人員欠如減算とは?
指定基準の規定により、配置すべき人員基準を満たしていない場合に、一定の割合で減算されます。
サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者の欠如の場合は、減算期間や減算割合が異なりますので注意してください。サービス管理者、児童発達支援管理責任者の欠如の場合はこちら。
人員欠如減算(サービス提供職員欠如減算)の対象職員・減算期間・減算割合
対象職員 | 減算期間 | 減算割合 |
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職業指導員 生活支援員 就労支援員 世話人 児童指導員 保育士 など |
・1割を超えて欠如 ・1割の範囲内で欠如 |
減算適用1日目から2月目 減算適用3月目以降 |
対象サービス
療養介護、生活介護、短期入所、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助(グループホーム)、児童発達支援(児童発達支援センターで行う場合を除く)、放課後等デイサービス
対象職員
生活支援員、看護職員、理学療法士、作業療法士、地域移行支援員、職業指導員、就労支援員、就労定着支援員、世話人、児童指導員、保育士、障がい福祉サービス経験者
必要員数から1割を超えて欠如した場合 | 1割を超えて欠如した月の翌月1日から 人員欠如が解消されるに至った月の末日まで |
|
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必要員数から1割の範囲内で欠如した場合 | 1割の範囲内で欠如した月の翌々月1日から 人員欠如が解消されるに至った月の末日まで |
例1)就労継続支援B型
- 生活支援員が3月31日に退職
- 4月1日から欠員(1割を超える)
- 生活支援員を6月1日に配置
→減算開始 5月1日から(欠如した月の翌月1日から)
減算終了 6月30日まで(配置日の属する月の末日まで)
例2)就労移行支援
- 就労支援員が3月31日に退職
- 4月1日から欠員(1割を超える)
- 就労支援員を4月30日までに配置
→減算適用なし(減算適用開始までに人員欠如が解消されたので)
減算割合
減算適用1月目から2月目 | 所定単位数の70%を算定(30%減算) | |
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減算適用3月目以降 | 所定単位数の50%を算定(50%減算) |
例3)就労継続支援B型
- 常勤の勤務時間が週40時間
- 職業指導員と生活支援員とで常勤換算2.4人以上の配置が必要
- 1週あたり10時間勤務の非常勤職員が退職
40時間×2.4人×4週間=384時間
→4週間の延べ勤務時間が384時間以上必要
384時間×1割(10%)=38.4時間
→38.4時間を超えると1割を超えて欠如したことになる。
1週10時間×4週間=40時間>38.4時間
→ 1割を超えるので、退職日翌日の翌月1日から減算開始
例4)放課後等デイサービス(大阪府基準・営業日週6日)
- 常勤の勤務時間が週40時間
- 授業終了後の営業時間5時間
- 学校休業日の営業時間7時間
- 常勤者2人が各々週40時間勤務(学校休業日含む・営業時間内配置)
- 非常勤者1人が週10時間勤務(授業終了後2日分・営業時間内配置)
※非常勤職員は常勤者2人のうちどちらかが勤務できない日に配置
常勤者…40時間×4週間×2人=320時間
非常勤者…(5時間×2日)×4週間×1人=40時間
常勤者 320時間×1割(10%)=32時間
非常勤者 40時間×1割(10%)= 4時間
→常勤者が月32時間を超えて欠如すると1割を超えるので、翌月1日から減算開始
非常勤者が月4時間を超えて欠如すると1割を超えるので、翌月1日から減算開始
例5)放課後等デイサービス(大阪府基準・営業日週5日)
- 常勤の勤務時間が週40時間
- 授業終了後の営業時間5時間
- 学校休業日の営業時間7時間
- 常勤1人が週40時間勤務(営業時間内配置・学校長期休業日を除く)
- 非常勤1人が週25時間勤務(営業時間内配置・学校長期休業日を除く)
常勤1人・非常勤1人配置の場合(学校長期休業日を除く)
常勤者…40時間×4週間×1人=160時間
非常勤者…(5時間×5日)×4週間×1人=100時間
常勤 160時間×1割(10%)=16時間
非常勤者 100時間×1割(10%)=10時間
→常勤者が月16時間を超えて欠如すると1割を超えるので、翌月1日から減算開始
非常勤の者が月10時間を超えて欠如すると1割を超えるので、翌月1日から減算開始
放課後等デイサービスにおいては、大阪府基準(営業時間内配置)と大阪市基準(サービス提供時間内配置)とで人員配置の考え方が異なりますので、人員欠如が1割を超えるか否かの基準も若干異なることになります。人員欠如に該当する可能性がある場合には必ず指定権者に確認するようにしましょう。当事務所では解釈違いや計算間違いによる責任は一切負いかねますのでご了承ください。
サービス提供職員欠如減算の減算適用表
サービス提供職員(生活支援員等)が欠如した場合の減算適用状況を以下の事例をもとに表にしてみました。
例6)就労継続支援(基本報酬単位を100と仮定)
- 職員の退職日 3月31日
- 欠如となった日 4月1日
- 後任の配置日 9月1日
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
減算前 単位 |
100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
職員欠如 (1割超) |
減算 なし |
-30% | -30% | -50% | -50% | -50% | 減算 なし |
減算後 単位 |
100 | 70 | 70 | 50 | 50 | 50 | 100 |
職員欠如 (1割以下) |
減算 なし |
減算 なし |
-30% | -30% | -50% | -50% | 減算 なし |
減算後 単位 |
100 | 100 | 70 | 70 | 50 | 50 | 100 |
従業員の員数以外の欠如
常勤または専従など、従業員の員数以外の要件を満たしていない場合には、その翌々月1日から人員欠如が解消されるに至った月の末日まで、利用者全員について減算されます(ただし、翌月末日において人員基準を満たすに至っている場合を除く)。
多機能型事業所
多機能型事業所等であって、複数の障がい福祉サービス又は昼間実施サービスの利用者の数の合計数に基づき、配置すべきサービス管理責任者の員数等を満たしていない場合には、当該複数の障がい福祉サービス又は昼間実施サービスの利用者全員について減算されます。
共生型事業所(介護保険ベースで障がい福祉サービスを行う場合)
共生型障がい福祉サービスについては、人員欠如による減算は行われません。
人員欠如については、実地指導においても必ず確認される事項です。減算割合も大きく事業所を経営するうえでかなりのインパクトがある減算ですので、日頃から人員基準を理解し、欠如にならないような管理が必要になります。そのため、勤務形態一覧表(予定と実績の両方とも)は必ず作成するようにしましょう。