放課後等デイサービスの指定申請では多くの書類を収集したり作成したりして申請することになります。放課後等デイサービスの指定申請書類は自治体によって若干の違いはありますが、多くの点で共通していますので、大阪府に放課後等デイサービスの指定申請書類を提出する場合を想定して必要書類とそのポイントを見てみましょう。
※実際に指定申請する際は、開業する地域の指定権者に必ず確認するようにしましょう。
指定申請書
指定申請書は放課後等デイサービスの指定申請の鏡となる書類です。
- 法人代表者印は「印鑑証明書」の印と一致していること。また他の申請関係書類と同じ印鑑か確認すること。法人代表者印については押印不要の自治体もあります。
- 所在地表記は、履歴事項全部証明書と一致(住居表示の「○丁目」は漢数字にする)するように記載する。
- 事業所名称・所在地等は、付表や運営規程等の申請書類と一致していること。
- マンション等の場合、階数及び部屋番号も記載(一戸建てを除く)する。
- 多機能の場合は「多機能型」に◎と事業開始予定年月日の記載する。
別紙 ~同一所在地において既に指定を受けている事業所等について
- 既に放課後等デイサービスの指定を受けていて、新たに児童発達支援を追加する場合は不要。
障害児通所支援事業等開始届出書
- サービス毎に1枚提出が必要。
指定に係る記載事項(付表)
「指定に係る記載事項」は非常に重要な書類です。「付表」(ふひょう)と呼ぶ場合もあります。事業所の情報が集約された書類で、自治体もこの付表の情報をもとに事業所の情報を管理します。
- 事業所の名称・所在地等が申請書、運営規程、その他の添付書類と一致していること。
- 管理者、児童発達支援管理責任者の氏名、住所が経歴書と一致していること。
- 従業者の常勤・非常勤毎の人数が、勤務形態一覧表・運営規程と一致していること。
- 営業日、営業時間等の内容が運営規程と一致していること。
- 「通常の事業の実施地域」及び「送迎サービスの実施地域」が運営規程、事業計画書と一致していること。
- 送迎及び食事サービスを「有」としている場合、運営規程にも記載していること。
- 苦情解決の担当者は「直接処遇職員」以外であること。
指定申請に係る添付書類一覧表
- チェック欄にレ印を記載。
印鑑証明書
- 発行日3ヶ月以内の原本を添付する。
履歴(登記)事項全部証明書
- 発行日3ヶ月以内の原本を添付する。
従業者等の勤務体制及び勤務形態一覧表
「従業者等の勤務体制及び勤務形態一覧表」で放課後等デイサービスの職員配置が人員基準に沿った適正なものかどうかを判断します。この「従業員等の勤務体制及び勤務形態一覧表」は指定申請時だけでなく、指定後の運営面でも毎月の「予定」と「実績」を作成し、保管するようにします。放課後等デイサービスの毎月の職員配置が人員基準を守れているかどうかを確認、証明するためです。
- 管理者、児童発達支援管理責任者、従業者などが、付表・組織体制図・運営規程等と一致していること。
- 職種は、管理者、児童発達支援管理責任者、保育士、児童指導員、運転手など区分して記載していること。
- 「直接処遇を行う時間」と「運転手の時間」を分けて記載(1段以上あけて運転手を記載)する。
- 営業時間を通じて(大阪府基準)、基準上必要な従業者を配置していること。
- 常勤は週32時間以上40時間以内で所定労働時間を設定する。兼務の場合はそれぞれの時間を足して40時間以内であること。
組織体制図
- 当該事業所の従業者氏名を記載した組織体制図を添付(兼務関係が明確にわかるか)する。
- 同一敷地内で施設系サービスを実施している場合は、施設系サービスを含めた組織体制図を添付する。
- 職種別に記載(児童指導員、保育士、その他の従業者、運転手等の別)する。
- 1人で複数の職種を兼務する場合は、それぞれの職種欄に氏名を記載した上で、兼務関係を表示する。
- 氏名の表記や記載内容が、勤務体制一覧表や資格証等と一致していること。
管理者の経歴書(写真付き)
- 「主な職歴等」最終行は指定日以降の職歴を記載(管理者、児童発達支援管理責任者の歴)する。
児童発達支援管理責任者の経歴書(写真付き)
- 「主な職歴等」最終行は指定日以降の職歴を記載(管理者、児童発達支援管理責任者の歴)する。
- 「主な職歴等」は実務経験証明書の内容(期間、法人名、勤務先名、職務内容)が一致していること。
児童発達支援管理責任者の資格を証明するもの(資格証及び各研修受講修了証)
- 経歴書の「資格の種類」に記載した内容について、資格を証明する書類を添付する。
- 研修等の受講状況が分かる研修受講修了証の写しを添付する。
児童発達支援管理責任者の実務経験証明書
- 実務経験年数を満たしているか(5年=900日以上(1年180日換算))。
- 従事日数は、実際に従事した(支援を行った)日数であるか。
従業者の資格を証明するもの
- 有資格者として配置する従業者について、資格証等を添付する。
- 保育士・・・保育士証があるか。保母資格証は不可。保育士登録見込みも不可。
- 児童指導員・・・臨床心理士の資格(カード等)だけでは児童指導員とみなすことはできません。大学又は大学院において、心理学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業したことがわかる証明書が必要です。
事業所(施設)の平面図
- 指導訓練室の広さが30㎡以上確保する(大阪府基準)
- 必要な設備(指導訓練室、相談室、事務室、トイレ等)の用途及び面積(㎡)を全て記載する。
- 写真撮影位置図と兼用する場合、撮影位置を矢印で表記し、番号を記載する。
- 室の名称は、居室面積等一覧表及び設備・備品等一覧表と同じ名称とする。
- 利用児が静養するスペースを確保(※相談室や指導訓練室等の一角でも代替可)する。
事業所(施設)内外の写真
- 平面図に記載した番号の写真(出入口、指導訓練室、事務室、トイレ、鍵付書庫等)を添付する。
- 事業所の写真をA4用紙に貼付又は印刷(複数枚でも可)する。
- 内装完了後の写真を添付(現地確認時にサービス提供が可能であるか確認します。)する。
居室面積・設備備品等一覧表
- 各部屋の用途(指導訓練室、相談室、事務室、静養室、トイレ等)及び面積を全て記載する。
- 室について、設置階ごとに記載(鍵付きの書庫)する。
- 当該事業で使用する備品の一覧表を添付する。
運営規程
- 事業所名称、所在地は、申請書や付表と表記が一致していること。
- 職員の職種、員数は付表、組織体制図、勤務形態一覧表と一致していること。
- 営業日、営業時間、サービス提供時間等が実態に即し、付表の記載と一致していること。
- 利用者の対象を特定している場合は、その旨を明記(例:重症心身障がい児)する。
- 利用者から受領する費用を明記する。
- 実施地域の内容が付表の内容と一致していること。
- 附則による施行日は、指定予定年月日を記載していること。
利用者又はその家族からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
- 苦情窓口(連絡先)及び担当者氏名を明記する。
- 付表の苦情受付担当と電話番号等が一致(苦情等を受け付ける窓口は事業所が望ましい)していること。
協力医療機関との契約の内容
- 協力病院と緊急時等の体制についての契約を締結していること。
児童福祉法第21条の5の15第3項各号の規定に該当しない旨の誓約書
- 法人所在地及び名称、代表者の職名・氏名を記載する。
付近詳細地図(事業所の場所及び協力医療機関を図示)
- 最寄の公共交通機関(鉄道駅、バス停等)から、事業所までの距離・所要時間を明記する。
- 事業所から協力医療機関までの距離・所要時間を明記する。
事業計画書
- 事業実施の予定時期は、指定予定年月日を記入する。
- 従業者の予定人員は、付表、組織体制図、勤務形態一覧表、運営規程の記載と一致していること。
- 実施地域内外の利用者比率の合計は100%であること。
収支予算書
- 積算根拠を明確に表示する。
- 事業開始予定日から法人の会計年度終了月まで作成(半年未満は、翌年1年分も作成)する。
- 賃貸料については、賃貸借契約書の金額と一致(家賃、共益費、管理費、消費税を含む)していること。
- 障がい福祉サービス等との多機能の場合、賃貸料を面積割合等で按分したものを記載する。
損害賠償発生時の対応方法を明示する書類
- 損害保険申込書+保険料払込み証明、保険証書等、保険の加入を証する書類を添付する。
- 補償の対象が、指定を受ける障がい児通所支援事業であることを示す書類を添付する。
土地・建物の賃貸借契約書(写し)又は登記簿謄本の原本
- 賃貸借契約の場合は、契約書の写しを添付する。
- 登記簿謄本の場合は6か月以内の原本を提出する。
- 賃貸借契約書の使用目的は「障がい児通所支援事業」とする。
建築基準法に基づく確認通知書、検査済証等
- 確認済証、検査済証、建築計画概要書、台帳証明書等の提出で建築確認・検査番号を確認する。
- 上記の適合状況を確認できる資料が無い場合、申立書を添付する。
防火対象物使用開始届(第一面・第二面)
- 防火対象物開始届の消防署の届出済印を押印した写しを添付する。
- 使用目的は「障がい児通所支援事業」等とする。
障がい児通所給付費の算定に係る届出書兼体制等状況一覧表
- 地域区分、施設等区分、主たる障がい種別、適用開始年月日、状況の「あり、なし」について記入する。
加算の届出に必要な書類
- 体制等状況一覧表に記載の加算別に届出書の提出が必要です。
処遇改善加算
- 加算届出書、誓約書、計画書一式(総括表・個表)を添付する。
主たる対象者を特定する理由
- 受入対象となる障がい種別を限定する場合、その理由を記載する。
社会保険及び労働保険への加入状況にかかる確認票
- 「事業所整理記号」及び「労働保険番号」の確認できる書類を添付する。
法人代表者の兼務誓約書
- 法人代表者が管理者・児童発達支援管理責任者・従業者等を兼務する場合に必要です。
行政書士の委任状
- 行政書士でない者が、他人の依頼を受け、報酬を得て官公署に提出する書類を業務として作成することは、行政書士法違反となります。
情報公表システムにおける基本情報登録依頼書
- メールアドレスを記載しているか。同一法人で既に登録がないか確認する。
変更届
- 様式第3号(サービスの追加に伴い運営時間や職員の員数等が変更になる場合)
共生型の特例による指定を不要とする旨の申出書
- 共生型の対象施設で特例を不要とする場合のみ必要です。
医療法第7条の許可を受けた病院であることを証する書類
- 医療型児童発達支援センター(医療型入所支援)のみ必要です。
児童福祉施設設置届
- 児童発達支援センターのみ必要です。
社会福祉法に基づく社会福祉施設設置(変更)届
- 児童発達支援は、児童発達支援センターのみ必要です。
放課後等デイサービスの指定申請では、上記のような多くの書類を準備していなければなりません。指定申請時の書類は、事業所の権利義務関係を決定付ける重要な書類となります。指定後の運営も見据えた申請をするように心がけましょう。