特定相談支援(計画相談支援)の加算・減算をわかりやすく解説

特定相談支援(計画相談支援)では基本報酬の他に、通常の人員配置以上に手厚い支援体制が整えられていたりする場合に加算が算定されたり、逆に必要な基準を満たしていないと減算となったり、いくつかの加算や減算の制度があります。

指定基準違反

事業者が、指定基準に定める一部の基準を満たさない場合には、所定単位数を算定されません。

※特定相談支援事業者が、障がい児相談支援対象保護者に対して、計画相談支援を行った場合には、児童福祉法に基づく障がい児相談支援給付費が算定されますので、特定相談支援の所定単位数は算定されません。

居宅介護支援費重複減算(Ⅰ)

相談支援専門員が、計画相談支援の対象障がい者等であって、介護保険法規定する要介護状態区分が要介護1又は要介護2のものに対して、介護保険法の居宅介護支援と一体的にサービス利用支援又は継続サービス利用支援を行った場合には、「居宅介護支援費重複減算(Ⅰ)」として、1月につき、サービス利用支援(サービス利用支援費Ⅱを除く)については572単位が、継続サービス利用支援(継続サービス利用支援費Ⅱを除く)については623単位が所定単位数から減算されます。

居宅介護支援費重複減算(Ⅱ)

相談支援専門員が、計画相談支援の対象障がい者等であって、要介護状態区分が要介護3、要介護4又は要介護5のものに対して、居宅介護支援と一体的にサービス利用支援又は継続サービス利用支援を行った場合に、「居宅介護支援費重複減算(Ⅱ)」として、1月につき、サービス利用支援については881単位もしくは92単位が、継続サービス利用支援については932単位もしくは278単位が所定単位数から減算されます。

介護予防支援費重複減算

相談支援専門員が、計画相談支援の対象障がい者等であって、かつ、介護保険法に規定する要支援状態区分が要支援1又は要支援2の者に対して、介護保険法の介護予防支援と一体的に継続サービス利用支援を行い、継続サービス利用支援費(継続サービス利用支援費(Ⅱ)を除く。)を算定した場合に、「介護予防支援費重複減算」として、1月につき継続サービス利用支援費費(継続サービス利用支援費Ⅱを除く)について16単位が所定単位数から減算されます。

特別地域加算 所定単位数の15%

中山間地域等に居住している者に対してサービスの提供が行われた場合に、所定単位数の15%が加算されます。

利用者負担上限額管理加算 150単位

特定相談支援事業者が、利用者負担額合計額の管理を行った場合に、1月につき所定単位数を加算します。

初回加算 300単位

特定相談支援事業者において、新規にサービス等利用計画を作成する計画相談支援の対象障がい者等に対して、サービス利用支援を行った場合に、1月につき所定単位数を加算します。

初回加算を算定する特定相談支援事業者において、計画相談支援の利用に係る契約をした日からサービス等利用計画案を計画相談支援の対象障がい者等に交付した日までの期間が3月を超える場合であって、計画相談支援の利用に係る契約をした日から3月を経過する日以後に、月に2回以上、計画相談支援の対象障がい者等の居宅等を訪問し、計画相談支援の対象障がい者等及びその家族に面接した場合は、所定単位数に300単位に当該面接をした月の数(3を限度とする。)を乗じて得た単位数を加算します。

主任相談支援専門員配置加算 100単位

専ら計画相談支援の提供に当たる常勤の相談支援専門員を1名以上配置し、かつ、そのうち1名以上が「主任相談支援専門員」であるものとして届け出た特定相談支援事業所において、当該主任相談支援専門員が、当該特定相談支援事業所等の従業者に対し、その資質の向上のための研修を実施した場合に、1月につき所定単位数を加算します。

入院時情報連携加算

計画相談支援の対象障がい者等が病院等に入院するに当たり、病院等の職員に対して、計画相談支援対象の障がい者等の心身の状況や生活環境等の計画相談支援の対象障がい者等に係る必要な情報を提供した場合は、計画相談支援の対象障がい者等1人につき1月に1回を限度としてそれぞれ次に掲げる単位数を所定単位数に加算します。

  • 入院時情報連携加算(Ⅰ) 医療機関を訪問しての情報提供 200単位
  • 入院時情報連携加算(Ⅱ) 医療機関への訪問以外の方法での情報提供 100単位

退院・退所加算 200単位

退院・退所時に、医療機関等の多職種からの情報収集や、医療機関等における退院・退所時のカンファレンスへの参加を行ったうえで、障害児支援利用計画を作成した場合に、利用者1人につき、入院・入所中に3回を限度として加算されます。

居宅介護支援事業所等連携加算

特定相談支援事業者が、計画相談支援の対象障がい者等が障害福祉サービス等を利用している期間において、次の⑴から⑹までのいずれかに該当する場合に、1月につきそれぞれ⑴から⑹までに掲げる単位数のうち該当した場合のもの(⑴から⑹までに掲げる場合のそれぞれについて2回を限度とする。)を合算した単位数を加算します。

また、計画相談支援の対象障がい者等が障害福祉サービス等の利用を終了した日から起算して6月以内において、次の⑴から⑹までのいずれかに該当する場合に、1月につきそれぞれ⑴から⑹までに掲げる単位数のうち該当した場合のものを合算した単位数を加算します。

⑴ 計画相談支援の対象障がい者等が居宅介護支援又は介護予防支援(居宅介護支援等)の利用を開始するに当たり、居宅介護支援等の事業所に対して、計画相談支援の対象障者がい者等の心身の状況等の計画相談支援の対象障がい者等に係る必要な情報を提供し、居宅介護支援事業所等における居宅サービス計画又は介護予防サービス計画の作成等に協力する場合 100単位

⑵ 計画相談支援の対象障がい者等が居宅介護支援等の利用を開始するに当たり、月に2回以上、計画相談支援の対象障がい者等の居宅等を訪問し、当該計画相談支援対象障害者等及びその家族に面接する場合(基本報酬又は初回加算を算定する月を除く。) 300単位

⑶ 計画相談支援の対象障がい者等の居宅介護支内容の検討に係る居宅介護支援事業所等が開催する会議に参加する場合(基本報酬又は初回加算を算定する月を除く。) 300単位

⑷ 計画相談支援の対象障がい者等が通常の事業所に新たに雇用され、障害者就業・生活支援センター等による支援を受けるに当たり、障害者就業・生活支援センター等に対して、計画相談支援の対象障がい者等の心身の状況等の計画相談支援の対象障がい者等に係る必要な情報を提供し、当害者就業・生活支援センター等における計画相談支援の対象障がい者等の支援内容の検討に協力する場合 100単位

⑸ 計画相談支援の対象障がい者等が通常の事業所に新たに雇用されるに当たり、月に2回以上、計画相談支援対象障害者等の居宅等を訪問し、計画相談支援の対象障がい者等及びその家族に面接する場合(基本報酬又は初回加算を算定する月を除く。) 300単位

⑹ 計画相談支援の対象障がい者等が通常の事業所に新たに雇用され、障害者就業・生活支援センター等による支援を受けるに当たり、計画相談支援の対象障がい者等の心身の状況の確認及び支援内容の検討に係る障害者就業・生活支援センター等が開催する会議に参加する場合(基本報酬又は初回加算を算定する月を除く。) 300単位

医療・保育・教育機関等連携加算 100単位

障害福祉サービス以外の医療機関、保育機関、教育機関等の職員と面談を行い、必要な情報提供を受け協議等を行ったうえで、サービス等利用計画を作成した場合に、利用者1人につき、1月に1回を限度として加算されます(初回加算を算定する場合及び退院・退所加算を算定する場合であって、退院、退所等をする施設の職員のみから情報の提供を受けている場合を除く。)

集中支援加算

特定相談支援事業者が、次の⑴から⑶までのいずれかに該当する場合に、計画相談支援の対象障がい者等1人につき1月に1回を限度としてそれぞれ300単位を加算します。

⑴ 障害福祉サービス等の利用に関して、計画相談支援の対象障害がい者等又は市町村等の求めに応じ、月に2回以上、計画相談支援の対象障がい者等の居宅等を訪問し、計画相談支援の対象障がい者等及びその家族に面接する場合(基本報酬を算定する月を除く。)

⑵ サービス担当者会議を開催し、相談支援専門員が把握したサービス等利用計画の実施状況(継続的な評価を含む。)について説明を行うとともに、専門的な見地からの意見を求め、サービス等利用計画の変更その他必要な便宜の提供について検討を行う場合(基本報酬を算定する月を除く。)

⑶ 関係機関の求めに応じ、当該関係機関が開催する会議に参加し、障害福祉サービス等の利用について、関係機関相互の連絡調整を行った場合(基本報酬算定月は算定不可。会議参加については入院時情報連携加算Ⅰ及び退院・退所加算と選択することとし、併給不可。)

サービス担当者会議実施加算 100単位

利用者の居宅等を訪問し、面接するとともに、福祉サービス等の担当者を招集して、利用者等の心身の状況等やサービスの提供状況の確認、計画の変更その他必要な便宜の提供について検討を行った場合に、利用者1人につき、1月に1回を限度に加算されます。

サービス提供時モニタリング加算 100単位

特定相談支援事業所が、利用者が利用する障害福祉サービス等の提供現場を訪問することにより、障害福祉サービス等の提供状況等を確認し、及び記録した場合に、利用者1人につき1月に1回を限度として所定単位数を加算します。ただし、相談支援専門員1人当たりの利用者の数が39を超える場合には、39を超える数については、算定されません。

行動障害支援体制加算 35単位

各都道府県が実施する強度行動障害支援者養成研修(実践研修)または行動援護従業者養成研修を修了した専門的な知識及び支援技術を持つ常勤の相談支援員を1名以上配置した上で、その旨を公表している場合に加算されます。

要医療児者支援体制加算 35単位

医療的ケア児等コーディネーター養成研修等を修了し、専門的な知識及び支援技術を持つ常勤の相談支援専門員を1名以上配置したうえで、その旨を公表している場合に加算されます。

精神障害者支援体制加算 35単位

地域生活支援事業による精神障害者支援の障害特性と支援技法を学ぶ研修等を修了し、専門的な知識及び支援技術を持つ常勤の相談支援専門員を1名以上配置したうえで、その旨を公表している場合に加算されます。

ピアサポート体制加算 100単位

地域生活支援事業の「障害者ピアサポート研修(基礎研修及び専門研修)を修了した次の者をそれぞれ常勤換算で0.5以上配置している場合に加算されます。

①障がい者又は障がい者であったと都道府県又は市町村が認める者

②管理者又は①の者を協働して支援を行う者

地域生活支援拠点等相談強化加算 700単位

地域生活支援拠点等である特定相談支援事業所の相談支援専門員が、コーディネーターの役割を担うものとして相談を受け、連携する短期入所事業所への緊急時の受入れの対応を行った場合に、短期入所事業所への受入れ実績(回数)に応じて、月4回を限度として加算されます。

地域体制強化共同支援加算 2,000単位

地域生活支援拠点等である特定相談支援事業所の相談支援専門員が、支援困難事例等についての課題検討を通じ、情報共有等を行い、他の福祉サービス等の事業者と共同で対応し、協議会に報告した場合に、利用者1人につき、1月につき1回を限度として所定単位数が加算されます。


当事務所では、大阪・京都・奈良での事業所様に向けて、特定相談支援事業における加算の取得や減算に対応したコンサルティングサービスを提供しております。相談支援事業の開業支援や運営支援は当事務所へご連絡ください。

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