単位 1,642単位 1,395単位 1,046単位
21人以上
40人以下
2,759単位 2,628単位 2,168単位 1,741単位 1,314単位 1,117単位 837単位
41人
以上
2,587単位 2,463単位 2,032単位 1,632単位 1,232単位 1,047単位 785単位

※1月あたりの単位

※令和3年4月以降の単位

就労定着支援員の員数

就労定着支援員の配置は、前年度の平均利用者数の数に応じて配置します。常勤換算方法で、利用者の数を40で除した数以上の配置が必要です。

ただし、新設の時点から6月未満の場合は、利用者の推定数(一体的に運営する就労移行支援等を受けた後に一般就労し、就労継続期間が6月に達した者の数の過去3年間の総数の70%)を40で除して得た数になります。

就労定着支援の地域区分

就労定着支援においても上記で算定した報酬単位に地域毎の地域区分を乗じることによって報酬単価を算定します。

大阪府の就労定着支援の地域区分

地域区分 就労定着 大阪府
1単位
2級地 10.96円 大阪市
3級地 10.90円 守口市、大東市、門真市
4級地 10.72円 豊中市、池田市、吹田市、高槻市、寝屋川市、箕面市
5級地 10.60円 堺市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、摂津市、
高石市、東大阪市、交野市
6級地 10.36円 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、
河内長野市、和泉市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市、
泉南市、四條畷市、大阪狭山市、阪南市、島本町、
豊能町、能勢町、忠岡町、熊取町、田尻町、岬町、
太子町、河南町、千早赤坂村
その他 10円 その他の地域

京都府の就労定着支援の地域区分

地域区分 就労定着 京都府
1単位
5級地 10.60円 京都市
6級地 10.36円 宇治市、亀岡市、向日市、長岡京市、八幡市、
京田辺市、南丹市、木津川市、精華町
7級地 10.18円 城陽市、大山崎町、久御山町、井手町
その他 10円 その他の市町村

奈良県の就労定着支援の地域区分

地域区分 就労定着 奈良県
1単位
6級地 10.36円 奈良市、大和高田市、大和郡山市、生駒市
7級地 10.18円 天理市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、
葛城市、宇陀市、山添村、平群町、三郷町、
斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、
曽爾村、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、
河合町
その他 10円 五條市、吉野町、その他

就労定着支援は、就労移行支援等を本体事業として比較的少ない人員配置で指定がとれる障がい福祉サービスです。報酬単位そのものは月単位での算定になりますのでそれほど高いものではありませんが、利用者さんの一般就労への定着を支援するサービスとして重要なサービスとなります。就労定着支援の開設を検討されている事業所様は当事務所にご相談ください。ご連絡お待ちしております。

 

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