放課後等デイサービスの基本報酬については、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定において大きく見直され、さらに令和6年度障害福祉サービス等報酬改定においても大きく見直されました。
放課後等デイサービスの基本報酬
放課後等デイサービスの基本報酬については、発達支援に対するきめ細かい評価をする観点から、極めて短時間の支援(30分未満)は算定対象から原則除外するとともに、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価が可能となるよう、令和6年度報酬改定により「支援時間による区分」が設けられました(重心型は対象外)。
支援時間による区分は、
- 30分以上1時間30分以下
- 1時間30分超3時間以下
- 3時間超5時間以下
の3区分です。
そして、報酬単位は「利用定員」「医療的ケア区分」「時間区分」に応じて設定されています。
<放課後等デイサービスの基本報酬の抜粋/定員10人・医療的ケア区分ではない>
時間区分 | 支援の提供時間 | 単位 |
---|---|---|
時間区分1 | 30分以上 1時間30分以下 | 574単位/日 |
時間区分2 | 1時間30分超 3時間以下 | 609単位/日 |
時間区分3 | 3時間超 5時間以下 | 666単位/日 |
放課後等デイサービスについては、令和6年度の報酬改定により改正前の「授業終了後(平日)」「学校休業日」の区分を統合し、いずれの場合であっても支援時間に応じた新たな時間区分により算定することとしつつ、時間区分3は「学校休業日」のみ算定可能となりました。
「支援の提供時間」は、現に支援に要した時間ではなく、個別支援計画に位置付けられた内容の支援を行うのに要する標準的な時間(個別支援計画において定めた時間)とされます。
ただし、現実の提供時間が個別支援計画において定めた時間より短い場合について、事業所都合により支援が短縮された場合は、現に支援に要した支援時間により算定します。一方、障害児や保護者の事情により支援が短縮された場合には、個別支援計画において定めた時間により算定しますが、個別支援計画に定めた支援の内容や提供時間が実際の支援の提供と合致しない場合には、速やかに個別支援計画の見直し・変更を行うことが必要です。
支援の提供時間は、30分以上5時間以下の間で定めることを基本とします。30分未満の支援については、周囲の環境に慣れるために支援の時間を短時間にする必要がある等の理由で市町村が認めた場合に限り、算定可能です。また、5時間以上の支援については、預かりニーズに対応した延長支援として、「延長支援加算」により評価されます。
医療的ケア区分(放課後等デイサービス)
放課後等デイサービスにおける「医療的ケア区分」というのは、医療的ケアが必要な「医療的ケア児」の医療的ケアスコアに応じた区分のことをいいます。医療的ケア児の医療的ケアスコアは以下のように分類されます。
- 医療的ケア区分3:医療的ケアスコアが32点以上の場合
- 医療的ケア区分2:医療的ケアスコアが16点以上の場合
- 医療的ケア区分1:医療的ケアスコアが3点以上の場合
- 医療的ケア児以外の場合
基準 | 基本 スコア |
見守りスコア | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
高 | 中 | 低 | ||||
1 | 人口呼吸器 (NPPV、ネイザルハイフロー、 パーカッションベンチレーター、 排痰補助装置、高頻度胸壁 振動装置を含む) |
※1 | 10 | 2 | 1 | 0 |
2 | 気管切開 | ※2 | 8 | 2 | 0 | |
3 | 鼻咽頭エアウェイ | 5 | 1 | 0 | ||
4 | 酸素療法 | 8 | 1 | 0 | ||
5 | 吸引 | 口鼻腔・気管内吸引 | 8 | 1 | 0 | |
6 | 利用時間中のネブライザー使用・ 薬液吸入 |
3 | 0 | |||
7 | 経管栄養 | 経鼻胃管、胃瘻 | 8 | 2 | 0 | |
経鼻腸管、経胃瘻腸管、腸瘻、 食堂瘻 |
8 | 2 | 0 | |||
持続経管注入ポンプ使用 | 3 | 1 | 0 | |||
8 | 中心静脈カテーテル | 中心静脈栄養、肺高血圧症 治療薬、麻薬など |
8 | 2 | 0 | |
9 | その他の注射管理 | 皮下注射 (インスリン、麻薬など) |
5 | 1 | 0 | |
持続皮下注射ポンプ使用 | 3 | 1 | 0 | |||
10 | 血糖測定 ※3 |
利用時間中の観血的 血糖測定器 |
3 | 0 | ||
埋め込み式血糖測定器による 血糖測定 |
3 | 1 | 0 | |||
11 | 継続する透析 (血液透析、腹膜透析を含む) |
8 | 2 | 0 | ||
12 | 排尿管理 ※3 |
利用期間中の間欠的導尿 | 5 | 0 | ||
持続的導尿 (尿道留置カテーテル、 膀胱瘻、腎瘻、尿道ストーマ) |
3 | 1 | 0 | |||
13 | 排便管理 ※3 |
消化管ストーマ | 5 | 1 | 0 | |
利用時間中の摘便、浣腸 | 5 | 0 | ||||
利用時間中の浣腸 | 3 | 0 | ||||
14 | 痙攣時の管理 | 座薬挿入、吸引、酸素投与、 迷走神経刺激装置の作動など |
3 | 2 | 0 |
※ 見守りスコアは医師が判定します。
※1 人口呼吸器の見守りスコアについては、人口呼吸器回路が外れた場合、自発呼吸がないために直ちに対応する必要がある場合は「高」2点、ただちにではないが概ね15分以内に対応する必要がある場合は「中」1点、それ以外の場合は「低」0点と分類します。
※2 人工呼吸器と気管切開の両方を持つ場合は、気管切開の見守りスコアは加点しません。
※3 ⑩血糖測定、⑫排尿管理、⑬排便管理については、複数項目のいずれか一つを選択する。
※4 インスリン持続皮下注射ポンプと埋め込み式血糖測定器とか連動している場合は、血糖測定の項目は加点しません。
令和3年4月以降は、基本報酬算定における「指標該当児」の割合による区分は廃止されました。
放課後等デイサービスの基本報酬の算定構造
放課後等デイサービスの基本報酬部分の算定構造は、令和6年4月以降、以下のようになります。
一般型事業所(重症心身障がい児以外が通所する事業所)
医療的ケア区分 サービス提供時間 |
医療的ケア区分 未該当 |
医療的ケア区分 3 |
医療的ケア区分 2 |
医療的ケア区分 1 |
---|---|---|---|---|
時間区分1 30分以上1時間30分以下 |
574 単位/日 |
2,591 単位/日 |
1,583 単位/日 |
1,247 単位/日 |
時間区分2 1時間30分超3時間以下 |
609 単位/日 |
2,627 単位/日 |
1,618 単位/日 |
1,282 単位/日 |
時間区分3 3時間超5時間以下 |
666 単位/日 |
2,683 単位/日 |
1,674 単位/日 |
1,339 単位/日 |
重心型事業所(主に重症心身障がい児が通所する事業所)
利用定員 | 授業終了後 | 学校休業日 |
---|---|---|
5人以上7人以下 | 1,771単位/日 | 2,056単位/日 |
8人以上10人以下 | 1,118単位/日 | 1,299単位/日 |
11人以上 | 692単位/日 | 817単位/日 |
放課後等デイサービスの地域区分
地域区分というのは、地域間における人件費の差を勘案して、地域間の支援費の配分方法を調整するために設けられた区分です。障がい福祉の分野においても、類似制度である介護報酬のおける地域区分との均衡を考慮して、原則、公務員の地域手当の設定に準拠している介護報酬の地域区分の考え方に合わせることとされています。
放課後等デイサービスの報酬単位がわかれば、次に事業所が所在する地域の地域区分を把握しましょう。
奈良県の放課後等デイサービスの地域区分
地域 区分 |
1単位あたり | 奈良県 | |
---|---|---|---|
一般型 | 重心型 | ||
6級地 | 10.36円 | 10.46円 | 奈良市、大和高田市、大和郡山市、生駒市 |
7級地 | 10.18円 | 10.23円 | 天理市、橿原市、桜井市、御所市、香芝市、葛城市、宇陀市、 山添村、平群町、三郷町、斑鳩町、安堵町、川西町、三宅町、 田原本町、曽爾村、明日香村、上牧町、王寺町、広陵町、河合町 |
その他 | 10円 | 10円 | 五條市、吉野町、その他 |
例えば、奈良市(6級地)で放課後等デイサービス(一般型)を運営する場合(定員10人・サービス提供時間3時間)
- 時間区分2 609単位 × 10.36 = 6,309円/日
となり、サービス提供時間3時間(時間区分2)の場合、1人あたり6,309円/日の報酬を算定することができます。
京都府の放課後等デイサービスの地域区分
地域 区分 |
1単位あたり | 京都府 | |
---|---|---|---|
一般型 | 重心型 | ||
5級地 | 10.60円 | 10.76円 | 京都市 |
6級地 | 10.36円 | 10.46円 | 宇治市、亀岡市、向日市、長岡京市、八幡市、京田辺市、 木津川市、精華町 |
7級地 | 10.18円 | 10.23円 | 城陽市、大山崎町、久御山町 |
その他 | 10円 | 10円 | 南丹市、井手町、その他の市町村 |
例えば、京都市(5級地)で放課後等デイサービス(一般型)を運営する場合(定員10人・サービス提供時間3時間)
- 時間区分2 609単位 × 10.60 = 6,455円/日
となり、サービス提供時間3時間(時間区分2)の場合、1人あたり6,455円/日の報酬算を算定することができます。
大阪府の放課後等デイサービスの地域区分
地域 区分 |
1単位あたり | 大阪府 | |
---|---|---|---|
一般型 | 重心型 | ||
2級地 | 10.96円 | 11.22円 | 大阪市 |
3級地 | 10.90円 | 11.14円 | 守口市、大東市、門真市 |
4級地 | 10.72円 | 10.91円 | 豊中市、池田市、吹田市、高槻市、寝屋川市、箕面市 |
5級地 | 10.60円 | 10.76円 | 堺市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、羽曳野市、摂津市、 高石市、東大阪市、交野市 |
6級地 | 10.36円 | 10.46円 | 岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市、富田林市、 河内長野市、和泉市、柏原市、藤井寺市、泉南市、四條畷市、 大阪狭山市、阪南市、島本町、能勢町、忠岡町、熊取町、 田尻町、岬町、太子町、河南町、千早赤坂村 |
7級地 | 10.18円 | 10.23円 | 能勢町 |
その他 | 10円 | 10円 | その他の地域 |
例えば、大阪市(2級地)で放課後等デイサービス(一般型)を運営する場合(定員10人・サービス提供時間3時間)
- 時間区分2 609単位 × 10.96 = 6,674円/日
となり、サービス提供時間3時間(時間区分2)の場合、1人あたり6,674円/日の報酬が算定されることになります。
当事務所では、大阪・京都・奈良での放課後等デイサービスの開業支援や運営支援を行っております。放課後等デイサービス事業では、事業所としての収支を考えながら、他方では人員基準や運営基準といった法令等を遵守しながら事業所運営をしていかなければならず、非常に舵取りの難しい事業となっています。放課後等デイサービスの開業支援や運営支援のご依頼は問合せフォームよりお願いいたします。
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