特定相談支援のサービス(計画相談支援)には、「サービス利用支援」と「継続サービス利用支援」があります。
特定相談支援(計画相談支援)の種類
- サービス利用支援(サービス利用支援費)
- 継続サービス利用支援(継続サービス利用支援費)
サービス利用支援(サービス利用支援費)
障がい福祉サービスの申請・変更申請に係る障がい者もしくは障がい児の保護者または地域相談支援の申請に係る障がい者の心身の状況、その置かれている環境、サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案し、利用する障がい福祉サービスまたは地域相談支援の種類及び内容等を記載した「サービス等利用計画案」を作成します。
支給決定もしくは支給決定の変更決定または地域相談支援給付決定後に、指定障がい福祉サービス事業者、指定一般相談支援事業者等との連絡調整等の便宜を供与するとともに、支給決定または地域相談支援給付決定に係るサービスの種類及び内容、担当者等を記載した「サービス等利用計画」を作成します。
継続サービス利用支援(継続サービス利用支援費)
支給決定または地域相談支援給付決定の有効期間内において、当該者に係るサービス等利用計画が適切であるかどうかにつき、モニタリング期間ごとに、障がい福祉サービスまたは地域相談支援の利用状況を検証し、その結果及び心身の状況、その置かれている環境、サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案し、「サービス等利用計画」の見直しを行い、その結果に基づき、次のいずれかの便宜を供与します。
① 「サービス等利用計画」を変更するとともに、関係者との連絡調整を行う。
② 新たな支給決定もしくは支給決定の変更決定または地域相談支援給付決定が必要と認められる場合において、当該支給決定障害者等または地域相談支援給付決定障害者に対し、当該申請の推奨を行う。
【特定相談支援(計画相談支援)の報酬体系】
特定相談支援事業所が、計画相談支援の対象障がい者等に対して、サービス利用支援または継続サービス利用支援を行った場合に、1月につき所定単位数が算定されます。
特定相談支援事業では、1ヶ月の相談支援専門員1人当たりの取扱件数が40件以上か40件未満かで報酬単価が変わってきます。
取扱件数は、計画相談支援の対象障害者等の数の前6月の平均値を相談支援専門員数の前6月の平均値で除して得た数になります。
具体的な計算方法は、次のとおりです。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
対応件数合計(件) | 45 | 45 | 60 | 45 | 45 | 50 | 60 | 75 |
うち計画相談 | 30 | 30 | 30 | 25 | 30 | 30 | 40 | 50 |
うち障害児相談 | 15 | 15 | 30 | 20 | 15 | 20 | 20 | 25 |
相談支援専門員数(人) | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 |
<7月分の請求>
① | 計画相談支援対象の障がい者等の数(1月~6月の平均値) |
---|---|
(45+45+60+45+45+50)÷6=48.333…A | |
② | 相談支援専門員の員数(1月~6月の平均値) |
(1+1+1+1+1+2)÷6=1.166…B | |
③ | 取扱件数 |
A÷B=41.451…C ≧40 | |
④ | 支援費(Ⅱ)を算定する件数 |
(C-39)×B=2.857 →「2」(小数点以下切捨て) | |
⑤ | 計画相談支援の7月の請求件数の40件のうち、 2件を利用支援費(Ⅱ)を算定します。 |
<8月分の請求>
① | 計画相談支援対象の障がい者等の数(2月~7月の平均値) |
---|---|
(45+60+45+45+50+60)÷6=50.833…A | |
② | 相談支援専門員の員数(2月~7月の平均値) |
(1+1+1+1+2+2)÷6=1333…B | |
③ | 取扱件数 |
A÷B=38.125…C <40 | |
④ | 計画相談支援の8月の請求件数の50件すべてを 利用支援費(Ⅰ)を算定します。 |
サービス利用支援費
サービス利用支援費は、特定相談支援の事業者が、計画相談支援の対象障がい者等に対してサービス利用支援を行った場合に、次に掲げる区分に応じ、1月につき所定単位数を算定します。
報酬区分 | 取扱件数 | 常勤専従の 相談支援専門員数 |
報酬単位 |
---|---|---|---|
機能強化型サービス 利用支援費(Ⅰ) |
40未満 | 4名以上 | 1,864単位 |
機能強化型サービス 利用支援費(Ⅱ) |
40未満 | 3名以上 | 1,764単位 |
機能強化型サービス 利用支援費(Ⅲ) |
40未満 | 2名以上 | 1,672単位 |
機能強化型サービス 利用支援費(Ⅳ) |
40未満 | 1名以上 | 1,622単位 |
サービス利用支援費 (Ⅰ) |
40未満 | ― | 1,522単位 |
サービス利用支援費 (Ⅱ) |
40以上 | ― | 732単位 |
機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ)から機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ)については、取扱件数の40未満の部分に相談支援専門員の平均員数(前6月の平均値)を乗じて得た数について算定します。
ただし、機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ)から機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ)までのいずれかの機能強化型サービス利用支援費を算定している場合においては、機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ)から機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ)までのその他の機能強化型サービス利用支援費は算定できません。
サービス利用支援費(Ⅰ)については、指定特定相談支援事業所における取扱件数の40未満の部分に相談支援専門員の平均員数を乗じて得た数について算定する。
サービス利用支援費(Ⅱ)については、指定特定相談支援事業所における取扱件数が40以上である場合において、当該取扱件数から39を減じた数に相談支援専門員の平均員数を乗じて得た数について算定する。
継続サービス利用支援費
継続サービス利用支援費は、特定相談支援の事業者が計画相談支援の対象障がい者等に対して継続サービス利用支援を行った場合に、次に掲げる区分に応じ、1月につき所定単位数を算定します。
報酬区分 | 取扱件数 | 常勤専従の 相談支援専門員数 |
報酬単位 |
---|---|---|---|
機能強化型継続サービス 利用支援費(Ⅰ) |
40未満 | 4名以上 | 1,613単位 |
機能強化型継続サービス 利用支援費(Ⅱ) |
40未満 | 3名以上 | 1,513単位 |
機能強化型継続サービス 利用支援費(Ⅲ) |
40未満 | 2名以上 | 1,410単位 |
機能強化型継続サービス 利用支援費(Ⅳ) |
40未満 | 1名以上 | 1,360単位 |
継続サービス利用支援費 (Ⅰ) |
40未満 | ― | 1,260単位 |
継続サービス利用支援費 (Ⅱ) |
40以上 | ― | 606単位 |
機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅰ)から機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅳ)までについては、特定相談支援事業所における取扱件数の40未満の部分に相談支援専門員の平均員数を乗じて得た数について算定します。
ただし、機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅰ)から機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅳ)までのいずれかの機能強化型継続サービス利用支援費を算定している場合においては、機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅰ)から機能強化型継続サービス利用支援費(Ⅳ)までのその他の機能強化型継続サービス利用支援費は算定できません。
継続サービス利用支援費(Ⅰ)については、特定相談支援事業所における取扱件数の40未満の部分に相談支援専門員の平均員数を乗じて得た数について算定します。
継続サービス利用支援費(Ⅱ)については、特定相談支援事業所における取扱件数が40以上である場合において、当該取扱件数から39を減じた数に相談支援専門員の平均員数を乗じて得た数について算定します。
事業所が、指定基準に定める一部の基準を満たさない場合には、所定単位数は算定されません。
また、特定相談支援事業者が、障がい児相談支援対象保護者に対して計画相談支援を行った場合には、児童福祉法に基づく障害児相談支援給付費が算定されるため、計画相談支援費は算定されません。
特定相談支援事業者が、同一の月において、同一の計画相談支援の対象障がい者等に対して継続サービス利用支援を行った後に、サービス利用支援を行った場合には、継続サービス利用支援費に係る所定単位数は算定できません。
【特定相談支援(計画相談支援費)の減算】
居宅介護支援費重複減算(Ⅰ)
相談支援専門員が、計画相談支援の対象障がい者等であって、介護保険法規定する要介護状態区分が要介護1又は要介護2のものに対して、介護保険法の居宅介護支援と一体的にサービス利用支援又は継続サービス利用支援を行った場合には、「居宅介護支援費重複減算(Ⅰ)」として、次に掲げる区分に応じ、1月につきそれぞれ次に掲げる単位を所定単位数から減算されます。
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
572 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
623 単位 |
---|---|---|---|
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅱ) |
572 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅱ) |
623 単位 |
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅲ) |
572 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅲ) |
623 単位 |
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅳ) |
572 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅳ) |
623 単位 |
サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
572 単位 |
継続サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
623 単位 |
居宅介護支援費重複減算(Ⅱ)
相談支援専門員が、計画相談支援の対象障がい者等であって、要介護状態区分が要介護3、要介護4又は要介護5のものに対して、居宅介護支援と一体的にサービス利用支援又は継続サービス利用支援を行った場合に、「居宅介護支援費重複減算(Ⅱ)」として、次に掲げる区分に応じ、1月につきそれぞれ次に掲げる単位を所定単位数から減算されます。
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
881 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
932 単位 |
---|---|---|---|
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅱ) |
881 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅱ) |
932 単位 |
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅲ) |
881 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅲ) |
932 単位 |
機能強化型 サービス 利用支援費 (Ⅳ) |
881 単位 |
機能強化型 継続サービス 利用支援費 (Ⅳ) |
932 単位 |
サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
881 単位 |
継続サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
932 単位 |
サービス 利用支援費 (Ⅱ) |
92 単位 |
継続サービス 利用支援費 (Ⅱ) |
278 単位 |
介護予防支援費重複減算
相談支援専門員が、計画相談支援の対象障がい者等であって、かつ、介護保険法に規定する要支援状態区分が要支援1又は要支援2の者に対して、介護保険法の介護予防支援と一体的に継続サービス利用支援を行い、継続サービス利用支援費(継続サービス利用支援費(Ⅱ)を除く。)を算定した場合に、「介護予防支援費重複減算」として、1月につき16単位を所定単位数から減算されます。
機能強化型 継続サービス利用支援費 (Ⅰ) |
16 単位 |
---|---|
機能強化型 継続サービス利用支援費 (Ⅱ) |
16 単位 |
機能強化型 継続サービス利用支援費 (Ⅲ) |
16 単位 |
機能強化型 継続サービス利用支援費 (Ⅳ) |
16 単位 |
継続サービス 利用支援費 (Ⅰ) |
16 単位 |
【特定相談支援(計画相談支援)の地域区分】
計画相談支援費は、特定相談支援事業所の所在する地域による地域区分の単価(1単位あたりの単価)が異なります。
地域区分ごとの1単位の単価
計画相談支援 | 1級地 | 2級地 | 3級地 | 4級地 |
---|---|---|---|---|
11.20円 | 10.96円 | 10.90円 | 10.72円 | |
5級地 | 6級地 | 7級地 | その他 | |
10.60円 | 10.36円 | 10.18円 | 10.00円 |
奈良県で特定相談支援事業を開業する場合
地域区分 | 1単位 | 奈良県 |
---|---|---|
6級地 | 10.36円 | 奈良市、大和高田市、大和郡山市、生駒市 |
7級地 | 10.18円 | 天理市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、 葛城市、宇陀市、山添村、平群町、三郷町、 斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、 曽爾村、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、 河合町 |
その他 | 10.00円 | 五條市、吉野町、その他 |
例えば、奈良市(6級地)で特定相談支援を開業する場合(取扱件数40件未満、機能強化型は考慮しない)
- サービス利用支援費(Ⅰ) 1,522単位/月 × 10.36 = 15,768円/月
- 継続サービス利用支援費(Ⅰ) 1,260単位/月 × 10.36 = 13,054円/月
となり、サービス利用支援費(Ⅰ)では、1人あたり15,768円/月、継続サービス利用支援費(Ⅰ)では、1人あたり13,054円/月の報酬が算定されることになります。
京都府で特定相談支援事業を開業する場合
地域区分 | 1単位 | 京都府 |
---|---|---|
5級地 | 10.60円 | 京都市 |
6級地 | 10.36円 | 宇治市、亀岡市、向日市、長岡京市、 八幡市、京田辺市、木津川市、精華町 |
7級地 | 10.18円 | 城陽市、大山崎町、久御山町 |
その他 | 10.00円 | 南丹市、井手町、その他の市町村 |
例えば、京都市(5級地)で特定相談支援を開業する場合(取扱件数40件未満、機能強化型は考慮しない)
- サービス利用支援費(Ⅰ) 1,522単位/月 × 10.60 = 16,133円/月
- 継続サービス利用支援費(Ⅰ) 1,260単位/月 × 10.60 = 13,356円/月
となり、サービス利用支援費(Ⅰ)では、1人あたり16,133円/月、継続サービス利用支援費(Ⅰ)では、1人あたり13,356円/月の報酬が算定されることになります。
大阪府で特定相談支援事業を開業する場合
地域区分 | 1単位 | 大阪府 |
---|---|---|
2級地 | 10.96円 | 大阪市 |
3級地 | 10.90円 | 守口市、大東市、門真市 |
4級地 | 10.72円 | 豊中市、池田市、吹田市、高槻市、寝屋川市、 箕面市 |
5級地 | 10.60円 | 堺市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、 羽曳野市、摂津市、高石市、東大阪市、交野市 |
6級地 | 10.36円 | 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、 河内長野市、和泉市、柏原市、藤井寺市、泉南市、 四條畷市、大阪狭山市、阪南市、島本町、能勢町、 忠岡町、熊取町、田尻町、岬町、太子町、河南町、 千早赤坂村 |
7級地 | 10.18円 | 能勢町 |
その他 | 10.00円 | その他の地域 |
例えば、大阪市(2級地)で特定相談支援を開業する場合(取扱件数40件未満、機能強化型は考慮しない)
- サービス利用支援費(Ⅰ) 1,522単位/月 × 10.96 = 16,681円/月
- 継続サービス利用支援費(Ⅰ) 1,260単位/月 × 10.96 = 13,810円/月
となり、サービス利用支援費(Ⅰ)では、1人あたり1,522円/月、継続サービス利用支援費(Ⅰ)では1人あたり1,260円/月の報酬が算定されることになります。
当事業所では、大阪、京都、奈良での開業支援や運営支援を行っております。特定相談支援は報酬単価もそれほど高くなく、計画相談支援単体では収益を上げることが難しいのが現実です。そのため、他の障がい福祉サービスと複合的に事業展開していくことが賢明だといえるでしょう。障がい福祉サービスは、以前にも増して非常に舵取りの難しいビジネスとなってきています。お困りの方は、まずはご相談ください。