重心型の放課後等デイサービス(主として重症心身障がい児が通所する放課後等デイサービス)を開業する場合も、重心型の放課後等デイサービスの人員配置基準や設備基準を守らなければなりません。
重心型の放課後等デイサービスの人員配置基準や設備基準は、一般型の放課後等デイサービスとは異なりますので、開業準備の段階から正しく基準を理解し、指定申請するようにしましょう。
重心型の放課後等デイサービスの人員配置基準
放課後等デイサービスのなかでも主として重症心身障がい児が通所する放課後等デイサービス(重心型放課後等デイサービス)では、通常の放課後等デイサービスの人員配置基準とは異なります。
重心型の放課後等デイサービスの人員配置基準
職種 | 配置人数 | 常勤要件 |
---|---|---|
管理者 | 1人以上 | なし。 但し、一元的に管理するという立場から 常勤であることを求められる自治体もあ ります。 |
児童発達支援 管理責任者 |
1人以上 | |
嘱託医 | 1人以上 | なし |
児童指導員 or 保育士 | 1人以上 | なし(営業時間帯を通じて1人以上配置) |
看護師 | 1人以上 | なし(営業時間帯を通じて1人以上配置) |
機能訓練担当職員 | 1人以上 | なし(機能訓練を行う時間帯のみ配置) |
管理者
1人以上
原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの
※業務に支障がない場合は児童発達支援管理責任者と兼務可能
児童発達支援管理責任者
1人以上
児童発達支援管理責任者の業務内容
①通所支援計画の作成に関すること。
- 障がい児について適切な方法によりアセスメントを行い、障がい児の発達を支援する上での適切な支援内容の検討を加え、通所支援計画の原案を作成。
- 通所支援計画の作成に係る会議を開催し、通所支援計画の原案に対する意見を聴取。
- 作成した通所支援計画を保護者に説明、交付。
- 通所支援計画の実施状況を把握し(モニタリング)、6月に1回以上見直しを実施。
②障がい児の心身の状況、その置かれている環境等を的確に把握し、障がい児又は保護者に対し、必要な助言その他の援助を行うこと。
③他の従業者に対する技術指導及び助言を行うこと。
嘱託医
1人以上
児童指導員・保育士・看護職員
- 児童指導員or保育士 1人以上
- 看護職員 1人以上
営業時間を通じて、それぞれ1人以上の配置が必要。
それぞれ1人以上の配置が必要なため、常勤・非常勤は問わず、複数名で営業時間を通じて配置されている場合も可能。
機能訓練担当職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理指導担当職員)
1人以上
機能訓練を行う時間帯のみの配置で可能(必要に応じて配置)
重心型の放課後等デイサービスの設備基準
重心型の放課後等デイサービスの設備基準は、医療的ケアが必要な児童が利用しますので、一般型の放課後等デイサービスの設備基準よりも少し厳しい要件となっています。
重心型の放課後等デイサービスの設備基準
設備 | 要件 |
---|---|
指導訓練室 | 児童一人あたりの面積が2.47㎡であること。 (大阪府は指導訓練室として30㎡以上必要) |
相談室 | プライバシーに配慮されたものであること。 |
静養室 | 自治体により静養室を求められます。 |
洗面所・トイレ | 洗面所はトイレの外部にあること。 |
事務室 | 鍵付き書庫(プライバシーに配慮) |
その他 | 医療的ケアに必要となる機器など |
指導訓練室
- 大阪府管轄の場合、重心型の場合は大阪府独自ルールとして定員10人未満であっても30㎡以上を確保すること。
- 訓練に必要な機械器具等を備えること
その他
事務室、相談室、静養室、トイレ、手洗い設備
- 必要な設備及び備品等を備えていること
- 医療的ケアを施すための医療機器
重心型の放課後等デイサービスの基本報酬
主として重症心身障がい児が通所する重心型の放課後等デイサービスの報酬単価は、一般型の放課後等デイサービスの報酬単価よりも高く設定されています。
重心型の放課後等デイサービスの報酬単価
利用定員 | 授業の終了後に行う場合 | 学校休業日に行う場合 |
---|---|---|
5人 | 1,756単位 | 2,038単位 |
6人 | 1,467単位 | 1,706単位 |
7人 | 1,263単位 | 1,466単位 |
8人 | 1,108単位 | 1,288単位 |
9人 | 989単位 | 1,150単位 |
10人 | 893単位 | 1,039単位 |
11人以上 | 686単位 | 810単位 |
重心型の放課後等デイサービスの事業所は、一般型の放課後等デイサービスの事業所の数よりも少ないのが現状です。
重心型の放課後等デイサービスでは、医療的ケアが必要となる児童を対象としていますので、医療的なケアの技術も必要になりますし、そのため看護師さんの配置も必須になります。
報酬単価は一般型の放課後等デイサービスよりも高くはなりますが、重症心身障がい児へのケアがメインの業務となりますので、それだけ大変な仕事になります。報酬単価だけで重心型の放課後等デイサービスの開業を考えるのではなく、児童への直接の支援が本当にできるのかを考えて開業を検討するようにしましょう。