就労継続支援B型事業の開業方法を行政書士がわかりやすく解説

就労継続支援B型事業は、一般企業への就職が困難な障がい者に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障がい福祉サービスを供与することを目的とした事業をいいます。就労継続支援事業にはA型とB型の2種類があり、A型は障がい者と雇用契約を締結し、原則として最低賃金を保証する「雇用型」で、B型は雇用契約を結ばず、利用者が比較的自由に働ける「非雇用型」となっています。

就労継続支援B型の対象者
就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない方や、一定年齢に達している方などであって、就労の機会等を通じて生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される方を対象としています。

具体的には、次のような方が対象者となります。

① 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者

② 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者

③ 上記①、②のいずれにも該当しない者であって、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている本事業の利用希望者

④ 障害者支援施設に入所する者については、指定特定相談支援事業者によるサービス等利用計画案の作成の手続きを経たうえで、市町村により利用の組み合わせの必要性が認められた者

目次

就労継続支援B型事業の開業手順

就労継続支援B型事業を行うためには、就労継続支援B型の「指定」を受ける必要があります。

就労継続支援B型を運営する法人を設立する

就労継続支援B型で指定を取るためには、運営主体が法人格を有していなければなりません。個人事業主では就労継続支援B型の指定を受けることができません。

ただ、就労継続支援B型を運営する法人といっても株式会社、合同会社、一般社団法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、社会福祉法人など、いくつかの種類があります。最近は、設立費用が比較的安くで済む合同会社が増えているようです。合同会社は「Limited Liability Company」の略で「LLC」とも表記され、会社法で認められた法人形態です。そこで、合同会社のメリット・デメリットをみてましょう。

【合同会社のメリット】

① 設立費用、ランニングコストが他法人に比べて安い

合同会社の場合、定款の認証が不要なため、株式会社では必要とされた定款の認証手数料50,000円が不要です。また、電子定款にすれば定款用収入印紙代40,000円が必要なくなります。

② 経営上の事務作業の負担が少ない

株式会社では役員任期を決める必要がありますが、合同会社では任期を決める必要がありません。そのため、合同会社の場合は、任期更新時の重任登記の手続きは不要とすることができます。また、株式会社の場合は決算を公告する義務がありますが、合同会社の場合には広告の義務がないため、公告のための事務作業や費用の負担が少なくてすみます。

③ 経営の自由度が高い。

株式会社の場合は、出資比率に応じて利益を分配する必要がありますが、合同会社の場合は、出資比率に関係なく社員間で自由に利益の配分を行えますので、貢献度に応じた利益配分が可能です。また、定款による組織の設計の自由度も高く、出資者と経営者が一致しているため、株主総会などを経ずに迅速に意思決定ができます。

【合同会社のデメリット】

① 他法人に比べて信用度はやや劣る

合同会社の場合は、株式会社と比較してその信用度はやや劣ってしまいます。

② 株式会社と合同会社では役員の肩書が違う

デメリットというよりも好みの問題ですが、代表者の肩書が、株式会社では「代表取締役」、合同会社では「代表社員」となります。代表取締役を名乗りたいのであれば合同会社ではなく株式会社ということになります。

③ 合同会社では株式を使った資金調達ができない。

株式会社では、株式を対価に資金調達することができますが、合同会社では、株式を使った資金調達ができません。大きく会社を成長させるつもりなら株式会社の方が適している場合があります。

以上のように、合同会社にはメリットもデメリットもありますので、法人を設立する際は就労継続支援B型の事業をどのように展開していくのかも考えながら法人形態を選ぶようにしましょう。

都道府県(市町村)から就労継続支援B型の「指定」を受ける

都道府県(市町村)ごとに就労継続支援B型の指定申請手続きのスケジュールが決められています。その決められた就労継続支援型の指定申請スケジュールに合わせて役所担当課で調査や協議を行い、資料収集、書類作成をすすめていくことになります。就労継続支援B型の指定日(事業開始日)をいつに希望するかによって指定申請の締切日が決まることになります。

例えば、

  • 大阪市の場合    事前協議 → 指定申請・受理(指定日前月10日まで)→ 審査 → 指定
  • 京都市の場合 事前相談 → 指定申請・受理 → 審査(概ね2ヶ月)→ 指定
  • 奈良市の場合 事前相談 → 指定申請・受理(指定日2ヶ月前末日まで)→ 審査 → 指定

この段階でのご相談でよくあるのが、あまりにも短い期間での指定日を希望されるご相談です。

就労継続支援B型として使用する物件の選定具合や人員の確保具合にもよりますが、行政側の就労継続支援B型の指定申請のスケジュールは決まっていますし、一定の審査期間はどうしてもかかってしまいます。

大阪市の場合であれば、指定日前月10日から翌月1日まで、京都府であれば申請が受理されてから概ね1ヶ月間の期間は見込んでおかなければなりません。この期間に相談支援事業所へ開業の挨拶回りやスタッフ研修などの開業準備をしていきましょう。これらの細々とした就労継続支援B型の開業準備をしっかりしていると意外と時間が喰われますのであっという間に指定日を迎えることになります。

就労継続支援B型の事前協議(事前相談)の次は、指定申請を行います。就労継続支援B型の指定申請では、就労継続支援B型として使用する物件が適法な状態であることや人員基準を満たしていることなどを証明するために各種資料の収集や申請書類を作成していくことになります。

就労継続支援B型の指定申請の際には、様々な多くの書類を作成していくことになります。大きなポイントとなる部分を挙げるとすれば、Ⅰ:人員基準Ⅱ:物件の適法性・設備基準Ⅲ:協力医療機関の同意 がポイントとなります。

就労継続支援B型の指定申請のPoint
Ⅰ 就労継続支援B型の人員配置基準(管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員)を満たしているか

Ⅱ 就労継続支援B型として使用する物件の間取りが適切で、都市計画法、建築基準法、バリアフリー条例(京都市)、まちづくり条例(京都府)、消防法に適合しているか。就労継続支援B型の設備基準を満たしているか

Ⅲ 協力医療機関の同意(ハンコ)を得られるか

Ⅰ.就労継続支援B型事業の指定申請が受理されるためには、就労継続支援B型事業の人員配置基準(人員基準)を満たしていなければいけません。

就労継続支援B型事業の指定申請が受理されるためには、サービス管理責任者を中心とした就労継続支援B型の
人員配置が非常に重要となります。

また、人員配置は指定を取得した後の就労継続支援B型の運営面でも非常に重要となる基準になります。サービス管理責任者の要件と一緒に正しく理解しておきましょう。

 指定就労継続支援B型事業の人員基準

職 種 就労継続支援B型の人員配置基準  常勤要件 備考
管理者  1名以上   兼務可
サービス
管理責任者
・利用者60人以下…1人以上
・利用者60人以上…1人に、利用者が60人を超えて40 or
 その端数を増すごとに+1人以上
常勤 ・資格要件
・実務経験
・研修要件
職業支援員 常勤換算で、利用者数を 10 or 7.5 で除した数以上 どちらか1人は
常勤
資格不要
生活支援員

 

Ⅱ.就労継続支援B型事業の指定申請が受理されるためには、物件の間取りが適切であり、都市計画法、建築基準法、バリアフリー条例(京都市)、まちづくり条例(京都府)、消防法に適合していなければなりません。

就労継続支援B型事業所として使用する建物の使用部分が200㎡を超える場合には、建築基準法上の「用途変更の確認申請」という申請が必要になります。用途変更の確認申請には、原則として「確認済証」と「検査済証」が必要になりますが、その手続きは負担も費用も大きなものになるが通常ですので、就労継続支援B型の物件を選ぶ際には、できるだけ使用部分が200㎡以下の物件を選ぶようにしましょう。

また、消防法の要請から誘導灯や非常警報装置などの消防設備を設置しなければいけない場合がありますので、関係各部署と慎重に協議を進めていきます。さらに、以下の設備要件を満たしていることが必要です。

指定就労継続支援B型事業の設備基準

設 備     要  件
訓練作業室 サービス提供に支障のない広さを備えること。大阪市の場合は、利用者1人当たり約3.0㎡必要。
就労継続支援B型事業は、最低定員20名。訓練指導室の最低面積は60㎡(20名×3㎡)が必要。
相談室 プライバシーに配慮していること。
多目的室 相談室と兼務可能。
事務室 鍵付き書庫を設置すること。
洗面所・トイレ 洗面所(手指洗浄)はトイレ内手洗いとは別々であること。

Ⅲ.協力医療機関の同意(ハンコ)を得られるか

就労継続支援B型事業所を運営する場合、サービス提供中に利用者が突然の体調不良を起こしたり異変が起こった場合に備えて、すぐに連絡のとれる協力医療機関を定めておかなければなりません。

この協力医療機関の同意(ハンコ)を取るのに苦労する方もいらっしゃいます。就労継続支援B型の開業手順のはやい段階で協力してくれそうな医療機関に打診しておきましょう。

就労継続支援B型の指定申請書類が受理されて審査を経た後に、ようやく就労継続支援B型の「指定」を取得することができます

就労継続支援B型の指定を取得することももちろん大切ですが、指定を取得した後の「運営面」こそが重要になります。指定を取得することによってようやく事業運営のスタートラインに立てたといっても過言ではありません。

とくに、就労継続支援B型事業のような障がい福祉サービス事業では、コンプライアンス(法令遵守)を意識した経営が必要になってきます。障がい福祉サービス事業の事業所収益は税金が投入されているからです。当事務所では、法令に適合した運営を行っていただけるように運営コンサルティングサービスも行っております。

また、就労継続支援B型事業所を運営していき、事業所としての運営に慣れてくれば次の事業展開として、就労継続支援B型の事業所に通所されている利用者さんの居住サービスである共同生活援助(グループホーム)を検討される事業所さんも多いです。就労継続支援B型の利用者さんの親御さんから「良いグループホームが見つからない・・・」という声も多いのが現実ですので、地域の福祉のためにも検討されてみてはどうでしょうか?

運営コンサルティング

グループホーム(共同生活援助)

就労継続支援B型事業の指定申請手続きに詳しい行政書士が支援

就労継続支援B型事業所をはじめとする障がい福祉サービス事業の指定申請では、行政によって申請スケジュールが決められています。その決められたスケジュールに合わせて、調査、協議、資料収集、書類作成などを行っていかなければ事業開始時点(指定日)がどんどん後ろにズレてしまうことになります。これではいつまで経っても開業できず売上をあげられないのに、物件家賃や従業員給料などの経費が出ていくだけになってしまい、資金繰りに窮してしまいます。実際に、就労継続支援B型の指定はとれたのは良いのですが、2~3ヶ月で廃業してしまう事業所さんもあるのです。

そうならないためには、就労継続支援B型事業の収支予算シミュレーションを考えながら開業時点(指定日)を目標設定することにより、就労継続支援B型の指定申請のために必要となるタスクを逆算で洗い出し、適切なタイミングで調査、協議、資料収集、書類作成などを行っていかなくてはなりません。就労継続支援B型として使用する物件の賃貸借契約の締結や従業員との雇用契約のタイミングも就労継続支援B型の指定日を明確にすることによって、物件の賃貸契約のタイミング、雇用契約のタイミングが見えてくるのです。

また、建築基準法の用途変更や消防法の消防設備の設置工事などが必要になると建築士や消防設備業者との連絡調整もでてきますし、行政の各担当部署ともすり合わせが必要となってきます。事業開始時点という就労継続支援B型の指定日を目指して一つ一つ手続きをクリアしてことになります。

これらの就労継続支援B型の指定申請の手続きをスケジュールどおりに行うには就労継続支援B型の指定申請に詳しい実績のある行政書士でなければ難しいでしょう。就労継続支援B型事業の指定申請手続きの経験のない行政書士やコンサルタントが手続きを受託して「就労継続支援B型の開業の準備途中で挫折してしまった・・・」「いつまでたっても就労継続支援B型を開業できない・・・」という話はこの業界ではよく聞く話です。

当事務所では、就労継続支援B型事業の指定申請の実績も豊富でございます。指定後の就労継続支援B型の運営面も見据えた指定申請を行っていきましょう。

当事務所に就労継続支援B型の開業支援をご依頼いただく3つのメリット

就労継続支援B型の指定申請手続きだけではありません!!

当事務所では、単に「指定申請手続き」といった就労継続支援B型の開業時の手続きのみに対応するだけではありません。指定申請後の就労継続支援B型の運営面を見据えたコンサルティングも行います。例えば、福祉・介護職員処遇改善加算や食事提供体制加算をとるにはどのような要件をそろえればその「加算」がとれて、その加算をとれば幾らぐらいの売上が見込まれるのか・・・などのアドバイスをしながら就労継続支援B型の指定申請の手続きをすすめていきます。就労継続支援B型の事業所を運営するということは従業員の給料はもちろん家賃などの経費を支払っていかなければなりません。就労継続支援B型の収支を意識した事業所運営を行いましょう。

就労継続支援B型の指定後の運営コンサルティングにも対応!!

障がい福祉サービス事業は、事業所の収益に税金が投入されるわけですから、厳しいコンプライアンス(法令遵守)が求められる業界です。就労継続支援B型事業のような日中系就労系といわれるような事業でも定期的に行政による実地指導は入ります。いいかげんな就労継続支援B型の運営をしていては、行政から返金を求められたり、最悪の場合は指定取消となってしますケースもあります。当事務所では、事業所の収支を意識した戦略的な事業運営コンプライアンス(法令順守)経営が両立するような就労継続支援B型の運営コンサルティングサービスを行っております。

就労継続支援B型の開業時の創業融資にも対応しております!!

就労継続支援B型事業を含む障がい福祉サービス事業では、サービスを提供した月の翌月10日までに国民健康保険団体連合会(国保連)に報酬請求を行います。ただ、その入金はさらに翌月の中頃になります。つまり、入金サイト(入金期間)が他の業種に比べて比較的長いのが特徴です。そのため、就労継続支援B型の開業時には開業費用の他に最低でも6ヶ月程度の運転資金を準備しておかなければ就労継続支援B型の開業後すぐに資金ショートを起こしてしまう可能性があります。

当事務所では、日本政策金融公庫などの金融機関への創業融資の申込みのお手伝いもさせていただいております。就労継続支援B型の開業後では良くも悪くも実績ができてしまいますので融資が降りにくくなるといわれています。就労継続支援B型の開業前に余裕のある運営資金の準備をしておきましょう。

就労継続支援B型事業の開業ご依頼の際の流れ

① 就労継続支援B型として使用する「物件」の目途をつけましょう。

就労継続支援B型として使用する物件の目途がついた段階では、まだ大家さんと正式に賃貸借契約を締結しません。正式な賃貸借契約は担当役所との就労継続支援B型の事前協議(事前相談)を経た後に締結することになります。

就労継続支援B型事業は、就労の機会を提供する場ですので、生産活動の内容にもよりますが、駅近のテナントビルというよりも少し郊外の比較的家賃の安い賃貸物件であるのが一般的です。就労継続支援B型の利用者さんに利用してもらわないと収益をあげることができませんので、就労継続支援B型としての「売り」になる生産活動を考えて利用者さんに選んでもらえるような就労継続支援B型事業所を目指しましょう。

② 就労継続支援B型のサービス管理責任者を確保しましょう。

サービス管理責任者は就労継続支援B型事業を運営していくうえで非常に重要なポジションにあります。サービス管理責任者は、資格要件・実務経験・研修要件によって成れるか成れないかが決まりますが、労働市場に要件を満たすサービス管理責任者が不足しているのが現状です。これから事業を一緒に盛り上げていく仲間として働いてくれる人をはやい段階で確保しておきましょう。

③ 当事務所へ就労継続支援B型の開業支援を依頼しましょう。

上記1.2の目途がついた段階で就労継続支援B型の開業支援ご依頼いただくのが一番スムーズでありますが、できるだけはやい段階でご相談いただければ物件選びの注意点や人員基準の考え方などもアドバイスいたします。

就労継続支援B型の開業支援の当事務所の報酬

料金 380,000円(税別)

※法人設立業務は提携司法書士が行います。提携司法書士との別途契約となります。

※建築士の用途変更や消防設備業者の工事などの費用は担当業者との別途契約となります。

※福祉・介護職員処遇改善加算の同時申請は別途料金となります。

※創業融資などの融資手続きは別途契約となります。

就労継続支援B型の開業支援をご依頼いただく際にご準備いただくとスムーズな資料

  • 就労継続支援B型として使用する物件の情報
    物件の位置(住所地)、間取り(窓の位置・面積がわかれば尚良)、面積がわかるもの
  • 就労継続支援B型のサービス管理責任者の情報
    履歴書、資格証、実務経験証明書、研修修了証の各コピー
  • 就労継続支援B型を運営する法人の定款・登記簿
    定款の「目的欄」が適切に記載されているかどうかを確認します。
    適切でなければ変更手続きをする必要があります。

業務に関するお問い合わせはお電話またはメールにて承っております。(事業開業に関する具体的なご相談は面談で行っておりますが、まずはお電話・メールにて状況をお伝えください)

  • メールは24時間承っておりますが、返信に2営業日ほど頂く場合がございます。

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